私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ゴルフ練習場に潜む危険

2022-10-25 | コラム
ゴルフ練習場に潜む危険
 ゴルフ練習場(通称:打ちっぱなし)だが、全国各地に所在するだろう。
 このゴルフ練習場だが、廻りを30m程の高さの鉄柱を立て、そこにネットをウインチで引き上げる構造になっており、台風とか風の強い状態になるとネットを下げて、鉄柱に掛かる横向きの引き倒そうという応力を軽減させて倒壊を防止している。

 このゴルフ練習場の倒壊事故について、近年生じた事件として、2019年に千葉市原で生じたマトモに周辺の住宅数十軒の上に倒壊した事故には驚いたものだ。(添付写真1参照)


 そんな思いもあり、名前や場所は特定しないが、比較的近郊にあるゴルフ練習場の周辺を一回りしながら、観察してみた写真を4枚ほど紹介してみる。(添付写真2~5参照)

 ゴルフ練習場の鉄柱は約10m間隔に直立している。起訴はそれなりの地盤補強とコンクリートで固めた上に、支柱をボルト止めしている訳だが、市原事件では強い風の日にネットを降ろさずにいて、この支柱根元のボルトが切断されてしまった様だ。

 一方、林立する各支柱上部は、横に通した梁により結合されており、大風だけでなく地震などで、個別支柱の横揺れを、全体を剛結することで、振れを防いでいる様だ。屋根の重い建物だと、この横に通す梁の縦断面の太さが、耐震性能に強く関わるのであろう、縦柱よりよほど大きな縦断面の梁が通してあるものだ。ただし、ゴルフ練習場の場合は、ネットさえ下げれば上部負荷される重量はさほど大きくなく、横梁もトラス組で、その重量を増さずに曲げ剛性を負担する構造の様に伺える。

 と云っても、添付した写真のごとく、トラス各部の腐食による断裂が各部に散見(私のカウントでは17カ所以上)ある状態では、ほぼ地震の際の制震効果は著しく低下していることだろう。

 そもそも、この様なアングルと平板を使用したトラス組みというのは、昔設置した工場建屋とか鉄道架線の支柱などに使用されているのを見掛けるが、ここまで腐食して、その一部が欠損していたら、速やかに補修工事をするだろうに、何ら手当をせずに使い続けている現状を知ると空恐ろしく思える。

 とりあえず、その所在地の役所には、こういう現状があることを知らせ、現地確認して欲しいとは連絡して置いた次第だ。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。