私の思いと技術的覚え書き

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ジャイロのこと

2008-07-22 | コラム

 突然、ジャイロの話しとして記してみます。

 1月程前に新しい私用のデジカメを購入しましたが、選択要素の一つとして手振れ補正機構の有無がありました。従来の銀塩カメラでもデジカメでも、室内撮影等の暗い環境で写真を撮影する際は、シャッター速度が低下しますから手振れした写真となってしまう場合があります。特に小型のデジカメでは、片手で保持する場合も多く生じやすいですし、一眼レフカメラでも望遠レンズでは生じやすいものです。私も博物館等で陳列品を撮影し、手振れでボケた写真にがっかりしたことが何度もあります。

 さて、この手振れ補正機構ですが、カメラ本体が上下左右に移動(振動)した場合に、レンズもしくはCCDをカメラの移動方向とは逆方向に移動させることで、補正を行うものです。そして、この手振れの検出測定を行うのが振動ジャイロセンサーなのです。この振動ジャイロセンサーにより、シャッター速度にして2~3段の低下にも手振れなしでの写真が撮影できる様になる、ありがたいものと感じます。

 ところで、ジャイロのことですが、元々はロケットや航空機の姿勢安定装置や自立航法装置として採用されて来ました。方式としてはコマの原理を流用した機械式のものです。回転体をジンバルという動雲台上で駆動させるものです。映画アポロ13のトラブルが発生し大揺れする機体内で「ジンバルロックに気をつけろ」と叫んでいるシーンがありますが、ロケットにとって姿勢制御や慣性航法装置が如何に大切な装置かが判ります。この様な機械式ジャイロも、最近は光ファイバーやレーザーを利用した光学式になって来ている様です。

 その他のジャイロセンサーにガスレート式というものがある様です。流動するガスが加速度による変位するのを検出するものですが、かつてホンダが第1世代のカーナビゲーションシステムに採用したことがありました。しかし、その後直ぐにGPSによる位置検出が一般化し短命に終わってしまいました。この方式はコストが比較的安いこともあり、使い捨てとなるミサイルの慣性誘導装置にも利用されている様です。




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