私の思いと技術的覚え書き

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重トラクタ・フレームを眺める

2019-01-20 | 技術系情報
 昨年末に訪問したいすゞプラザで観察した、GIGA重トラクタ仕様のリヤフレーム周辺を感心持って眺めましたので紹介してみます。フレーム上には連結用カプラベースも付いていないですが、この状態がメーカー出荷の状態なのでしょう。

 まず、斜め後方から眺めて、フレームの縦断面(ウェブハイト)が、凄く大きいのが判ります。(写真1)目検で、25cmは超え30cm弱あるんではないかと見えます。これは、断面係数を上げ、特にハイトを上げることで、主に上下曲げを主体とした剛性を強化しているのでしょう。(写真6)それと、日頃トラックに触れている方なら承知のことですが、トラックフレームを上から眺めたとき、フレームは一直線でなく、トランスミッションの辺りから前は左右サイドレールスパン(間隔)が広がっています。(写真4)ですから、前ぶつかりで大きくフレーム前端に力を受けたときなど、このスパンの変化する曲面部位に座屈など変形が大きく出易いことがあります。もう一つ、このスパンの変化部位の近くにはクロスメンバが付きますが、サイドレールの上下チャンネル部をくわえ込むアリゲーター型というものが、通常のカーゴを含み多くのトラックフレームの構成と承知しています。これは、ねじれによりチャネルが開くのを抑止し剛性を確保しているのだと思います。

 本車は後輪2軸2デフの重トラクタ仕様ですので、後輪のトラニオン軸を受けるクロスメンバーを中心に、凄い補強が施されているのが判ります。サイドレールは内側にチャネル断面を二重化する長い補強板が入りますが、クロスメンバーとの結合剛性を確保するためでしょう、上面は潰れた台形状に成型され、リベットも5、6cm間隔で多数打たれています。このリベットですが、一般的なカーゴやバンベースのフレームでは、リヤボデーが乗るフレーム上面には、昨今(20年ぐらい前から)はリベットを打たなくなりました。その代わりクロスメンバーとの結合は、フレームの縦面で結合しています。(写真7)これは、フレーム上面の凸をなくし架装性を向上するためとのことだと聞いています。しかし、本車の様なトラクタベースでは、リヤボデーを架装する必要もありませんから、強度重視でフレーム上下面で総てリベットされている様です。








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