世の自動車検査員に告ぐ

世の自動車検査員に告ぐ
　指定工場（特にディーラー）の車検不正など行政処分が止まらない。この要因について、国交省やトヨタ自動車、そして処分を受けた企業など、さまざまないい訳を述べているが、私は嘘を付くなと断じている。

　不正車検を惹起する要は自動車検査員にあることは確かだろう。自動車検査員は、自動車検査における国家権限を個別検査員に委嘱したみなし公務員となされている。つまり、こと自動車検査における検査の合否は検査員の良心に委ねられているという重大な責任があるのだ。だから、行政処分の中には、検査員の解任命令というのがあるが、これは以後２年間、検査員をすることができないといういわば個人罰なのだ。

　ただし、現在生じている不正車検がすべて自動車検査員が業務を放棄したとか不真面目だとは思っていない。さまざまな会社の圧力とか、利益至上主義の中で、検査業務に障害が生じた故であるであろう。

　しかし、検査員の諸君、あなたは国から委嘱された権限行使をまっとうするに際し、あなたの上位職に対し、委嘱された権限がまっとうしかねることについて、充分意見を述べただろうか。もし、充分な意見も述べずに、行政処分が下されたとしたら、あなたは検査員の権限を放棄していることになる。

　なお、充分な意見を述べたにも関わらず、企業上流からの命令であなたの意見が無視なされたというのなら、告訴も辞さずという覚悟で、企業と戦わねばならないだろう。このことは、現在の日本の法令で、あなたの主張が真実である限り、会社はあなたを排除することはできないのだ。

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