私の思いと技術的覚え書き

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大型バスの制動不良感のこと

2016-08-31 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 ある大型バス(セレガ9m)において、二人の運転手(AおよびB)の内、Aより制動が甘く感じるとの訴えを受けた、Bに聞くと、感じないという。

 Aに云わせると、走り初めの冷えている内はそうでもないが、走行開始後の暖まってから、現象は生じるという。ブレーキシューの残量が十分であることは、バックプレートの点検ホールから確認済みであり、ペダルのストローク上も問題はない。このブレーキは、空油圧併用式(エアオーバー式)だが、エアマスターにでも問題があるのかとも考えていた。しかし、提携の修理工場にドラムを外す分解整備を行ってもらい、原因は直ちに判明した。

 原因は、フロントハブベアリングのインナーシールの不良により、溶け漏れたグリースがシューに回り込み、摩擦係数を落としていることだったのだ。幸い、ブレーキシューの残量は十分あり、グリースの染み込みも表面的なものだったので、シュー表面をサンディングし、フロントベアリングのグリース入れ替えとインナーシールの交換により完治した。

 AおよびB共、当然プロ運転手だが、そのセンシティブさの違いが判ってもらえる問題だろう。





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