日産自動車・橫浜工場はおそらく日産自動車としては最古の工場でしょう。その正面入口脇にゲストホールと称された、古い工場建屋を模したPR施設があります。なお、日産最古の橫浜工場は、現在でもエンジン専業プラントとして、あらかたの日産車のエンジンをプロダクションしています。(R35エンジンもここで製造)
訪れたのは、日産がルノー傘下になって程ない20年近く前のことです。入口早々に、C・ゴーンの自信満々のサインがありました。此奴を呪う元日産関係者の怨念は凄いものがあるでしょう。展示はごく少数のエンジンとトランスミッション(ハーフトロイダルCVT)だが、日産のことの始めを示す記念碑的な施設だろうと思えます。
ここで、古くから日産に慣れ親しんだ方なら、日産というよりダットサンだという方向けに、ちょっとネーミング変遷のウンチクを少々記してみます。当初は、逃げるウサギのように非常に速いことのたとえである「脱兎(だっと)のごとく」にかけて、脱兎号(DAT CAR)と名づけられたそうです。そして、その息子(SON)としてのDATSONから、そん(損)に通じ語意が悪いと太陽(SUN)としてDATSUNブランドが命名されたとのことです。しかし、この日産車を示すブランドDATSUNも1986年頃に一旦終焉しました。当時の社長は石原俊。そして2013年以降、新興国向け販売車両にDATSUNブランドは復活しています。
さて、見学の方ですが、ダットサン初期のエンジンです、エンジンは外観を示すものと、対応するカットエンジンが展示されていました。フラットヘッドですが、吸排マニホールドがブロック側上部に接続していますからSV形式の弁配置と判ります。カットエンジンを見ると、その通りなのですが、おそらく1200cc程の排気量(単気筒355cc)と思いますが、現在の軽4(単気筒220cc)より圧倒的に小さなバルブ傘径だし、それは完成エンジンのキャブエアホーン径も同じくです。クランクシャフトを眺めると写真の通り、前後2点をおそらくローラーベアリング支持だけで、中間の支持は一切ありません。クランクシャフト自体も細く大小ジャーナルも細いものです。見た感じで確認した訳でないですが、ピストンはアルミ製で現在と変わりませんが、コンロッドもアルミ製の様に見えます。そして、コンロッドベアリングに相当する部位に単独のメタルがないと。つまり、コンロッドメタル兼用とするためのアルミなのかと思えます。それにしても指感した訳でないけど、クランクシャフトのピン部の表面粗さがずいぶんと大きく見える。この様な構造のエンジンであれば、おそらく最大回転3千rpmが良いところでしょう。
ただ一つだけ展示されていたATたるトロイダルCVTです。CVTはベルト式はあまた多くが採用され続けているが、この曲面板と半球の点接触で変速比を連続可変させるというトロイダルCVT方式として、セドグロ(FR)の最終モデルの極一部とスカイライン(V35)に採用されたに留まり、以後の発展採用はありません。(現状のところですが・・・)開発はジャトコ、NSK、出光興産の共同だったらしいが、キモはオイル(ATF)にあったと聞いています。つまり、駆動接触点の高圧下での高剪断力(簡単表現すると加圧下で硬くなる)と、潤滑および冷却能力を合わせ持つということでしょう。しかし、通常のステップATも、デキシロンⅡで統一かと思っていたら、昨今はメーカー毎に一種独自規格みたいで、その互換も判じかねるATFが多い時代になったと思います。
訪れたのは、日産がルノー傘下になって程ない20年近く前のことです。入口早々に、C・ゴーンの自信満々のサインがありました。此奴を呪う元日産関係者の怨念は凄いものがあるでしょう。展示はごく少数のエンジンとトランスミッション(ハーフトロイダルCVT)だが、日産のことの始めを示す記念碑的な施設だろうと思えます。
ここで、古くから日産に慣れ親しんだ方なら、日産というよりダットサンだという方向けに、ちょっとネーミング変遷のウンチクを少々記してみます。当初は、逃げるウサギのように非常に速いことのたとえである「脱兎(だっと)のごとく」にかけて、脱兎号(DAT CAR)と名づけられたそうです。そして、その息子(SON)としてのDATSONから、そん(損)に通じ語意が悪いと太陽(SUN)としてDATSUNブランドが命名されたとのことです。しかし、この日産車を示すブランドDATSUNも1986年頃に一旦終焉しました。当時の社長は石原俊。そして2013年以降、新興国向け販売車両にDATSUNブランドは復活しています。
さて、見学の方ですが、ダットサン初期のエンジンです、エンジンは外観を示すものと、対応するカットエンジンが展示されていました。フラットヘッドですが、吸排マニホールドがブロック側上部に接続していますからSV形式の弁配置と判ります。カットエンジンを見ると、その通りなのですが、おそらく1200cc程の排気量(単気筒355cc)と思いますが、現在の軽4(単気筒220cc)より圧倒的に小さなバルブ傘径だし、それは完成エンジンのキャブエアホーン径も同じくです。クランクシャフトを眺めると写真の通り、前後2点をおそらくローラーベアリング支持だけで、中間の支持は一切ありません。クランクシャフト自体も細く大小ジャーナルも細いものです。見た感じで確認した訳でないですが、ピストンはアルミ製で現在と変わりませんが、コンロッドもアルミ製の様に見えます。そして、コンロッドベアリングに相当する部位に単独のメタルがないと。つまり、コンロッドメタル兼用とするためのアルミなのかと思えます。それにしても指感した訳でないけど、クランクシャフトのピン部の表面粗さがずいぶんと大きく見える。この様な構造のエンジンであれば、おそらく最大回転3千rpmが良いところでしょう。
ただ一つだけ展示されていたATたるトロイダルCVTです。CVTはベルト式はあまた多くが採用され続けているが、この曲面板と半球の点接触で変速比を連続可変させるというトロイダルCVT方式として、セドグロ(FR)の最終モデルの極一部とスカイライン(V35)に採用されたに留まり、以後の発展採用はありません。(現状のところですが・・・)開発はジャトコ、NSK、出光興産の共同だったらしいが、キモはオイル(ATF)にあったと聞いています。つまり、駆動接触点の高圧下での高剪断力(簡単表現すると加圧下で硬くなる)と、潤滑および冷却能力を合わせ持つということでしょう。しかし、通常のステップATも、デキシロンⅡで統一かと思っていたら、昨今はメーカー毎に一種独自規格みたいで、その互換も判じかねるATFが多い時代になったと思います。