私の思いと技術的覚え書き

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大企業パワハラ解決2事例

2021-06-08 | コラム
 トヨタと三菱電機のパワハラ自殺問題の2事例が、最近の報で知らされている。このパワハラ問題というのは、不肖拙人も40年近くのサラリーマン時代に、現実を見てきた記憶が蘇るところで、どうしてこういう問題が解消されずに引き続くのかを書き留めてみたい。

 セクハラはともかくパワハラの場合、単発ハラスメントで自殺にまで追い込まれることは、ほぼないだろうと思っている。つまり、繰り返しハラスメントを受け続け、被害者はとうとう耐えきれず死を選ぶに至るとことだと想像している。

 この繰り返されるハラスメント行為は、職場の同僚など周辺では何度も見てきているはずだし、中にはハラスメント行為者の上司も、その事実を知っている場合が多いのだろうと想像している。

 しかし、職場の誰もが、それを制止することはないし、上位者もあえて警告など指導を行う場合が少ないのだろうと思う。それは、上級職の地位にある行為者にヘタに意見などしたら、自分がハラスメントの対象者にされたり、評価を不当に下げられるのを怖れるがためだろう。

 トヨタの記事を読むと人事制度を見直し云々などと記しているが、本来はこういう問題は労働組合に伝え、労働組合として大きな問題意識を持って、経営者側と対峙しなければならない様に思える。しかし、今の組合というのは、まるで経営者の下僕組織になり下がり、ヘタをすると経営者の情宣組織になっているという現実がある。トヨタの場合も、組合はあるだろうが、そんな程度のものだろう。

 また、昔の話しであるが、ある程度の集団の中には、返り血を厭わず不正はイカンと讒言する者が居たと思うのだが、現在の世に、その様な云って見れば正義感を持つ者は存在しなくなってしまったという感を持つ。だkら、パワハラに限らず、データ偽装だとかおとろくべき企業スキャンダルが、数々生じ続けるのだろうと思っている。

 このことは、遠く江戸時代にあっても、バカ殿は更迭され座敷牢に入れられた数々の事例があるが、武士道とは基本的に上意下達の世界だが、ある限度を超えれば、善悪は個々人が判断し、讒言も行って来たということだろう。

 古来日本には、武士道精神みたいな、自らことを判断するという精神があったはずだが、このことが忘れ去られて久しい酷い世になったものだと嘆くしかない。

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トヨタ、パワハラ自殺で和解 再発防止へ人事制度見直し―社長が遺族に謝罪
2021年06月07日18時16分
 トヨタ自動車の男性社員=当時(28)=が2017年に自殺し、上司のパワーハラスメントが原因だとして労災認定されたことをめぐり、トヨタと遺族が和解したことが7日、分かった。豊田章男社長が直接謝罪。トヨタは人事制度を見直すなど、再発防止策を定めたことを明らかにした。
 トヨタによると、同社が安全配慮義務違反を認め、損害賠償として解決金を支払って訴訟外の和解が4月7日付で成立した。金額は非公表。豊田社長は19年11月と今年4月、遺族を訪問して謝罪したという。
 トヨタは遺族とも協議の上、再発防止策として人事評価の基準を変更。能力だけでなく、職場で周囲に好影響を与えているかどうかなども考慮する。幹部社員約1万人を対象に、それぞれの上司・部下など十数人が評価するシステムも導入した。
 また、社員が匿名で相談できる窓口を設け、社員の家族らからも相談を受けられるほか、入社3年目までの若手社員には毎月アンケート調査を実施する。就業規則も改め、パワハラの禁止や懲罰規定を盛り込んだ。
 豊田社長は「仕組みは作ったが完成ではない。今後二度と起こさせない、起こる前に止める」と強調しているという。
 パワハラ被害を受けた男性は東京大大学院を修了し、15年4月に入社。配属された部署で、直属の上司から「死んだ方がいい」などの暴言や叱責を日常的に受けた。休職を経て16年10月に復職したが、その後に再び元の上司と近い席となった。男性は「死んで楽になりたい」などと周囲に漏らし、17年10月末、寮の自室で自殺。豊田労働基準監督署は19年9月、パワハラと自殺の因果関係を認め、労災認定していた。
 トヨタ幹部は7日、「私どもの仲間が自ら命を絶つことはあってはならない」とコメント。元上司に対しては処分をしたが、内容は非公表としている。遺族は代理人弁護士を通じ、「本当にトヨタが生まれ変わったと言えるのかは、今後の取り組みや労災事案への対応にかかっている」とコメントした。
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自殺の新入社員を労災認定 三菱電機、パワハラ示す遺書―労基署
2021年03月11日17時18分
 三菱電機の新入社員だった20代男性が2019年8月、教育担当の上司によるパワハラを示す遺書を残して自殺した問題で、尼崎労働基準監督署(兵庫県尼崎市)が労災認定したことが11日、分かった。パワハラによる精神疾患が自殺の原因と判断したとみられる。遺族側の弁護士が明らかにした。
 弁護士によると、男性社員は19年4月に入社し、7月から尼崎市の生産技術センターに勤務。8月に自殺したが、遺書には、教育担当の上司から「次同じ質問してわからんかったら殺すからな」「自殺しろ」と言われたとの記載があった。
 上司は自殺教唆容疑で書類送検され、神戸地検は20年3月、嫌疑不十分で不起訴処分とした。遺族側は同年9月に労災申請し、先月26日付で認定された。
 認定を受け遺族は「二度と同じような被害者が出ないよう、徹底した調査と情報開示、職場環境の改善に努めることを希望する」とコメントした。
 三菱電機の話 本件を重く受け止めており、真摯(しんし)に対応する。認定を踏まえ、社長以下関係役員に追加処分を行う。

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