私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

ああ!無残なるかな、スキーツアーバス事故

2016-01-15 | 事故と事件
 本日未明の深夜2時頃に生じたというバス事故ですが、我が記憶に留める意味で、ネット等での各種情報、写真を眺め感じることを、つらつらと記してみます。

 クレーン作業により引き上げられた写真を一目見て、これは死亡者多数が明白なものです。横倒しになり立木に叩き付けられたルーフの後部から1/3位の位置の変形が尋常ではないというもので、これでは衝撃というより圧死でしょう。しかし、現時点で15名の死者と伝わりますが、横3列シートの2列くらいの6名は圧死しかなかったでしょうが、その他はシートベルトをしていれば助かった方もいたのでないでしょうか。

 次に、誠に勝手な推測も交え事故原因を推測してみます。
 まず、事故現場の上空からのロングショットを見ると、比較的浅く大きなカーブが連続する道路であった様子が判ります。恐らく一般の乗用車なら、80km/hくらいでも鼻歌交じりに流せる道路状態であろうかとも想像します。また、大トラやバスであっても、適切なハンドル操作をしていれば同様だろうとも思うのです。そこで、深夜の該当路は閑散とした状態で飛ばせたであろうし、下り坂を相当な速度(恐らく100km/h近くか/何れ装着されたタコグラフから明確になるであろうが)で走行していたのではないかと想像してしまうのです。

 ただ、ラジオでの情報であったが、事故現場の相当以前(つまり事故は左カーブであるが、それ以前の右カーブ辺りか)で、該当バスの左前部が接触した痕跡がある様子とのことを知らせていました。とすると、そこで慌てて右に切り増し、さらに左コーナーへの切り返しを行ったことになります。競技的なスラロームを行ってみれば判ることですが、右転舵から左転舵への切り返しという連続した動作は、ロールの反転(反動)から挙動変化が生じやすいものなのです。

 そして、もう一つの要因ですが、バスは乗用車ではポルシェぐらいしかない稀な駆動方式であるRR(リヤエンジン・リヤドライブ)であり、前後荷重分布は3:7と極端なリヤヘビーなのです。乗用車で、ここまでリヤヘビーにすると、ファイナルオーバーステアが極端に生じるから、ポルシェでも後軸直ぐ後ろにエンジンが、後軸にデフ、その前がミッションという配置となっています。しかし、客室を最大限に、そして静粛さも求めたいバスでは、後軸の遙か後ろにエンジンが、その前方にミッションが、さらに短いがプロペラシャフトを介して後軸のデフを駆動するという配置です。従って、エンジンおよび駆動ユニットはリヤオーバーハング上に搭載され、先の様な7割方の荷重が後輪荷重となるのです。このことは、限界を超えた旋回において、ファイナルオーバーステアを生じ易いはずと想像します。

 これは、現車確認もしておらず、相当な憶測を含みますが、該当ガードレールを突き破った時は、かなりのドリフトアングルの付いた状態であって、車両後部から当たり始め薙ぎ倒した様にも想像されるのです。これは、現場ガードレールの手前にかなりの長さに渡り残されていたタイヤ痕(外側後輪のドリフト痕と推測)の情報も含め、想像するのです。

 結論ですが、原因として居眠り運転の可能性も考えられる訳ですが、原因の第1はスピードの出し過ぎ、第2はハンドル操作の不適切というのが現時点での私の推論なのです。











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