衝突(コリジョン)時の減速加速度(G)のコントールは、なかなかに難しいものであろうと思われます。
通常の走行時にかなりの急制動や急旋回を行ったとしても、その加減速度を計測したとして、0.5G程度のものでしょう。また、腕に覚えのある方が限界的な急旋回および急制動したとしても、市販車用タイヤの摩擦係数(μ)の最大値である、0.8~1.0Gが限界となることでしょう。
ところが、衝突という現象となると、僅か0.1~0.2秒という短時間の中で速度変化を生じますから、生じる加速度は桁違いに高くならざるを得ません。軽度な衝突でも数十Gが、高速での衝突では100Gを超える場合も十分あり得ます。
この衝突時の加速度を低めるためには、長大なボンネット(車両前部)を持ち、潰れ剛性を低めたクルマを作れば良いのでしょうが、利便性などを考えると現実的なことではありません。従って、限られた潰れ長さ(クラッシャブル・スペース)で、なるべくピークGを抑えた、Gコントロール技術が開発者には求められるのでしょう。
バリヤ衝突テストにおける車室内床に設置されたGセンサーが検出した波形を見たことがありますが、衝突直後から跳ね上がり、上下に激しく振れ動きつつ、衝突の終了に至ります。この比較的周波数の高い成分を、適度にフィルタリングし、ある程度均したGの波形をもって、Gコントロールの検討を繰り返しているのでしょう。当然、潰れ剛性を高くし過ぎると、ボデーの変形量は少なくなりますがピークGは高まります。逆に。潰れ剛性を低くし過ぎると、ボデーの変形量が大きくなりすぎ、車室の変形と共に乗員の生存空間を圧迫しますから、オフセット衝突テストでアウトとなります。
ところで、写真は前部衝突の損傷車の右サイドフレーム付近の写したものです。最近の車両はサイドフレーム前端にボルトオンで延長する様な形でサイドフレームのエクステンション状部が取り付く構成となっているクルマが多くあります。これは、軽度な衝突において、ボルトオンのエクステンション部までで損傷を止め、リペアラビリティ(修理性=修理費)を改善しようとの意図によります。
しかし、写真のクルマでは、エクステンション部は横に振れる様な損傷は多少あるものの大した変形しかないですが、サイドフレームの最後部つまりダッシュパネルとの接合部に近い部分に、明かな圧縮されたシワが生じているのです。
何でかなあと思いながら、周辺を観察してみると原因の想定ができました。それは、ロの字型のサスペンションクロスメンバーの前端部に強い入力を受け、同クロスメンバーの後端部取り付けボルトを介して入力が伝わったと推察されることをです。
メーカーにおいても、バリヤ装置や車対車の衝突も含め、各種衝突テストが繰り返されています。しかし、リアルワールドにおいては、さらに、さらに複雑であることを改めて思わされます。
通常の走行時にかなりの急制動や急旋回を行ったとしても、その加減速度を計測したとして、0.5G程度のものでしょう。また、腕に覚えのある方が限界的な急旋回および急制動したとしても、市販車用タイヤの摩擦係数(μ)の最大値である、0.8~1.0Gが限界となることでしょう。
ところが、衝突という現象となると、僅か0.1~0.2秒という短時間の中で速度変化を生じますから、生じる加速度は桁違いに高くならざるを得ません。軽度な衝突でも数十Gが、高速での衝突では100Gを超える場合も十分あり得ます。
この衝突時の加速度を低めるためには、長大なボンネット(車両前部)を持ち、潰れ剛性を低めたクルマを作れば良いのでしょうが、利便性などを考えると現実的なことではありません。従って、限られた潰れ長さ(クラッシャブル・スペース)で、なるべくピークGを抑えた、Gコントロール技術が開発者には求められるのでしょう。
バリヤ衝突テストにおける車室内床に設置されたGセンサーが検出した波形を見たことがありますが、衝突直後から跳ね上がり、上下に激しく振れ動きつつ、衝突の終了に至ります。この比較的周波数の高い成分を、適度にフィルタリングし、ある程度均したGの波形をもって、Gコントロールの検討を繰り返しているのでしょう。当然、潰れ剛性を高くし過ぎると、ボデーの変形量は少なくなりますがピークGは高まります。逆に。潰れ剛性を低くし過ぎると、ボデーの変形量が大きくなりすぎ、車室の変形と共に乗員の生存空間を圧迫しますから、オフセット衝突テストでアウトとなります。
ところで、写真は前部衝突の損傷車の右サイドフレーム付近の写したものです。最近の車両はサイドフレーム前端にボルトオンで延長する様な形でサイドフレームのエクステンション状部が取り付く構成となっているクルマが多くあります。これは、軽度な衝突において、ボルトオンのエクステンション部までで損傷を止め、リペアラビリティ(修理性=修理費)を改善しようとの意図によります。
しかし、写真のクルマでは、エクステンション部は横に振れる様な損傷は多少あるものの大した変形しかないですが、サイドフレームの最後部つまりダッシュパネルとの接合部に近い部分に、明かな圧縮されたシワが生じているのです。
何でかなあと思いながら、周辺を観察してみると原因の想定ができました。それは、ロの字型のサスペンションクロスメンバーの前端部に強い入力を受け、同クロスメンバーの後端部取り付けボルトを介して入力が伝わったと推察されることをです。
メーカーにおいても、バリヤ装置や車対車の衝突も含め、各種衝突テストが繰り返されています。しかし、リアルワールドにおいては、さらに、さらに複雑であることを改めて思わされます。
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