私の思いと技術的覚え書き

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蒸着アルミカラーについて

2009-01-27 | 車両修理関連

 最近、ショーカー(写真参照)やレーシングカー等で、蒸着アルミ顔料を使用したクルマを見る機会があります。しかし、ショーカーなど、特定の会場場面では良いのかもしれませんが、一般の利用環境ではあまりにも光過ぎで、下品にすHondas2000?ら見えてしまう様に思えます。そんなこともあるのでしょうが、現在までのところ、ここまで蒸着アルミを完全に塗り込んだ市販車は登場してはいません。

 しかし。蒸着アルミ層を極薄く塗り込み、下色の反射光と合わせ、より光輝感の強いシルバーメタリック色として登場し始めています。具体例としては、トヨタのレクサスSC(旧ソアラ)でのコスモシルバー(1F1)や、日産新GTR(R35)のアルティメイトメタルシルバー(KAB)等が該当する塗色となります。多分、その内にはシルバーメタだけでなく、ブルーやグリーンの色顔料と蒸着アルミ顔料を組み合わせた塗色も出て来るのだと想像しています。

 ちょっと一般的な塗装と離れますが、銀鏡塗装という特殊な塗装があります。これは、純銀を含んだ顔料を極薄膜でコートし、通常の塗装と同様にトップコートクリアーで覆うというものです。外観上の見た目は、クロームメッキした製品と変わりないもので、通常ならメッキできない様な大物部品でも、同様のメッキ仕上げの質感に仕上げられると云うものです。

 この銀鏡塗装は1ミクロンに満たない極薄膜を塗り込んで仕上げるのが特徴なのですが、このため銀鏡面の下地となるベースカラーの塗膜肌の凹凸を、極度に敏感に表してしまうという欠点を持っています。従って、大面積パネルをまるで鏡の様な銀鏡塗装を施そうとしたら、下地仕上げに相当に手を入れる必用があるのです。

 ところで、蒸着アルミについても、銀鏡塗装と似た部分が大きいと思います。一般的なシルバーメタリックのアルミ顔料の粒径は13μ程度と、これは蒸着アルミでも変わりません。しかし、アルミ顔料の厚みでは、通常のアルミ顔料が0.5μに対し、蒸着アルミでは0.05μと1桁薄いのが特徴なのです。ですから、蒸着アルミの上塗りとしては、極めて薄く塗り上げる必用がありますから、ベースカラーまでの仕上げが問題になってくるのだと想像されます。




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