燃料電池電池車(FCV)については、大手自動車メーカーにより試作車が開発され、今や政府系機関等の一部に貸し出されたり、リース販売なされたりする様になっていますが、未だ一般的なクルマとして普及なされる時期は明確ではありません。このFCV用燃料電池で実用化のネックになっているのは、やはりコストにある様です。現在、リース販売なされているFCVは、1台数千万から数億円はすると伝えられています。
それと、水素を利用するFCVは一切CO2を排出しませんが、そ の燃料となる水素をどうやってCO2を排出しないで作れるのかという問題がある様です。また、水素燃料タンクの容量が150リットルで充填圧力350気圧程度としても、その航続距離は300キロ程度と比較的少ないこともある様です。そして、燃料供給ステーション設備等、インフラ整備の問題もあるのだと伝えられています。そんなことから、実用化までには後10年以上は要するのだと云われるのです。
ところで、この燃料電池ですが、特殊用途ですが既に40年も前に実用化なされている分野があります。それは宇宙産業であり、米国のジェミニ計画やアポロ計画、その後のスペースシャトルまで宇宙空間での電力確保に燃料電池は使用されてきたのです。以前に、当ブログで記したアポロ13での事故ですが、それは燃料電池に供給する酸素タンクが爆発したものでした。しかし、宇宙産業は民生用と比べれば、コスト的な制限は非常に低く、早くから実用化なされたのでしょう。
この燃料電池ですが、自動車用よりも先に家庭用として普及する余地が高いように感じられます。それは、都市ガスを改質して水素を作り燃料電池として使うものだそうです。欠点はCO2が生じることと発電効率が火力発電より低いことだそうだが、合わせて作られる温水供給と合算した熱効率は80%程度と高効率となるとのことです。後は、コストが下がり耐久性が十分高まれば、家庭用として普及して行くものと感じます。