私の思いと技術的覚え書き

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交通事故は続く(ガイアナ航空機事故)

2011-08-01 | 事故と事件
 交通事故は続くと云っても、自動車事故は極身近な出来事ですが、鉄道だとか航空機の事故は、自動車に比べれば稀なものです。しかし、航空機の事故は、一旦生じれば、全員死亡など、生存率が著しく低いのが特徴でしょう。

 この理由は、高空を高速で飛翔するとか、飛ぶために機体強度を安全が許すギリギリまで軽量化せねばならず、衝突時の脆弱性があることも否めないことでしょう。

 そんな航空機事故が7月30日未明、南米ガイアナのジョージタウン空港に着陸しようとしたカリビアン高空のB737-800旅客機が、着陸に失敗しオーバーランし、機体胴体が折れてしまうという事故が報じられています。しかし、乗客乗員160名余搭乗していたが、重軽傷者はいるものの死亡者ゼロとのことです。

 報道写真を見ると、機体胴体の中央部付近が完全に折れているのが判ります。しかし、機首先端部に圧壊した形跡はなく、著しい進行方向への衝突、すなわち高減速度が生じなかったことが想像できます。

 素人考えですが、機体胴体の折損は、着陸時の降下角が強すぎたとか、ウィンドシェアと呼ばれる上から下に流れる気流で、機体が滑走路に叩き付けられた際に生じたのではないでしょうか。

 ちなみに航空機のボデーは、クルマの様な縦の縦貫材(サイドフレーム)を持たない、純粋なモノコック(応力外皮)構造です。モノコック外板の継ぎ目に沿って、多少は強度あるストリンガーと呼ばれる補強材がありますが、大きな外力は機体外板の全体で負担しています。そのため、出入り口や各窓などの開口部は、強度低下が許す範囲で小さく設計せざるを得ないのです。



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