最近は、クルマのサイドラインにプロテクトモールディングが装着なされないのが国産車も輸入車もデザイントレンドの様に感じられます。その代わり、サイドラインのアクセントとなる強いプレスラインを表現していているクルマがトレンドの様にも思います。
この代表格が現行のBMWやベンツ等で、ドアの中央より上部(ベルトラインより10cm程度下)に、比較的強い”〈”字状のプレスラインが表現されています。個人的には、このアクの強いデザインは余り好きになれないものだと感じています。
ところで、これらプレスラインというのは、デザイン的な目的だけでなく、パネルの張り剛性を確保するという目的を持っています。一般にボデー外板パネルの板金修正を行う場合、プレスライン部は平面部より難しいものと云われています。但し、考え方によれば広い平面パネルに比べ、パネルの張りを確保し易いから、返って板金し易い場合もあるのだと感じています。但し、この様な明確なライン部は、影タガネの使用が適切に行える板金技能者でないと難しいものだと思います。
それと、BMWやベンツのラインを見ていて感じますが、” 〈”字状プレスラインの上下はパネルが凹む様な曲面(この様な曲面を逆アールと呼びます)になってしますが、これはパテ成型で結構に研削し難いものだという意見を多く聞きます。確かに通常の外アールであれば、平面パット(研削ペーパー用当て板)で自由になりますが、逆アールでは似た様なアールを持つ曲面パットを使用しなければなりません。しかも、ダブルアクションサンダー等の機械の使用も困難となりますから、手作業で仕上げレベル(ペーパー目消し)までの行う必要があり時間も要してしまいます。
追記
掲載写真はある工場で見た現行BMW(E90ツーリング)の、塗装下処理前段階での写真です。ところで、板金塗装工場は、この様な明るい環境を確保することも、大事ななことと思います。