BMWミニ R52カブリオレ関係の不具合2事例
ここでは、BMWミニ(R52)カブリオレを昨年7月に入手して、遅々として作業がはかどらないのだが、様々な不具合を解消しているところだ。今回、ガブリオレ関連の不具合2例つを解消できたところで、書き留めてみたい。
この初代BMWR50系で登場したのがR52カブリオレだが、次作のR57、現行のF57まで基本的なメカニズムはほぼ類似のまま踏襲している様に想像する。
1.カブリオレ関係の不具合内容
今回のR52カブリオレで認識したトラブルは以下の2点なあのだ。
➀ソフトトップ閉状態で、左クォーターサイド部のソフトトップ部の張りが弱くたるみ感があること。
②ソフトトップの開制御は1段階目でソフトトップ前部のスライド機構でサンルーフに近い状態に開放され、そこで再度スイッチ操作を押し直し繰り返すとソフトトップが後方へ折りたたまれて開放全開する。しかし、該当車ではスライド機構のみ作動し、ソフトトップの全開動作が不能なのだった。
拙人はR50およびR56系については様々手掛けてきたが、このカブリオレというのは初めてのBMWミニである。ただし、BMW・Z4(E85・電動油圧)やマツダロードスター(NC・手動)などのオープン車は触れたことがあるが、それらにはそもそもソフトトップの不具合はなかった。
それと、今回のR52はスライド機構を電動モーターで、ソフトトップ全体の格納を電動モーター駆動の油圧ポンプのハイドロリックでと2段動作になっているという違いがある。そのリンク機構も工夫されており、E85とかNCがソフトトップを単純な1支点だけで回転させているのではなく、ある程度前後に長いソフトトップを折りたたみながら後方へ格納するという機構上、ソフトトップの骨格となる骨組みが複雑化している様だ。
差し当たって、何らかカブリオレ関係の技術資料がないかと、ネット上を探し回ったが有益な資料が見つからなかったが、複雑に見えるソフトトップの開動作も以下順序でのシーケンス動作をしているに過ぎず、各動作の移行には、それぞれスイッチというかセンサーが使われていると云うところは予想が付く。
開動作手順
➀ルーフ開スイッチを押し続ける。
②ソフトトップ前部のスライド機構が後方にソフトトップを折りたたみなががスライドして開く。
③ここで一端動作は止まるが、再度ルーフ開スイッチを押し直し続けると、ソフトトップ全開の動作に移行する。
④このソフトトップ全開動作の前に、全サイドウインドウ(左右前後)4枚が一定の通電制御で半開以上に開く。
⑤その後、左後部に設置の電動ハイドロリックポンプが作動して、ソフトトップ全開動作を行う。
⑥この動作の一瞬前に、ルーフサイドと左右フロントピラーを挟み込んでいるクロー(ツメ)が開放される。
※本件トラブルは②までは正常なのだが③以降が動作しないという状態なのだ。なお、カブリオレの油圧機構には、油圧を抜くことで手動可能にするスクリュー(トルクス)があり、これを緩めておけば、一人だとかなり重いが開放することはできる。ただし、ソフトトップのフレームの一部リンクが作動していない様で、ソフトトップは開くが、ロールバーに干渉して全開はできない。
2.ガブリオレ不具合の解消
➀ソフトトップ閉状態で左クォータ部の張りがない件は、直ぐに理由が判った。同部位の張りを確保するため、同部位下端をアンカーしている樹脂の破損によりアンカー機能が失われているためだった。補修は同アンカー部に重なる様な金属薄板(ブリキ板)を切り出し、両面にサンドイッチする状態でエポキシ接着剤と小径ビス・ナットで固定した。
②の動作不能は正直どういう手順で進めるか(戦略)定まらず思案の時が相当流れた。そういう思案をしながらも、動く範囲でスライドさせてみて、左右のクロー(ツメ)の動きだとか、スライドBKTの左右位置を比べると、どうも左が遅れており左右差があることが読み取れた。こうなると、スライド機構は、モーター直付けのギヤで、左右ワイヤー末端のウォームギヤを引き押ししているのだが、そもそも組み付け時に左右の位置を純分合わせ込んでモーターを付けていないことが要因と原因を仮定してみた。この場合、スライドは片側が強く引かれるが、片側は1段遅く引かれ、スライド動作のリミットスイッチが左右どちらか不明だが、次のシーケンス動作を進めるスイッチが入らない可能性があるだろうということだ。
と云うことで、スライド様モーターの組付けに際しては、左右のスライドBKT部の位置をなるべく一致させた位置に予めスライド位置を合わせ、モーターをギヤの噛み合いを確認しつつモーター固定を行ったところ、本件不具合のすべてが解消した。
修理の内容は、動作が単純でなく、一連の順序動作を行うシーケンス動作と云うのはある。こういう動作は、どれぞれの動作のしきい値を検出スイッチとかセンサーがあるので、その働きを阻害する動作がないかという視点でものごとを眺める思考の様があるだろうということだ。
拙人はプロの整備屋ではないが、こういう修理を繰り返し直して来た者なら理解はできるだろうが、そもそもシーケンス動作の概念も判らんでプロ整備士やってる者では直せんと思える。いいとこ、カブリオレフレーム一式、ホロ一式、モーター、ハイドロックモーター、ECUやリレー一式全部取替で80万とかの見積出すディーラーでもありそうに思える。
#R52ガブリオレ不具合2事例解消
ここでは、BMWミニ(R52)カブリオレを昨年7月に入手して、遅々として作業がはかどらないのだが、様々な不具合を解消しているところだ。今回、ガブリオレ関連の不具合2例つを解消できたところで、書き留めてみたい。
この初代BMWR50系で登場したのがR52カブリオレだが、次作のR57、現行のF57まで基本的なメカニズムはほぼ類似のまま踏襲している様に想像する。
1.カブリオレ関係の不具合内容
今回のR52カブリオレで認識したトラブルは以下の2点なあのだ。
➀ソフトトップ閉状態で、左クォーターサイド部のソフトトップ部の張りが弱くたるみ感があること。
②ソフトトップの開制御は1段階目でソフトトップ前部のスライド機構でサンルーフに近い状態に開放され、そこで再度スイッチ操作を押し直し繰り返すとソフトトップが後方へ折りたたまれて開放全開する。しかし、該当車ではスライド機構のみ作動し、ソフトトップの全開動作が不能なのだった。
拙人はR50およびR56系については様々手掛けてきたが、このカブリオレというのは初めてのBMWミニである。ただし、BMW・Z4(E85・電動油圧)やマツダロードスター(NC・手動)などのオープン車は触れたことがあるが、それらにはそもそもソフトトップの不具合はなかった。
それと、今回のR52はスライド機構を電動モーターで、ソフトトップ全体の格納を電動モーター駆動の油圧ポンプのハイドロリックでと2段動作になっているという違いがある。そのリンク機構も工夫されており、E85とかNCがソフトトップを単純な1支点だけで回転させているのではなく、ある程度前後に長いソフトトップを折りたたみながら後方へ格納するという機構上、ソフトトップの骨格となる骨組みが複雑化している様だ。
差し当たって、何らかカブリオレ関係の技術資料がないかと、ネット上を探し回ったが有益な資料が見つからなかったが、複雑に見えるソフトトップの開動作も以下順序でのシーケンス動作をしているに過ぎず、各動作の移行には、それぞれスイッチというかセンサーが使われていると云うところは予想が付く。
開動作手順
➀ルーフ開スイッチを押し続ける。
②ソフトトップ前部のスライド機構が後方にソフトトップを折りたたみなががスライドして開く。
③ここで一端動作は止まるが、再度ルーフ開スイッチを押し直し続けると、ソフトトップ全開の動作に移行する。
④このソフトトップ全開動作の前に、全サイドウインドウ(左右前後)4枚が一定の通電制御で半開以上に開く。
⑤その後、左後部に設置の電動ハイドロリックポンプが作動して、ソフトトップ全開動作を行う。
⑥この動作の一瞬前に、ルーフサイドと左右フロントピラーを挟み込んでいるクロー(ツメ)が開放される。
※本件トラブルは②までは正常なのだが③以降が動作しないという状態なのだ。なお、カブリオレの油圧機構には、油圧を抜くことで手動可能にするスクリュー(トルクス)があり、これを緩めておけば、一人だとかなり重いが開放することはできる。ただし、ソフトトップのフレームの一部リンクが作動していない様で、ソフトトップは開くが、ロールバーに干渉して全開はできない。
2.ガブリオレ不具合の解消
➀ソフトトップ閉状態で左クォータ部の張りがない件は、直ぐに理由が判った。同部位の張りを確保するため、同部位下端をアンカーしている樹脂の破損によりアンカー機能が失われているためだった。補修は同アンカー部に重なる様な金属薄板(ブリキ板)を切り出し、両面にサンドイッチする状態でエポキシ接着剤と小径ビス・ナットで固定した。
②の動作不能は正直どういう手順で進めるか(戦略)定まらず思案の時が相当流れた。そういう思案をしながらも、動く範囲でスライドさせてみて、左右のクロー(ツメ)の動きだとか、スライドBKTの左右位置を比べると、どうも左が遅れており左右差があることが読み取れた。こうなると、スライド機構は、モーター直付けのギヤで、左右ワイヤー末端のウォームギヤを引き押ししているのだが、そもそも組み付け時に左右の位置を純分合わせ込んでモーターを付けていないことが要因と原因を仮定してみた。この場合、スライドは片側が強く引かれるが、片側は1段遅く引かれ、スライド動作のリミットスイッチが左右どちらか不明だが、次のシーケンス動作を進めるスイッチが入らない可能性があるだろうということだ。
と云うことで、スライド様モーターの組付けに際しては、左右のスライドBKT部の位置をなるべく一致させた位置に予めスライド位置を合わせ、モーターをギヤの噛み合いを確認しつつモーター固定を行ったところ、本件不具合のすべてが解消した。
修理の内容は、動作が単純でなく、一連の順序動作を行うシーケンス動作と云うのはある。こういう動作は、どれぞれの動作のしきい値を検出スイッチとかセンサーがあるので、その働きを阻害する動作がないかという視点でものごとを眺める思考の様があるだろうということだ。
拙人はプロの整備屋ではないが、こういう修理を繰り返し直して来た者なら理解はできるだろうが、そもそもシーケンス動作の概念も判らんでプロ整備士やってる者では直せんと思える。いいとこ、カブリオレフレーム一式、ホロ一式、モーター、ハイドロックモーター、ECUやリレー一式全部取替で80万とかの見積出すディーラーでもありそうに思える。
#R52ガブリオレ不具合2事例解消