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ロシアのウクライナ侵攻に思う

2022-03-14 | コラム
ロシアのウクライナ侵攻に思う
 昨日、初めて知る「小泉悠(ゆう」(39)という初めて聞く若手軍事アナリストが日本記者クラブで今次のロシアによるウクライナ侵攻の評価論を述べていたのだが、漠然と感じていた不自然という思いの幾つかを端的に指摘するその論評に聞き入った。ロシア軍事および諜報論というと、かつては佐藤優という元外務相のロシア担当職員が名を馳せたが、今次の問題でも幾つか述べてはいるようだが、まるで傾聴に値しない無価値論評であり、既に終わった人物だろう。

 さて、今回の紛争だが、誰が何処から見てもロシアの暴挙にしか見えない戦争なのだが、こういうムチャクチャな戦争を第2次大戦後世界で一番起こしてきたのは、間違いなく米国だろう。ところが、今回のロシアの様に世界中から米国は非難されることもなかったし、ある時は国連軍として世界が米国に協調して来たという場面さえあったということがある。それに比べると、今次のロシアのやり方は、その正当性の意味もあいまいだし、ロシアに味方する国が少な過ぎるということがある。

 かといって、この戦争前にロシアが現在の北朝鮮の様に国際協調路線から何時も反駁して、鎖国政策的な独自外交で、世界的な反駁を受けていた訳でもない。何が今次のロシアの暴挙に踏み出させたのかを考える時、やはり独裁者プーチンは、対米国の覇権に対する反発と、米大統領をアホで間抜けなこの機がチャンスと見たように思えてならない。これが、現バイデンでなくトランプ時代だったら、こういう暴挙にでなかった様にも思えるという意見は、様々なところから聞こえて来るが、その通りと思えてしまうところだ。

 それと、ロシアの軍事力がこれ程の実力しかないということに驚くしかない。今更知るところだが。ロシアとウクライナの軍事力は、おおよそ10:1という圧倒的にロシアが優勢であり、的確な作戦行動を取れば、一週間もすれば、ウクライナの首都キエフを陥落させても不思議ではない。それが、既に2週間も経て、キエフにロシア軍は直接的な攻撃をできないでいると云う不思議がある。

 このことを、今次視聴した小泉悠氏は、今回のロシアには、戦略という思想がまるで感じられず不思議だ。これでは、いたずらに戦争期間を引き延ばし、自国側のダメージを増やすばかりで不思議なことと述べていた。このことは、戦略とは端的に云って集中であり、一見四方八方を取り囲み、相手に何処から責めてくるか判らなくさせ、相手の防御力を分散させておいて、その弱点に戦力を集中させてぶち抜くと云うのは、予てからの戦略の要諦の基本のキなのだが、それが今次のロシアの作戦には感じられない不思議があると語っていたが、正にと思うところである。こんなことは、日本の自衛隊であろうが、作戦参謀は考えることであり、ロシアの作戦参謀が考えぬ話しとは思えない。

 となると、今次のロシアのウクライナ侵攻作戦は、ロシア参謀本部が一貫した指揮の元に、全軍の指揮を統制していないと云うことになるだろう。つまり、最高権力者プーチンの命令に、ロシア参謀本部は、本気で取り組んでいないことを示すことに他ならないのではないだろうか。

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「ウクライナ」(2) 小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター専任講師 2022.3.9
729,444 回視聴2022/03/09
https://www.youtube.com/watch?v=r0a3s5Y50yo


#あまりに戦略思想のないロシア軍


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