好きな映画で繰り返し見る映画に「グラン・プリ」(Grand Prix:ション・フランケンハイマー監督・1966年)がある。同映画は、今までも何度もTV放映でも見ている作品だが、ブルーレイのオリジナル音声で視聴すると、改めて1966年当時のF1グランプリを記録した作品として、非常に興味深く、その感激が込み上げてくるのだ。
直前に「クラシカルF1の魅力」というタイトルでも記しているが、1960年代のF1レーシングカーは現在と違い空力によるダウンフォースもなく、タイヤの摩擦係数も低く、エンジン出力も低く、絶対性能では雲泥の格差があっただろう。そして、車体も現代のカーボンモノコックの以前のアルミモノコックフレームでは、クラッシュ時の車体変形は凄まじく、レースの危険度は恐ろしい程に高かったはずだ。そんな時代でも、時代の最先端の性能への限界に挑戦するスピリットとは、現代とまったく遜色はなく、見るものに与える迫力も同様だと感じるのだ。
映画に登場するマシンの魅力はクラシカルF1の魅力で述べたので割愛するが、この映画の魅力はモナコや今はなきモンツァを含め、往時のレースの雰囲気を伝えてくれる記録映像としても興味深い。さらに、車載カメラでのドライバー姿や車輪の上下動をアップで写し取った映像も迫力満点だ。そして、映像の編集テクニックだろうが、ところどころで表れる画面の方形分割も印象的だし、テーマミュージックも素晴らしいものと感じる。
ブルーレイ版に付属のメイキングで、監督や主演のジェームズ・ガーナーがしゃべっているが、この映画に注ぎ込んだ監督の情熱の強さを感じずにはいられない。それは、秘密主義を貫くフェラーリチームをも動かし、同社レーシングガレージ内での撮影までを行えることになったことにも表れていると思う。
なお、噂に聞くことで真偽は不明ながら、当初同映画の主演は「ステーブ・マックイーン」の起用が想定されていたとのこと。しかし、何らかの理由で実現せず、ジェームズ・ガーナー主演となったとのことだ。そのことを、後年ガーナーはマックイーンから「なかなかいい映画だったね」と聞いたと話し、「彼(マックイーン)としては最大の賛辞としての言葉をだったろう」と話している。想像だが、マックイーンは、この映画に出れなかったことの悔しさもあったのだろう、後年、自ら「栄光へのル・マン」を制作し主演することになったのだろう。
・クラシカルF1の魅力
直前に「クラシカルF1の魅力」というタイトルでも記しているが、1960年代のF1レーシングカーは現在と違い空力によるダウンフォースもなく、タイヤの摩擦係数も低く、エンジン出力も低く、絶対性能では雲泥の格差があっただろう。そして、車体も現代のカーボンモノコックの以前のアルミモノコックフレームでは、クラッシュ時の車体変形は凄まじく、レースの危険度は恐ろしい程に高かったはずだ。そんな時代でも、時代の最先端の性能への限界に挑戦するスピリットとは、現代とまったく遜色はなく、見るものに与える迫力も同様だと感じるのだ。
映画に登場するマシンの魅力はクラシカルF1の魅力で述べたので割愛するが、この映画の魅力はモナコや今はなきモンツァを含め、往時のレースの雰囲気を伝えてくれる記録映像としても興味深い。さらに、車載カメラでのドライバー姿や車輪の上下動をアップで写し取った映像も迫力満点だ。そして、映像の編集テクニックだろうが、ところどころで表れる画面の方形分割も印象的だし、テーマミュージックも素晴らしいものと感じる。
ブルーレイ版に付属のメイキングで、監督や主演のジェームズ・ガーナーがしゃべっているが、この映画に注ぎ込んだ監督の情熱の強さを感じずにはいられない。それは、秘密主義を貫くフェラーリチームをも動かし、同社レーシングガレージ内での撮影までを行えることになったことにも表れていると思う。
なお、噂に聞くことで真偽は不明ながら、当初同映画の主演は「ステーブ・マックイーン」の起用が想定されていたとのこと。しかし、何らかの理由で実現せず、ジェームズ・ガーナー主演となったとのことだ。そのことを、後年ガーナーはマックイーンから「なかなかいい映画だったね」と聞いたと話し、「彼(マックイーン)としては最大の賛辞としての言葉をだったろう」と話している。想像だが、マックイーンは、この映画に出れなかったことの悔しさもあったのだろう、後年、自ら「栄光へのル・マン」を制作し主演することになったのだろう。
・クラシカルF1の魅力