タイタニック見学ツアーで潜水艇が消息不明 続報
先程、タイタニック号の深海探査艇による観光ツアーで行方不明になっている事件を記したが、同事件をYoutubeでも報じている。
そして、航空機のおそらくソナー探査で、海中からの「バン、バン」という音を確認したという。潜水艇の残存空気は6/22の夕刻が予想される様だが、この音が潜水艇の乗員の助けを求める音だとしても、救助が可能なのだろうか。
ちなみに、映画「レッドオクトーバーを追え」にも搭乗する、沈没した潜水艦乗員の救助用にDSRVという救助用潜航艇があり、日本でも保有している様に聞く。しかし、一般に潜水艦の限界深度は、軍事機密で非公表だが、どんなに深くても1千mと云うところだろう。つまり、DSRV程度の潜行可能水域では、深海4千mの潜水艦救助は不可能で、救助するために遭難艇に向かえるのは、類似の深海潜水艇でしかあり得ないだろう。そして、深海で乗員の移動などできるはずもなく、可能だとして遭難艇が浮上困難となっている原因を探りつつ、母船上から降ろしたクレーンワイヤーで釣り上げる程度の操作ができるかどうかではないだろうか。
補記
潜水艦に詳しい訳ではないが、一般の軍事用潜水艦と深海潜水艇では、浮上のメカニズムがまったく異なっている。と云うのは、軍事用潜水艦では、浮上したり潜行したりを随時繰り返す作戦行動を取るために、艦の浮力を制御するメインタンクへの注水や背水を、高圧空気により随時行える構造になっている。
ところが深海潜水艇とは、艦自体にメインタンクなどはなく、艦自体の浮力は十分にしておいて、重り(ウェイト)を装着することで沈下できるという構造だ。そこで、目的地の深海に達し、浮上する場合は、この重りを切り離すことにより艦自体の浮力で浮上できる構造だ。これは、メインタンクなど用意しても、圧壊深度に達すると破壊されてしまうことや、深海で排水できる程の高圧空気を信頼性持って用意不能という超深海故の水圧の高さがあるからだろう。
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タイタニック観光艇 迫る“期限” 海底からバンバンたたく音
FNNプライムオンライン 2023/06/21
YoutubeURL:https://www.youtube.com/watch?v=dJwvCRkWcgM
海底に沈んだ「タイタニック号」の見学に向かい、消息を絶った潜水艇だが、残された酸素のタイムリミットが迫っている。
捜索が続く中、航空機のソナーが、水中から聞こえる「バンバン」という音を捉えた。
海底およそ3,800メートルに沈む「タイタニック号」の見学ツアーに出た潜水艇が消息を絶って、21日で3日。
残された酸素量のタイムリミットが迫る中、捜索隊が“ある音”をキャッチしていたことがわかった。
潜水艇をのせた船は6月16日、カナダのニューファンドランド州、セントジョンズを出航。
およそ640km離れた場所に到着し、18日の朝、5人を乗せた潜水艇が海底に向かった。
乗っていたのは、イギリスの富豪、ハミッシュ・ハーディングさんや、パキスタンの実業家、シャザダ・ダウッドさんと19歳の息子。
また、「タイタニック号」の専門家でフランスの探検家・ナジョレさんと、運航会社のCEO、ストックトン・ラッシュさんのあわせて5人。
アメリカ沿岸警備隊によると、潜水艇とは、潜水開始からおよそ2時間後に連絡が取れなくなったという。
運航会社のウェブサイトには、ツアーについて、7泊8日で費用は1人あたり25万ドル、日本円でおよそ3,500万円とある。
高額の料金を支払えば一般人でも参加できるこのツアーに対し、現地の潜水艇業界団体は、2018年に「実験的なアプローチは大惨事を招く可能性が高い」と懸念を示していた。
ツアーに参加したことのある男性は、「潜水艇には問題があります。あくまで“実験船”であり、(運航会社も)経験しながら学んでいます。初期の宇宙計画と同じです」と指摘している。
GPSも無線も使えない潜水艇。
その捜索にあたるアメリカ沿岸警備隊が、4時間半ほど前、SNSに新たな情報をアップした。
米沿岸警備隊のツイッターより「カナダの航空機が水中からの音を確認した」
アメリカメディアによると、カナダの航空機のソナーが捉えたのは、水中から聞こえる「バンバン」という物をたたくような音だという。ただ、音のくわしい発信場所はわかっていない。
4日分の酸素を搭載し、海底4,000メートルまで潜れるという潜水艇。
アメリカ沿岸警備隊は、日本時間21日午前2時に開いた会見で、残る酸素量について「呼吸に必要な空気の残りは、およそ40時間です」と説明した。
この説明から計算すると、潜水艇に残る酸素のタイムリミットは、日本時間の22日午後6時ごろで、残り24時間ほど。捜索は時間との闘いとなっている。FNNプライムオンライン
先程、タイタニック号の深海探査艇による観光ツアーで行方不明になっている事件を記したが、同事件をYoutubeでも報じている。
そして、航空機のおそらくソナー探査で、海中からの「バン、バン」という音を確認したという。潜水艇の残存空気は6/22の夕刻が予想される様だが、この音が潜水艇の乗員の助けを求める音だとしても、救助が可能なのだろうか。
ちなみに、映画「レッドオクトーバーを追え」にも搭乗する、沈没した潜水艦乗員の救助用にDSRVという救助用潜航艇があり、日本でも保有している様に聞く。しかし、一般に潜水艦の限界深度は、軍事機密で非公表だが、どんなに深くても1千mと云うところだろう。つまり、DSRV程度の潜行可能水域では、深海4千mの潜水艦救助は不可能で、救助するために遭難艇に向かえるのは、類似の深海潜水艇でしかあり得ないだろう。そして、深海で乗員の移動などできるはずもなく、可能だとして遭難艇が浮上困難となっている原因を探りつつ、母船上から降ろしたクレーンワイヤーで釣り上げる程度の操作ができるかどうかではないだろうか。
補記
潜水艦に詳しい訳ではないが、一般の軍事用潜水艦と深海潜水艇では、浮上のメカニズムがまったく異なっている。と云うのは、軍事用潜水艦では、浮上したり潜行したりを随時繰り返す作戦行動を取るために、艦の浮力を制御するメインタンクへの注水や背水を、高圧空気により随時行える構造になっている。
ところが深海潜水艇とは、艦自体にメインタンクなどはなく、艦自体の浮力は十分にしておいて、重り(ウェイト)を装着することで沈下できるという構造だ。そこで、目的地の深海に達し、浮上する場合は、この重りを切り離すことにより艦自体の浮力で浮上できる構造だ。これは、メインタンクなど用意しても、圧壊深度に達すると破壊されてしまうことや、深海で排水できる程の高圧空気を信頼性持って用意不能という超深海故の水圧の高さがあるからだろう。
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タイタニック観光艇 迫る“期限” 海底からバンバンたたく音
FNNプライムオンライン 2023/06/21
YoutubeURL:https://www.youtube.com/watch?v=dJwvCRkWcgM
海底に沈んだ「タイタニック号」の見学に向かい、消息を絶った潜水艇だが、残された酸素のタイムリミットが迫っている。
捜索が続く中、航空機のソナーが、水中から聞こえる「バンバン」という音を捉えた。
海底およそ3,800メートルに沈む「タイタニック号」の見学ツアーに出た潜水艇が消息を絶って、21日で3日。
残された酸素量のタイムリミットが迫る中、捜索隊が“ある音”をキャッチしていたことがわかった。
潜水艇をのせた船は6月16日、カナダのニューファンドランド州、セントジョンズを出航。
およそ640km離れた場所に到着し、18日の朝、5人を乗せた潜水艇が海底に向かった。
乗っていたのは、イギリスの富豪、ハミッシュ・ハーディングさんや、パキスタンの実業家、シャザダ・ダウッドさんと19歳の息子。
また、「タイタニック号」の専門家でフランスの探検家・ナジョレさんと、運航会社のCEO、ストックトン・ラッシュさんのあわせて5人。
アメリカ沿岸警備隊によると、潜水艇とは、潜水開始からおよそ2時間後に連絡が取れなくなったという。
運航会社のウェブサイトには、ツアーについて、7泊8日で費用は1人あたり25万ドル、日本円でおよそ3,500万円とある。
高額の料金を支払えば一般人でも参加できるこのツアーに対し、現地の潜水艇業界団体は、2018年に「実験的なアプローチは大惨事を招く可能性が高い」と懸念を示していた。
ツアーに参加したことのある男性は、「潜水艇には問題があります。あくまで“実験船”であり、(運航会社も)経験しながら学んでいます。初期の宇宙計画と同じです」と指摘している。
GPSも無線も使えない潜水艇。
その捜索にあたるアメリカ沿岸警備隊が、4時間半ほど前、SNSに新たな情報をアップした。
米沿岸警備隊のツイッターより「カナダの航空機が水中からの音を確認した」
アメリカメディアによると、カナダの航空機のソナーが捉えたのは、水中から聞こえる「バンバン」という物をたたくような音だという。ただ、音のくわしい発信場所はわかっていない。
4日分の酸素を搭載し、海底4,000メートルまで潜れるという潜水艇。
アメリカ沿岸警備隊は、日本時間21日午前2時に開いた会見で、残る酸素量について「呼吸に必要な空気の残りは、およそ40時間です」と説明した。
この説明から計算すると、潜水艇に残る酸素のタイムリミットは、日本時間の22日午後6時ごろで、残り24時間ほど。捜索は時間との闘いとなっている。FNNプライムオンライン