私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

タイヤの話

2009-01-06 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 過去にタイヤの話は何度か記して来ましたが、またまた追記として記してみます。

 寒い季節となり、寒冷地ではスタッドレスタイヤに付け替えた方も多いと想像します。幹線路を走行する長距離貨物車もスタッドレスを履いている姿が目に付きます。

 ところで、近代のクルマの発達に伴いタイヤの幅と扁平化(ロープロフィール化)は進展してきたのだろうと感じます。最新型のGTRなんか、20インチという大径ホイールにフロントは255サイズが、リヤは285サイズの幅広タイヤが装着されている訳です。当然雪道用のスタッドレスタイヤも用意されるのでしょうが、そもそも雪上の様な低ミュー路では、設置加重が増加する幅広タイヤが有利とは限りません。このことは、WRCラリーマシーンの、ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)での、タイヤの選択を見てみれば明らかなことです。ですから、GTRにこんな幅広のスタッドレスタイヤを装着すること自体がナンセンスな訳ですが、多分インチダウンしたホイールではディスクキャリパーに接触してしまう等弊害が出てしまうでしょうし、ロープロフォールでないとタイヤ外径が増えて、ボデー側に接触してしまうでしょう。

 ところで、私がクルマに乗り始めた頃、既にラジアルタイヤというのは登場していたのですが、当時のラジアルタイヤというのは、従来の繊維が斜めに配置されたバイヤスタイヤから、タイヤ外周に対し垂直に配置されたラジアル構造のものでした。そんなラジアルタイヤが、トレッド内面にスチールの繊維をベルト状にタガを嵌めたスチールラジアルというのが登場し始めた頃だったと思います。

 当時、 1600~2000cc位のスポーティカーのメーカー標準サイズタイヤは、バイヤスでは6~7インチ幅の13か14インチのホイールの組み合わせが多かったものと思います。オプションのラジアルにした場合は、165-SR13とかになる訳ですが、この扁平率は80%程度なんだと思います。これを、185/70HR-13とかのサイズにアップして、リム幅を若干広げたアルミホイールと組み合わせるというのが、当時のクルマ好きの若者の一般的な姿だった様に思います。

 当時のクルマのホイールサイズは、軽は10インチ、1200ccクラスのファミリカーでは12インチ、それ以上は13インチで、2000ccクラスの高級車で14インチという感じでした。それが、今では、軽でも14インチ、普通車では15インチクラスは当たり前、ちょっとスポーティカーとなると17インチだとか18インチとなり、GTRに至っては20インチという大型トラックのホイールサイズ径に至った訳です。ホイール径のインチアップに伴い、タイヤ幅も広がり続けました。これは、エンジンの高出力化や車体重量のアップに伴うものでしょう。

 確かに、タイヤ幅の幅広化というのは、面内剛性というタイヤの性質に伴い摩擦係数が向上する訳ですが、転がり抵抗としては増加しているのだと想像します。この面では、必要以上のクルマのメタボ化が抑制する必要がある訳です。

 ところで、タイヤに求められる性能の要素は相反するものを含め多種あるのだろうと思います。例えば、グリップ性能と、耐摩耗性は相反するのでしょう。これらタイヤに要求される諸要素は、そのクルマのプロダクトメーカーや、乗る者の何を重視するかという点で異なるのでしょう。

 高性能タイヤ付けたクルマのタイヤを観察しますと、トレッドの縁に、ゴムが溶けた様なカスが付着しているのが判ります。この様なタイヤは、多分走行距離にすれば1万キロもその能力は発揮できないのかもしれません。

 一方、タイヤの残り溝はまだまだ十分あるのも関わらず、走行騒音が急激に高まる様なタイヤもあります。元々、タイヤはパターンノイズといってブロックパターンのタイヤ等は、使用当初からノイズの高いタイヤがあります。スタッドレスタイヤなんかもその代表ですが、用途との兼ね合いで我慢されている訳です。ところが、最初は静かであったタイアが5部山位まで摩耗した段階で、「ゴー」と云うベアリングでも壊れた様な異音を発する場合があります。こういうタイヤもありますから、なかなか選ぶのが難しいのがタイヤだと思います。

 ちなみに私のタイヤ選びでの重視は、ドライグリップはそこそこ、ウェット性能(耐ハイドロプレーニング性能)と、何よりもロードノイズの静粛さです。そして、ユニフォーミニティ(主に真円度)が良好であることは大前提です。




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