私の思いと技術的覚え書き

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時代は幸福に向かっているのか

2010-12-13 | コラム
 NHKの大河ドラマ「龍馬伝」ですが、まあまあの高視聴率の中で終了した様です。同ドラマの中で龍馬は、大政奉還により新しいバラ色の未来が来ると盛んに言い放ちました。確かに、260年余も続いた江戸時代ですが、膿も溜まりきり、外圧の高まと伴って行き詰まっていた状態にあったのでしょう。しかし、新たに迎えた明治という時代で、人々が幸福になったのでしょうか。士農工商という身分制度は廃止されたというものの、特権階級者や三菱、三井、住友などの財閥企業は別として、多くの民衆は高い税金や兵役義務などに喘ぎ苦しむ時代が明治だった様に思われます。
 そして、大正を経て、昭和に入り、幾ら追い詰められたからと云って無謀な戦争に突入し、無残に完全敗北しどん底に突き落とされた訳です。その後は、東西冷戦への対抗処置としての意味もありましたが米国のある意味寛大な対応の中で、急速に復興し高度経済成長を迎えます。しかし、米国の影響は功罪があり、単純に喜べることではありません。敗戦直後の言論統制や現行憲法への多大な影響力の行使、そして現在に至るまでの依存体質が継続されています。
 高度経済成長で人々は物質的に豊かになりました。しかし、山も海も川も、汚損され荒れました。その後の低成長時代に至り、自然に対する処置も行われ、それなりに回復しました。
 現在の我が国は、経済的にも低成長時代が相変わらず継続されており、海外生産へのシフトなど、今後はピークを超え下降していくのかもしれません。しかし、それでも森林を含め豊かな自然と物質的豊かさでは世界的に見ても遜色ないものを保持しています。
 この様な我が国の発展する近代史を概観した時、確かに物質的には大変豊かな時代になったと思います。しかし、人々との心は荒れつつ、その顔も何処か無表情であり、孤独感と云ったものを感じている方も多い様に感じられます。それと、この10年間の自殺者が毎年3万人を超えて推移していることも異常なることと思わずにはいられません。


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