私の思いと技術的覚え書き

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日本軍のトラック 3.5トン(いすゞ製)の紹介

2019-01-06 | 技術系情報
 日本軍(いわゆる自衛隊と呼ばれるが事実上の軍)の装備は、間近で見ることもできず、感心高く見る訳ですが、先日いすゞプラザで見たSKWという型式のトラック(兵員輸送車)を紹介します。ちなみに、この下に1.5トン(トヨタ=日野製)があり、上に7.5トントラック&ダンプ(ふそう)がある様です。駆動は総て4×4もしくは6×6の総輪駆動で、軟弱泥濘地での走破性を重視しています。

 いすゞSKWですが、基本は中型トラックフォワードなんだろうと思いますが、外見上目についたところを写真を撮りましたので見て下さい。なお、補足事項を以下に列記してみます。

①キャブはキャンバストップですが、ネジ止めでフロントウインドシールド、ドアサッシュ、リアアッパーピラー部やドアそのものも外して運用できる構造の様です。

②リヤ荷台(というか乗員室)もキャンバスカバーでオープンデッキになります。イスは写真の如く非常に簡素なものです。乗員室内を見廻しても、暖房器具が見当たりませんが、寒冷地の運用では兵士は凍えます。

③インストルメントパネルはメータークラスタを除いては総て板金製です。登録車ですと、道路運送車両法・保安基準には抵触すると思いますが、登録車ではなく兵器ですので問題ないのでしょう。

④デフロック系の切り替えは、1.センターデフ&インターアクスルデフのロック。2.1+リヤ前後デフロック。3.総てのデフ(5点)のロックと切り替えできる様です。

⑤TMはATですが、いすゞ得意のスムーサー何とかというAMT+フルードカップリングは使用していないと思います。あんな、アップシフトでさえシフトタイムラグが有りすぎるトランスミッションでは、泥濘登坂路でとても走れないと思えます。想像ですが、アリソン辺りのコンベンショナルなトルクコンバーター+4速程度のプラネタリギヤユニットだろうと想像します。

⑥エアクリーナーはシュノーケルまでは装備してませんが、運転席シート座面辺りと比較的高い位置にあり、そこまでの渡河も可能でしょう。

⑦タイヤは12R 23.5と一般車では見ないサイズです。なお、総輪が全浮動アクスルですが、ハブ径が異常に大きいです。つまり、プラネタリギヤによるハブリダクションを行っていると想像します。そのおかげで、デフの減速比を小さくしてデフリングギヤ径を小さく、最低地上高を稼いでいるのではないでしょうか。

⑧アクスルハウジングはセンターのデフハウジングが横広がりの扁平型です。この理由はデフロックのためか、ハブリダクションへの給油も含め、デフオイル容量を増やしていると想像します。なお、ハウジングは厚板鋼板のプレス成型品の溶接組み立て品の様です。なお、端部のキングピン受け部やフランジ部は鍛造品を溶接接合しているのでしょう。

⑨フロントにウインチが尽きますが、PTO駆動による油圧を利用した油圧モーターを使用している様です。

⑩ブレーキは総輪ディスクの様に見えます。作動はエアオーバーの様ですが、後々輪にはエア式ホイールパークブレーキを装備している様です。

⑪エンジンなど見てませんが、今の時代ですからコモンレール式噴射システムでしょう。但し、排ガスシステムは一切付かない訳で、EGRも尿素SCRも悩みの種たるDPFも付かないでしょう。





























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