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1/17高知市正面衝突事故・エアバッグの効果

2023-02-20 | 事故と事件
1/17高知市正面衝突事故・エアバッグの効果
今年1月の高知市内の事故だが、高知県とは日本の交通犯罪事件としての被妥当性に重大な疑惑のある「高知白バイ事件の地だ。この高知白バイ事件は、決して忘れる訳には行かない、極めて重大な警察、検察、裁判所の司法の公正さを揺るがす大事件だと思っている。

 さて、今回の交通事故だが、センターラインのある道路で、どちらかがセンターラインオーバーをした結果生じた事故であることは確かだが、事故後のそれぞれの停車位置だとか、その姿勢、衝突の結果飛散した散乱物の位置などから、進行方向斜め45度程度に傾いて、縁石上に後輪を乗り上げている赤いS2000が自車線内で衝突を受け、その結果後方に押し下げられつつ、斜めに回転したと云う状況だろう。そして、事故の結果生じた飛散物の多くは、このS2000の前方至近の自車線内に存在することから、センターオーバーしてきたのは相手車たる黒い86と云うことになるのだろう。

 この86は、停車位置はS2000と10m程離れ、進行方向逆方向を向いて、センターライン上付近にほぼ道路に並行に停車している。

 双方重量は、約1.5トン程度で同じだが、S2000が少なくとも数m押し下げられたのに対し、86側はおそらく右回転で180度回転しつつ衝突場所より10m前後先で停止しているので、明らかに86側の運動量が大きかったということを示していると判断できる。

 報道が伝える当事者の負傷状況だが、86の男女は軽傷、S2000の運転者は意識不明の重傷(現時点では死亡しているのかもしれない)と伝えている。年式的にはS2000の方が旧車ではあるものの、それでも衝突安全ボデー以後の車両で、正規純正ではエアバッグも装備されている車両で、互いに前面同志の衝突で不思議だなと報道動画を眺めていたところ、S2000の運転席の写真を見て理由が判った。



 つまり、S2000のステアリングは純正のエアバッグ付きを、そうでないより小径の社外ステアリングに交換してあり、そのステアリングホイールがかなり大きく変形している。これでは、S2000のドライバーが重篤な傷害となる訳だ。

 こういう事象は、損保調査員時代も何度か見て来た事例で、郊外のセンターラインのある道路でのセンターオーバー事故で、一方がカローラAE90、もう一方がシルビアS13の正面衝突事故だが、ボデー的にはフロントのクラッシャブルスペースの長いS13が有利だが、死亡したのはS13の運転者で、AE90の運転者は死亡していなかった。これも、AE90側にはエアバッグが装備されていたという事案の記憶が甦る。

 こういうステアリングホイールの変形というのは、エアバッグが装備される以前の車両では、必ずしも運転者が重傷ではなくとても、結構多く見て来たものだ。つまり、事故の瞬間は、それに耐えようと運転者は手を突っ張る訳で、ある意味簡単にステアリングホイール外周は曲がってしまう。そういうステアリングホイール自体の損傷も、エアバッグ装備以後は少なくなった。




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スポーツカー2台が正面衝突…車は前部が大破、運転していた30歳の男性が意識不明の状態で搬送
テレビ高知 2023年1月17日(火) 07:59
 16日夜、高知県高知市の県道で、乗用車同士が衝突する事故があり、運転していた30歳の男性が意識不明の重体となりました。
 事故があったのは、高知市一宮西町の県道です。高知東警察署の調べによりますと、16日午後11時ごろ、対向車線を走っていた普通乗用車同士が、正面衝突しました。
 この事故で、1台の車を運転していた、南国市の会社員で30歳の男性が、意識不明の重体となりました。もう1台には、31歳の男性と34歳の女性の夫婦が乗っていて、2人とも軽傷だということです。現場は緩やかなカーブで、警察が事故の原因を調べています。


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