車間距離と運転車の心理

　交通事故形態で二番目に多い追突事故を防ぐためには、制動停止距離を上回る十分な前車との車間距離を保持して走行するのは必用なことでしょう。しかし、現実の交通状況では、幹線の直線路などにおいては、かなり短めの車間距離で車列となって走行している実態を良く見ます。また、先頭に走行環境にそぐわない低速車が居たりすると、その後ろにはいわゆる「大名行列」状態となり、かなり車間を詰めた車列が形成されることになります。

　ところで、運転車の心理として、より早く走りたいという方が多い故でしょうが、前車とさらにその前のクルマが過大に車間距離を取っていると、イラツキを感じる場合が多い様に感じられます。そうして、運転車は前車との車間を詰めるのです。（煽りということではなくても）そうすると、バックミラーをちゃんとみている前車の運転車は後方からの車間の詰めを圧力と感じつつ速度を上げますから、さらに前方車との車間が詰まっていくということになります。こうして、短め車間の車列集団が形成されるのでしょう。

　以上のことから、後方車をイラつかせず適度な交通の流れを生み出すには、適度な車間距離を維持しつつ、走行することも必用なことではないでしょうか。もし、それが、自らが危険と判断すべき車間や速度なのであれば、幅員が広がるなど適当な場所で左方へ寄るなどして、後方車に進路を譲るべきがスムーズかつ円滑な交通のために必用なことと思って居るのです。