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APFSDSとは?(侵徹とはとは?)

2020-02-08 | コラム
 以下 Wikipedia の内容からの抜粋と、私見を交えて書き留めておきたい。

 まず、APFSDSとは"(Armor-Piercing Fin-Stabilized Discarding Sabot)"という戦車主砲用の徹甲弾(相手の装甲をぶち抜く弾)で、日本語に直すと「装弾筒付翼安定徹甲弾」という複雑な名称になる様だ。

 このAPFSDS弾だが、それを射出する砲身は、いわゆる滑腔砲(かっこうほう)というスムーズボアのライフリング(弾に回転力を与え直進性を持たせる旋回溝)のないものだ。この砲は、弾を射出する起爆力がライフリングで消費されないため、より高い発射初速を得られるそうだ。

 wiki には、1,500m/secで着弾した場合の侵徹という現象が起こることを以下の様に記している。

 1,500m/sec前後で着弾すると装甲と侵徹体は狭い領域で高圧に圧縮されるために、それぞれが流体としてふるまい(塑性流動)、相互侵食を起こして機械的強度を無視し、装甲を貫徹する。侵徹体の先端はマッシュルーム状に広がりながら装甲にめり込み侵入する。侵徹体は穿孔によって先端から失われてゆくため急速にその長さを失って行き、装甲厚に対して十分な長さが無ければ穴だけが残され、長さがあれば残端が装甲内部に飛び込んで加害する。侵徹体は穿孔によってその速度も急速に失われて行き、最低限の侵徹速度が穿孔途中で失われた場合には穴の中に侵徹体の残りが残される事がある。タングステン合金弾が鋼製装甲板に穿孔する場合では850m/sec以上、鋼製の侵徹体が鋼製装甲板に穿孔する場合では1,100m/sec以上の速度が無いと流体としての侵徹は停止し、固体としての物理作用に移行する。

 侵徹は装甲に対してほぼ平行に着弾した場合を除き跳弾を起こすことは無く、滑らすという意味での避弾経始は殆ど機能しない[1]。APFSDSが装甲を貫通するためには、着弾時の速度、侵徹体の長さ、座屈しないための靱性、展性の高さの4つが必要である。着弾時の速度が低速であれば従来の徹甲弾より貫徹力が劣る。

 また、貫徹力について、以下の記述がある。

 装甲を貫く力は、均質圧延鋼装甲(RHA:Rolled Homogeneous Armor)を貫ける厚さで表現される。RHA自身は21世紀の現在では古い装甲技術であるが、各兵器メーカーが既に良く知り尽くした素材であるために貫徹力を単純に比較するには適している。120mm滑腔砲で使用されるAPFSDSは、500-1,000mm程度のRHAを貫くことが可能となっている。速度域にも依るが、1,600m/sec強の場合劣化ウランによる侵徹体はタングステンより10%ほど貫徹力に勝り、鉄弾体はこれらの1/2程度の貫徹力である。

 なお、日本の90式および10式戦車の主砲は、何れもドイツラインメタル社のライセンス品である(10式以降は日本製鋼所製でライセンス生産)であるが、その主なスペックは以下のものらしい。

型 式 DM33(M-413)
口 径 120mm
弾素材 タングステン合金
初 速 1,650m/sec
侵徹力 460mm(L44砲)RHA換算、距離2,000m
開発国 ドイツ
弾価格 95万円(製造企業:ダイキン工業)

現代の矢(滑腔砲)2018-07-03
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/9089592b4aa4c6ac1ea6fe409217dbe8

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