私の思いと技術的覚え書き

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スズキ防錆リコール15万件に感じる

2017-11-27 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 11/24付けでスズキは、ワゴンR、アルト、MRワゴン、セルボのリコールを公表した。内容は、フロントサスペンションの防錆不良により、強度低下から最悪の場合にロワアームが脱落して走行不能になる恐れがあるというものだ。いわんや、記していないが重大事故に結び付く可能性が十分ありえる内容だ。

 本件リコール内容は、下記図に示すとおりだが、予てより当該メーカーについて、特に車両下部の足回りやアンダーボデーの防錆とか、そもそも骨格パネルの合わせ面に隙間を生じるなど、品質上に極めて劣るものを感じ続けていた。従って、今回のリコールも、さもありなん、何れ起こるべきして生じたものと感じるのだ。

 何故、その様に感じるのかと云えば、過去から多くのスズキ車の車両下部を見て来たが、ダイハツやホンダなどと比べ、発錆が多く生じていることを知見するからだ。ちなみに10年前にワゴンRスティングレーを新車購入し、その数日後にリフトアップして車両下部の品質を評価したことがある。その結果は、到底満足行くものでなく、メーカーのお客様相談室に下記意見(一部抜粋)を送付したことがある。その結果は、取扱いディーラーから連絡が来て、車両下部の塗装を補修したいとであったが、錆が出てしまっている部品やパネル間の隙間を埋めるシーラー処理が、完成車両において満足に出来る訳もなく断った次第だ。
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※以前の新車納車から数日後の評価

④シャシ系のボデーワークについて
 車両の外観面は良いとして、車両下部より観察した私のこのクルマに対する評価は、以下に記す様な点から、著しく低いものであると感じました。

(1)アンダーボデーのパネル合わせ面の密着度が低いこと。(パネル接合部に隙間を生じている箇所が散見されること。)強く改善が必要です。

(2)このパネル合わせ面に防錆用のシーラー(吹きつけ型?)が塗布はされているが、元々のすき間が多きいため、その隙間を埋めるに至っていない箇所が散見されること。これでは、まったくシーラーを塗布する意味がありません。強く改善が必要です。

(3)そもそも、防錆材の塗布箇所や塗布量が少な過ぎること。幾ら、EDコート(カチオン電着)してあると云っても、パネル間のこれら隙間には長時間の水滴がたまり、特に沿岸地帯での使用や冬季の融雪剤に対し、防錆上の懸念を強く持ちます。私の住まいも沿岸地域であり、台風等の後はボデー表明に塩分が多量に付着します。なお、私は今回購入のクルマに限らず、過去に貴社の種々のクルマ(乗用や貨物)や他社のクルマを実際に多く見比べて来ました。その経験からも、明らかに貴社の製品はアンダーボデーの防錆性が他車より劣っています。例を引けば、貴社の最大のライバルメーカーであるダイハツ車の方が、かなり上等ではあると感じます。これまた、強く改善が必要です。

(4)シャシ系のパーツの防錆処理が不足していること。私は、この製品を昨日受け取り、本日車両下部を確認した訳ですが、何でこんなに錆が生じているのかと唖然としました。それは以下の様な部分です。左右ドライブシャフト、エンジンオイルクーラー部、左右ステアリングナックルの平面研削処理部分(タイロッドエンド取り付け部等)、Frディスクプレートの内側等、Rrブレーキドラム部、エキゾーストマフラー後部のマスダンパー部分、各サスペンションアームのエッジ部分等です。これら部品は高度な防錆処理はともかく、軽度な表面処理(塗装もしくはメッキ処理)が必要です。いったい貴社は、150万円の商品を購入して、その翌日には錆びだらけのこれら部品を見た消費者の心理を考えたことがあるのでしょうか。なお、エキゾーストマニホールドやパイプ本体については、その高温特性から現状でも良いでしょう。

(5)右後輪のみ40g程度と大きなバランスウェイトが付いていること。その他3輪は、20gまでです。右後輪は、タイヤの重量的ユニフォミニティの不良かホイール自体のバランス不良が疑われます。







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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
錆対策 (とんび)
2019-08-14 16:08:01
スズキ車が錆やすいことを知らず、去年ラパンを買ってしまいました。今日、オイル交換の際に底面を見ると、マフラーパイプの取り付け部に錆がでていました。今後、どのような箇所に気をつけていけばよいでしょうか。御教示頂ければ幸いです。
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排気関係錆び他 (wiseman410)
2019-08-14 20:27:51
 マフラー関係は、その高温度特性上、一般市販車の鉄系合金では錆は致し方ないところです。それでも排気ガス対策(S53年のこと)以降は、純な鋼でなくステンレス鋼になっていますので、一般的には表面錆は出ますが、内部まで錆が進行し孔食することはほぼなくなりました。その昔のクルマでは、マフラー系は消耗部品で6、7年程の寿命と意識していたのですが、現在ではほぼ解体屋で廃車になったクルマでも、マフラー系が腐食で穴が空いているのを見るケースは希です。
 なお、あなたが寒冷地に住まいの場合は、融雪剤(塩カリ)による、ボデー骨格部の錆が一番やっかいな問題だろうと思えます。(下記の記事参照)

腐食減肉とは恐ろしきもの 2019-07-15
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/da4f4cf06ec75ccb78a130250209967d
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Unknown (武藤)
2019-08-29 17:24:34
こんにちは、初めまして。
記事を興味深く拝見致しました。
スズキ車で困るのは、ボディ表面は綺麗なのに、強度メンバーなどフレームに関する箇所が容赦なく錆びてきてしまうことです。
表からは見えないから発見も遅くなりがちで、気付いた時には既に穴があいていたりします。
自分のも、たまたまバンパーを外したから気付いたのですが、クロスメンバーのスタビ取り付け点あたりが腐食し、穴があいていました。
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