熊本地裁において即決判決を連発している特定裁判官がいる
熊本ローカル紙が伝える内容だが、熊本地裁の刑事裁判において、杉原崇夫裁判官という特定人が、初公判で即日判決とか、第2回目の公判での判決だとか、地元のおそらく弁護士関係から、あまりに拙速な判決ではないかと疑問の声が上がっているという。
私は法律の専門家ではないが、いささか裁判というものには関心を持ち、過去おそらく10は下らない関係本を読んできた。それらの著者は、ジャーナリストであったり裁判官自身であったりするのだが、総論で結論付ければ、現行日本の裁判を否定的もしくは批判する内容が多い。
その端的な事象というか現実数値として、検察が追訴した刑事事件については、当然のこと有罪前提となるのだから追訴するのだが、裁判判決としては多少の減刑はあったにしても99.9%有罪になると云うのが日本の刑事裁判だ。これを知ると、裁判の実質の有無罪を決めているのは検察であり、裁判官は単に追認しているに過ぎないのではないかという意見がある。この辺りは、欧米の場合、そもそも検察の起訴独占主義ではなかったり、裁判判決も米国の様な陪審員評決という違いがあるのだが、何か硬直化したいわゆる官僚気質というべきものがある様に思えてならない。
既に10年程前から裁判官制度というのが導入されたのだが、判決内容にほとんど変化は見られない様に感じる。そもそも、私の思いだが、重大事件として凶悪事件とかを、裁判員裁判の対象としているのだが、そういう残虐な事件を一般に判断させるより、国賠訴訟とかで原発問題とか公害問題の様な、国民の生活に密着した事件を対象とすべきと思うのだが、権力者はそういう国の既成秩序(云って見れば既得権に関わる事項)には、あまり民意に介入されたくないという本音があるのだろうかと疑うしかない。
冒頭の即断裁判官の話しに戻るが、裁判官でも検察でも国家の組織は、都道府県でも主に県民人口などでランクがあり、熊本県人には失礼となるが、熊本が特別高いランクには入らないごく平凡な件だろう。こういうところに配属される裁判官は、新人かベテランでも、そういうローカルばかりを転勤させられている裁判官となるのだろう。想像すると、ローカル転勤ベテラン裁判官が、突然即断裁判官に変身することは考えられず、おそらく新任地というか若手裁判官なのだろうと想像するが、麻生某ではないか相当に勘違いした裁判官ではないだろうか。つまり、裁判官に取って刑事裁判有罪懲役1年はたかが懲役1年であろうと、国家権力によりその該当者の憲法で認められた自由を奪い、拘束しつつ、事実上一生残る前科一犯という罪を決め付ける職業の重さを鑑みれば、おいそれと即決判決など出せるものではないと思うところだ。
これは、私的な想像だが、法令上は裁判官とは、法令の範囲において、その単独の良心において判断を下せるというのが倫理規定の概要だろうと思うが、この即断できるという行為は、およそ良心の限りを尽くしているとは思えない。
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熊本地裁の刑事裁判、特定の裁判官が〝即日判決〟連発 開廷30分で実刑も 「拙速では」と疑問の声
熊本日日新聞 1/16(月) 9:09配信
被告の有罪、無罪や刑の重さを決める刑事裁判。丹念に証拠を調べて厳正に判断するため、審理が長期間に及ぶ裁判も多いが、熊本地裁では今、結審直後や初公判で判決を言い渡す事例が相次いでいる。いずれも特定の男性裁判官による裁判で、法曹関係者から「拙速ではないか」と疑問の声が上がる。
「では、判決を宣告します。主文…」。昨年9月16日、女子中学生への強制わいせつ罪に問われた公務員の男の第2回公判。被告側が情状酌量を求めて結審した直後、杉原崇夫裁判官は休廷を挟まないまま「懲役1年4月、執行猶予3年」と言い渡した。
杉原裁判官は、検察官が被告や弁護人の同意を得て起訴時に申し立てる「即決裁判」ではないケースで、初公判での即日判決も珍しくない。12月23日にあった覚醒剤取締法違反事件では、開廷から30分もたたずに被告の女に実刑判決を言い渡した。弁護人の男性弁護士は「杉原裁判官の即日判決は弁護士の間では有名」とこぼした。
県弁護士会は2021年、県内の法曹三者が裁判の在り方を意見交換する「第一審強化方策熊本地方協議会」で地裁に問題提起した。「弁護人が求めていないのに即日判決が相次いでいる。証拠も見ていない段階で、書記官から『裁判官が即日の判決を検討している』との打診もあった」との内容だった。
日本の刑事裁判は、裁判官が予断を持たずに公判に臨むよう、起訴時に検察が提出するのは起訴状のみ。被告の供述調書などの関係証拠は、主に初公判で弁護人が同意して初めて裁判官の目に触れる仕組みだ。
県弁護士会刑事弁護センター委員長の松本卓也弁護士は「証拠を精査して判決内容を検討するため、裁判官は通常、結審から言い渡しまで一定の期間を設ける。適正な手続きがないがしろにされてはいけない」と訴える。
刑事訴訟法は、審理の進め方について裁判官に絶対的な権限を与えている。審理の長期化は当事者の不利益となる場合もあり、03年には一審を原則2年以内とする裁判迅速化法も施行された。最高裁によると、21年の刑事裁判の平均審理期間は3・7カ月、平均開廷回数は2・7回だった。
即日判決に違法性はないが、日弁連は「審理を手抜きして迅速化を図ることがあってはならない」とくぎを刺す。被告が起訴内容を認めていても、冤罪[えんざい]の恐れをはらむからだ。富山県氷見市で02年に起きた女性暴行事件では、虚偽の自白を強いられた男性が富山地裁高岡支部で実刑判決を受けて服役後、真犯人が見つかった。
審理の迅速化は、事件の被害者側の不満を招く例も少なくない。熊本市の男性弁護士は「被害者の心情意見陳述の機会が制限され、弁護士間で問題視する声が出ている」と明かす。
元東京高裁判事の木谷明弁護士(東京)は「即日判決は、法廷が形骸化するとの批判もある。裁判は当事者の意見を十分に聞き、被告と被害者がともに納得できる内容になっていることが重要。事務処理的な対応になっているとしたら、賛成できない」と指摘する。杉原裁判官本人はどう考えているのか。地裁総務課を通じて取材を申し込んだが、「裁判官の訴訟指揮については答えられない」と返答は得られなかった。(植木泰士)
熊本ローカル紙が伝える内容だが、熊本地裁の刑事裁判において、杉原崇夫裁判官という特定人が、初公判で即日判決とか、第2回目の公判での判決だとか、地元のおそらく弁護士関係から、あまりに拙速な判決ではないかと疑問の声が上がっているという。
私は法律の専門家ではないが、いささか裁判というものには関心を持ち、過去おそらく10は下らない関係本を読んできた。それらの著者は、ジャーナリストであったり裁判官自身であったりするのだが、総論で結論付ければ、現行日本の裁判を否定的もしくは批判する内容が多い。
その端的な事象というか現実数値として、検察が追訴した刑事事件については、当然のこと有罪前提となるのだから追訴するのだが、裁判判決としては多少の減刑はあったにしても99.9%有罪になると云うのが日本の刑事裁判だ。これを知ると、裁判の実質の有無罪を決めているのは検察であり、裁判官は単に追認しているに過ぎないのではないかという意見がある。この辺りは、欧米の場合、そもそも検察の起訴独占主義ではなかったり、裁判判決も米国の様な陪審員評決という違いがあるのだが、何か硬直化したいわゆる官僚気質というべきものがある様に思えてならない。
既に10年程前から裁判官制度というのが導入されたのだが、判決内容にほとんど変化は見られない様に感じる。そもそも、私の思いだが、重大事件として凶悪事件とかを、裁判員裁判の対象としているのだが、そういう残虐な事件を一般に判断させるより、国賠訴訟とかで原発問題とか公害問題の様な、国民の生活に密着した事件を対象とすべきと思うのだが、権力者はそういう国の既成秩序(云って見れば既得権に関わる事項)には、あまり民意に介入されたくないという本音があるのだろうかと疑うしかない。
冒頭の即断裁判官の話しに戻るが、裁判官でも検察でも国家の組織は、都道府県でも主に県民人口などでランクがあり、熊本県人には失礼となるが、熊本が特別高いランクには入らないごく平凡な件だろう。こういうところに配属される裁判官は、新人かベテランでも、そういうローカルばかりを転勤させられている裁判官となるのだろう。想像すると、ローカル転勤ベテラン裁判官が、突然即断裁判官に変身することは考えられず、おそらく新任地というか若手裁判官なのだろうと想像するが、麻生某ではないか相当に勘違いした裁判官ではないだろうか。つまり、裁判官に取って刑事裁判有罪懲役1年はたかが懲役1年であろうと、国家権力によりその該当者の憲法で認められた自由を奪い、拘束しつつ、事実上一生残る前科一犯という罪を決め付ける職業の重さを鑑みれば、おいそれと即決判決など出せるものではないと思うところだ。
これは、私的な想像だが、法令上は裁判官とは、法令の範囲において、その単独の良心において判断を下せるというのが倫理規定の概要だろうと思うが、この即断できるという行為は、およそ良心の限りを尽くしているとは思えない。
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熊本地裁の刑事裁判、特定の裁判官が〝即日判決〟連発 開廷30分で実刑も 「拙速では」と疑問の声
熊本日日新聞 1/16(月) 9:09配信
被告の有罪、無罪や刑の重さを決める刑事裁判。丹念に証拠を調べて厳正に判断するため、審理が長期間に及ぶ裁判も多いが、熊本地裁では今、結審直後や初公判で判決を言い渡す事例が相次いでいる。いずれも特定の男性裁判官による裁判で、法曹関係者から「拙速ではないか」と疑問の声が上がる。
「では、判決を宣告します。主文…」。昨年9月16日、女子中学生への強制わいせつ罪に問われた公務員の男の第2回公判。被告側が情状酌量を求めて結審した直後、杉原崇夫裁判官は休廷を挟まないまま「懲役1年4月、執行猶予3年」と言い渡した。
杉原裁判官は、検察官が被告や弁護人の同意を得て起訴時に申し立てる「即決裁判」ではないケースで、初公判での即日判決も珍しくない。12月23日にあった覚醒剤取締法違反事件では、開廷から30分もたたずに被告の女に実刑判決を言い渡した。弁護人の男性弁護士は「杉原裁判官の即日判決は弁護士の間では有名」とこぼした。
県弁護士会は2021年、県内の法曹三者が裁判の在り方を意見交換する「第一審強化方策熊本地方協議会」で地裁に問題提起した。「弁護人が求めていないのに即日判決が相次いでいる。証拠も見ていない段階で、書記官から『裁判官が即日の判決を検討している』との打診もあった」との内容だった。
日本の刑事裁判は、裁判官が予断を持たずに公判に臨むよう、起訴時に検察が提出するのは起訴状のみ。被告の供述調書などの関係証拠は、主に初公判で弁護人が同意して初めて裁判官の目に触れる仕組みだ。
県弁護士会刑事弁護センター委員長の松本卓也弁護士は「証拠を精査して判決内容を検討するため、裁判官は通常、結審から言い渡しまで一定の期間を設ける。適正な手続きがないがしろにされてはいけない」と訴える。
刑事訴訟法は、審理の進め方について裁判官に絶対的な権限を与えている。審理の長期化は当事者の不利益となる場合もあり、03年には一審を原則2年以内とする裁判迅速化法も施行された。最高裁によると、21年の刑事裁判の平均審理期間は3・7カ月、平均開廷回数は2・7回だった。
即日判決に違法性はないが、日弁連は「審理を手抜きして迅速化を図ることがあってはならない」とくぎを刺す。被告が起訴内容を認めていても、冤罪[えんざい]の恐れをはらむからだ。富山県氷見市で02年に起きた女性暴行事件では、虚偽の自白を強いられた男性が富山地裁高岡支部で実刑判決を受けて服役後、真犯人が見つかった。
審理の迅速化は、事件の被害者側の不満を招く例も少なくない。熊本市の男性弁護士は「被害者の心情意見陳述の機会が制限され、弁護士間で問題視する声が出ている」と明かす。
元東京高裁判事の木谷明弁護士(東京)は「即日判決は、法廷が形骸化するとの批判もある。裁判は当事者の意見を十分に聞き、被告と被害者がともに納得できる内容になっていることが重要。事務処理的な対応になっているとしたら、賛成できない」と指摘する。杉原裁判官本人はどう考えているのか。地裁総務課を通じて取材を申し込んだが、「裁判官の訴訟指揮については答えられない」と返答は得られなかった。(植木泰士)
>こういうところに配属される裁判官は、新人かベテランでも、そういうローカルばかりを転勤させられている裁判官となるのだろう。
この記載について。
杉原崇夫裁判官の経歴を見る限り、特に左遷されて熊本送りになったわけではありません。
URLのとおり、現在は高裁判事です。
R 5. 7. 1 福岡高裁判事・福岡簡裁判事
問題のある裁判官の左遷自体が全くないわけではありません。
しかし、日本では全国都道府県の地方裁判所に裁判官を出向させていますから、熊本に配属されたことをもって、左遷されたかのように断じることは、偏見です。
「即日判決」には、メリット・デメリットがあります。
元の新聞記事では批判的ですが。
人質司法と揶揄される制度のもとで、素早く判決を出す裁判官が、絶対悪とまでは言えないと感じます。
通りすがり、失礼。