私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

最高裁罷免審査について

2021-11-03 | コラム
最高裁罷免審査について
 最高裁の裁判官罷免制度は、制度導入後70年を経て、現在まで一人の罷免者も出していないと云うことだ。記事によれば「過去に不信任票の割合が最も多かった72年審査の下田武三裁判官でさえ、その割合は15.17%に留まっており、その形骸化も指摘されている。」とある。

 かといって、幾らかでも裁判というものに感心を持つものなら、最高裁の裁判官が三権分立をまっとうして、裁判官として現行法律の中で良心ある判決を出し続けていると思っている者が少ないのではないだろうか。

 特に最高裁については、国賠とか行政争訟、重大凶悪事件が上告の結果として最終結審する訳だが、何時も思うことだが、権威を高め高いためだと思えるが、やたら難しく問題を解釈・判断し、一読しただけで文意が判らない様な悪文が多過ぎると思っている。だいたい、文章というのは、主語があり、述語(理由)があり、結論という文章となるのだが、裁判官の著述する文章は、ヘタすると文章冒頭から十行にもおよび句読点となる様な文章を併記で書く。これでは、例えば、文中で云うそれが何処を指すのか、まるで判らなくなってくる。ビジネス文書だとか新聞記述で、こんな文章を書いたら悪評だらけになるだろうし、小中学校の作文でも、こんな書き方したら、ダメだよと指導されるされる訳なんだが、多くが東大法学部卒で、裁判官のしきたりたる文法では、これが権威と云うことになってる意識そのものが異常とすら思えてしまうところだ。

---------------------------------------------------------------
最高裁国民審査、対象の全11裁判官信任 開票結果
11/1(月) 22:54配信 毎日新聞
 総務省は1日、10月31日の衆院選と同時に実施された最高裁裁判官国民審査の開票結果を発表した。2017年10月の前回選挙後に任命された裁判官11人が対象で、全員が信任された。

【別姓認めぬ4人、罷免要求突出】夫婦の姓、他国の制度は?

 罷免を求める票(×印)が有効票の50%を超えれば罷免される。×印が最も多かったのは深山卓也氏の449万554票で罷免率(×印の割合)は7・85%。最少は安浪亮介氏の341万1965票(罷免率5・96%)だった。投票率は前回を2・35ポイント上回る55・69%。

 過去24回の審査で罷免された裁判官はいない。罷免率が最も高かったのは1972年審査の下田武三氏の15・17%。【近松仁太郎】

 ◇開票結果一覧
氏   名(出 身)…罷免を求める票(罷免率=%)
深山 卓也(裁判官)…4,490,554(7.85)
岡  正晶(弁護士)…3,570,697(6.24)
宇賀 克也(学 者)…3,936,444(6.88)
堺   徹(検察官)…3,565,907(6.23)
林  道晴(裁判官)…4,415,123(7.72)
岡村 和美(行政官)…4,169,205(7.29)
三浦  守(検察官)…3,838,385(6.71)
草野 耕一(弁護士)…3,846,600(6.72)
渡辺恵理子(弁護士)…3,495,810(6.11)
安浪 亮介(裁判官)…3,411,965(5.96)
長嶺 安政(行政官)…4,157,731(7.27)

※総務省発表、告示順。敬称略。罷免率は小数第3位以下は切り捨て
---------------------------------------------------------------
最高裁国民審査、全員に「×」つける“無言の抗議”の効果は? 専門家に聞いた
11/2(火) 20:05配信 ENCOUNT
制度が導入されてから今回まで罷免となった裁判官は1人も出ていない
全員に「×」つける“無言の抗議”に効果は?
 衆院選挙とともに31日に投票が行われた最高裁判所裁判官の国民審査は、対象になった11人の裁判官全員が信任された。戦後に導入されてから今回まで、国民審査で罷免となった裁判官は1人もおらず、制度の形骸化も指摘されて久しい。中には、制度そのものへの異議の意思表示としてすべての裁判官に「×」をつけたという人もいるが、効果的なのだろうか。専門家に聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

 国民審査について、総務省のホームページでは「既に任命されている最高裁判所の裁判官が、その職責にふさわしい者かどうかを国民が審査する解職の制度であり、国民主権の観点から重要な意義を持つもの」とその意義を説明している。

 一方、1949年に制度が導入されてから今回まで、25回の国民審査で罷免となった裁判官は1人も出ていない。過去に不信任票の割合が最も多かった72年審査の下田武三裁判官でさえ、その割合は15.17%に留まっており、その形骸化も指摘されている。

「戦前に司法の独立性が弱く、うまく機能しなかった反省から最高裁を独立した機関としたが、反面、今度は司法が暴走することのないようにチェックするためにできたのが国民審査制度です。ただ、専門的な知識や関心のない国民に審査を委ねることには当時から反対の声も強く、その議論は今に至るまで続いています」

 裁判所行政に詳しい明治大学の西川伸一教授は、制度導入の経緯についてそう説明する。白票が信任票になるという現行の仕組みには、実は時代的な背景が関係しているという。

「戦後直後でまだ紙が貴重だった時代。最初は総選挙の投票用紙の裏の余白に罷免させたい裁判官の名前を書く方式が提案されましたが、対象となる裁判官が10人以上もいてスペースがない。そこで名前の上に『×』をつける現行の方式が採用されました。投票用紙の文言は70年以上たった今も変わっていません」(西川教授)

 白票が信任とされる一方、個別の裁判官に対して棄権ができないというこの方式は度々問題視され、70年代の司法危機では○×式への変更の機運が高まったが、時の自民党政権と最高裁の反発が強く実を結ばなかった歴史がある。

白票信任方式や制度自体への異議を込め、すべての裁判官に「×」をつける行為も
 ネット上では、「現状、『×』は多くても1割未満と全くけん制の意味をなしていないので、少しでもこの制度が意味あるものになるように全員に『×』をつける」、「対象の裁判官のうち、何人もが就任したばかりで最高裁での判決に関与していないとか、一体どうやって判断しろと」、「全員『×』にしています。信任できると判断できる基準がないので、普通に考えて『×』しか選択肢はないです」など、白票信任方式や制度自体への異議申し立ての意味を込め、すべての裁判官に「×」をつける行為も散見される。こういった“無言の抗議”ははたして効果的なのだろうか。

「一番は各裁判官の経歴や判例を調べて『×』を投じることですが、現実的には専門的知識や時間の制限から11人も調べるのは難しいでしょう。全員『×』でも、最高裁に対して『監視しているぞ』というメッセージにはなります。ただ、制度自体に反対なのであれば、道理としては投票用紙を返却して棄権をするのが望ましい。不信任でも棄権でも、10%を超えると最高裁にとってはかなりのプレッシャーになってきます」(西川教授)

 長らく形骸化が叫ばれて久しい制度だが、西川教授自身は専門家として今回の国民審査をどう見たのか。

「今回はNHKはじめメディアの報道量も多く、夫婦別姓という特定の判例では不信任票の割合にわかりやすく差が出た。これまでと比べると民主主義的な意義のある国民審査になったと思います。この流れが今後も続いてほしいですね」佐藤佑輔


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。