私の思いと技術的覚え書き

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クリップの話

2009-01-07 | 車両修理関連

 マイカーの話ですが、後部ドアのトリムパネルが、またまた外れてしまいました。またまたというのは、2年位前にも左右リDoortrimヤドアで同様の現象が起き、その際にトリムを止めているクリップ(正確にはクリップが差し込まれる側 のグロメットという部品)が割損していたため、左右合計8ケ所を交換したのです。しかし、今回点検すると、その樹脂グロメットがまたまた同様に割損してしまっていた訳です。

 この様な樹脂クリップやグロメットは、近年世界中のクルマで使用箇所は非常に増えました。使用される箇所としては、比較的重量が小さな部品で取付加重も大きなものが要求されない様な部位が一般的です。今回の様に内装関係のトリミング部品の多くはクリップ止めが当たり前ですし、外装でもサイドスポイラーとか、バンパーなんかの大物部品も最近はクリップと外周エッジ部分のはめ込みでほとんど装着され、申し訳程度に6mm程度の小さいボルトが2~4本止まってるだけのクルマがほとんどです。ですから、前にも記しましたが、大した事故でなくでも、簡単にClipバンパーがむしり取れてしまう訳です。

 ところで、このクリップとかグロメットと云う のは、脱着の際の作業性に留意したものと、単に装着時の拘束力のみを重視し、あまり脱着のことを考えていないものがあります。結合力を重視した様なクリップでは、部品の取り外し時に、クリップが割損し再使用が困難となる場合が時々あります。また、クリップ関係は樹脂部品ですので、製造からの経過年数や外気温によっても、樹脂の割損し易さに影響を与えることがあります。

 何れにしても、クリップ自体の価格は大して高額なものでなく、破損した場合は交換すれば良いのですが、中にはクリップの単品補給の設定がないなんていうことがありますから困る場合があるのです。

 最近の2ドア車のリヤサイドウインドウガラスは、ガラスの位置と接着剤の硬化までの初期固定のためにコーナー部にクリップが使用されているクルマがありますが、結構単品補給のない場合が多くあります。しかし、先にも記した様に、このクリップはメーカーで装着の際に、位置決めと初期固定が目的ですから、隣接部品との間隔等で位置を十分確認し、他の方法で接着剤の硬化までを固定すれば、クリップを使用する必要性はあまりないのです。

 ところで、最初のマイカーのクリップ破損の件に戻りますが、輸入車もだいぶ国産車に追い付いて来たと思いますが、やはりこのクリップの設計や品質は、国産車の方が優れている様に思います。この様な輸入車のマイナートラブルも最近は少なくなって来ましたが、未だ国産車より多いのだと思います。但し、クルマとしての魅力はまったく別の話で、私にして見れば今回の様なトラブルは、ほとんど重視していません。

 しかし、クリップメーカーでは、クリップ1ケのメーカー納品価格は1円にも満たないんだろうと想像します。しかし、装着のし易さや、結合力、そして外し易さを追求しているクリップメーカーの努力が、国産車メーカーの生産性や品質を高め、国際競争力を高めているんだろうと思います。




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