先回の「沖電気と沖シーテック」に続いて、沼津が本社となっていている大企業で「東芝機械」のことを書き留めたい。何故、取り上げるのかといえば、この東芝機械だが資本金200億、従業員数3千余名の沼津市にある企業としては最大手クラスになる企業の一つだが、今や窮地に陥りつつ、製品作りにも滞りが出ているのではないかという様子が感じられる。
門外漢にはそれら様子は判らぬ訳だが、この程度の大企業になると、自動車メーカーと同様に総ての製品部品の何から何まで総てを自社工場で賄うなどということは考えられず、そこにはティア1たる主要関連企業群(サプライヤー)が存在する。これら主要サプライヤーも含め、東芝機械本体からも、さらにティア2以下の中小零細企業郡に比較的小ロットの小型部品などが発注され、主に沼津市内を中心にそれらで生計を維持している小規模工場は多いのだ。そんな中、拙人の情報網の中で、それら小規模工場への製品発注が昨年後半頃より、格段に落ち込んでおり、困っているところが多いということが聞こえて来るのだ。
この原因だが、元来「東芝機械」の筆頭株主というか母体となった東芝本体の粉飾決算などの経営の落ち込みが大きな影響を与えていることは確かであろう。未だ「東芝」が再生するのか売却されるのか結論は出ていないが、生き残りを掛けた本体東芝は、傘下の持株会社の株を売却し、なんとか再起を図ろうとしているのだ。このことで、数年前に東芝本体の株式が売却され、既に東芝機械は東芝本体が筆頭株主の企業ではなくなっていたのだ。そんな中、東芝機械の名称を変えるかもしれぬという話題も聞こえていたのだが、この東芝本体の株式売却のスキを付く金の亡者たるファンド組織が動き始めた様だ。このファンド組織は旧村上ファンド系列らしいが、ファンド側が仕掛けるTOB(株式公開買い付け)に対し、東芝機械側も対抗したTOBで防衛戦が行われているということらしい。
しかし、思うのは、東芝本体が粉飾決算にまで手を染めざるを得なくなった業績悪化だが、1980年代には世界の半導体(IC)シェアの50%を我が国は誇っていたのに対し、昨今は10%を下回るまでに凋落してしまったことがある。そこに、潰れることが判っていた米原子炉メーカーウェスチィングハウスを買収してしまうという大きな経営判断の間違いが加わり、東芝は窮地に落ち込んでしまうのだ。なお、東芝の業績は圧倒的に劣悪となったが東芝機械はそんなことはまったくない。
一般コンシュマー製品はほとんど作らぬメーカーで、一般人の認知度は低いが、樹脂射出成形機やダイカストマシンでは、世界的にも有数の企業なのだ。また、大型鋳物製品だとか、例えば潜水艦のスクリューを切削加工できる超大型マシニングセンターなど、世界的にも極めて優位な得意分野を持ったメーカーなのだ。なお、潜水艦のスクリューを切削加工できる能力というのが、数十年前の冷戦のさなか、旧ソ連の潜水艦の静音化の要因が東芝機械にありとして、米国からココム違反(対共産圏輸出規制)だと訴えられた事件があった。
門外漢にはそれら様子は判らぬ訳だが、この程度の大企業になると、自動車メーカーと同様に総ての製品部品の何から何まで総てを自社工場で賄うなどということは考えられず、そこにはティア1たる主要関連企業群(サプライヤー)が存在する。これら主要サプライヤーも含め、東芝機械本体からも、さらにティア2以下の中小零細企業郡に比較的小ロットの小型部品などが発注され、主に沼津市内を中心にそれらで生計を維持している小規模工場は多いのだ。そんな中、拙人の情報網の中で、それら小規模工場への製品発注が昨年後半頃より、格段に落ち込んでおり、困っているところが多いということが聞こえて来るのだ。
この原因だが、元来「東芝機械」の筆頭株主というか母体となった東芝本体の粉飾決算などの経営の落ち込みが大きな影響を与えていることは確かであろう。未だ「東芝」が再生するのか売却されるのか結論は出ていないが、生き残りを掛けた本体東芝は、傘下の持株会社の株を売却し、なんとか再起を図ろうとしているのだ。このことで、数年前に東芝本体の株式が売却され、既に東芝機械は東芝本体が筆頭株主の企業ではなくなっていたのだ。そんな中、東芝機械の名称を変えるかもしれぬという話題も聞こえていたのだが、この東芝本体の株式売却のスキを付く金の亡者たるファンド組織が動き始めた様だ。このファンド組織は旧村上ファンド系列らしいが、ファンド側が仕掛けるTOB(株式公開買い付け)に対し、東芝機械側も対抗したTOBで防衛戦が行われているということらしい。
しかし、思うのは、東芝本体が粉飾決算にまで手を染めざるを得なくなった業績悪化だが、1980年代には世界の半導体(IC)シェアの50%を我が国は誇っていたのに対し、昨今は10%を下回るまでに凋落してしまったことがある。そこに、潰れることが判っていた米原子炉メーカーウェスチィングハウスを買収してしまうという大きな経営判断の間違いが加わり、東芝は窮地に落ち込んでしまうのだ。なお、東芝の業績は圧倒的に劣悪となったが東芝機械はそんなことはまったくない。
一般コンシュマー製品はほとんど作らぬメーカーで、一般人の認知度は低いが、樹脂射出成形機やダイカストマシンでは、世界的にも有数の企業なのだ。また、大型鋳物製品だとか、例えば潜水艦のスクリューを切削加工できる超大型マシニングセンターなど、世界的にも極めて優位な得意分野を持ったメーカーなのだ。なお、潜水艦のスクリューを切削加工できる能力というのが、数十年前の冷戦のさなか、旧ソ連の潜水艦の静音化の要因が東芝機械にありとして、米国からココム違反(対共産圏輸出規制)だと訴えられた事件があった。