昔(1982年6月)にIBM産業スパイ事件というのがありました。大型汎用コンピューター(メインフレームと呼ばれる)で、圧倒的なシェアを持つIBMシステム370というマシンのファームウェア(組み込みソフトウェア)の機密情報を盗んだとして日立や三菱の社員6名が米国のFBI(連邦警察)に逮捕された事件でした。
パソコンの世界でも、その黎明期は各社毎のファームウェアを組み込んだ独自マシンの時代があったものです。この当時、日本で圧倒的なシェアを独占していたのがNEC社のPC9801シリーズだったのです。その当時、エプソン社でNECの互換パソコンを販売している時代があったのですが、NECとの間で著作権を巡る訴訟沙汰となっていたものでした。当時は、私もエプソンの方が安価であるので、一番最初に購入したパソコンはエプソンだった思い出があります。但し、互換機と云っても100%同じでなく、訴訟を逃れるため(?)、一部ソフトウェア(OS)に特殊な処理が必要であったりと少ないけれど制限もあったと思い出します。
そんな、パソコンの互換性も、IBM社が自社のパソコンであるPC/AT互換機の製作を許諾する時代になって一変します。日本だけでシェアを独占して通用した馬鹿高いPC9801の時代が終わってしまったのです。それからのパソコンは、少数のマッキントシュ機を除けば、総てがIBM・PC/AT互換機(DOS/V機と呼ばれる)が世界中で大勢を占める様になったのでした。
しかし、IBM社の互換機の生産を許すという大英断は、正に両刃の剣であったのだと感じます。PC/AT互換機は世界中で普及しますが、周辺機器を含め価格は低下して行き、IBM社のパソコンのシェアも下がり続け、とうとうIBM社はハードウェア部門を、中国(レノボ社)に売却せざるを得なくなったのです。
PC/AT互換機は、独自の拡張を続け、拡張用スロットのバス等も当初のISAからPCIだとかPCIエキスプレスだとか、どんどん新しく通信速度の高いものが採用されて来ています。
私も、もう5台位自作パソコンを組んで使用していますが、決してパソコン自体に詳しいと云うか、自信があった時代は過ぎたと思っています。昨年末に、新しい自作パソコンを購入する際も、パソコン店で「この店で一番詳しい方を連れてきて欲しい」と頼み、来た兄ちゃんに「まあまあ現状でハイスペックなマシンを組みたい。但し、ゲームはしないから画面が綺麗であれば動画の速度は関係ないから」と伝えながら、各パーツを選んで購入したものです。
今や、記憶容量が1テラバイト(1千ギガ)のHDD(ハードディスク)が1万円を切る時代になっております。それと、昨年末12万位した26インチLCDディスプレイだって、今では半分以下の価格になっています。
最近、インテルの最新CPUえコアi7というのが発表されています。最高クロックの3Gヘルツの石(CPU)は10万円程度と高価な様です。私も過去に、ペンティアム3だとか4だとかで、出始めの10万近い石を購入して来たことがありますが、最新のものにあまり興味は感じなくなりました。まあ、2年もすれば、今の最新の石も半分以下になってしまうのでしょうから。