何事によらず「決断」という選択肢は難しいものであると感じます。結果オーライであれば問題ない訳ですが、不幸な結末を迎えた時、「なんであの時・・・」と後悔しても、覆水盆に返らずなのであります。昨日、大きなバス事故が発生していますが、何故に運行経路を高速道から一般道に変える決断に至ったのか気にかかる問題でもあります。
ところで我が国のバス事故で過去最大のものは、1968年(昭和43年)に生じ合計104名が死亡したという飛騨川バス転落事故でしょう。犬山市を出発した総員700名を超すバス合計15台の大バスツアーだったのです。ルートは飛騨川沿いに北上する国道41号線であったのです。当日は、台風の通過直後であり、不安定さが残る気象条件であったことが災いをしました。そんな中、同ツアーは決行されたのですが、飛騨川沿いの山の斜面を縫うように走る国道41号線の各地には、集中豪雨による土砂崩れが多発し、その中で2台のバスが崩れた土砂と共に飛騨川に転落し、合計104名の死者を生じたのです。
この事故は、出発からおよそ70km地点で、前方に大きな土砂崩れが発生していることを把握し、協議した結果ツアーの中止を決断、もと来た道を引き返すことになったのでした。しかし、そこに新たな土砂崩れが待ち構えていようとは、よもや思わぬことだったのです。帰路に発った15台は、第1グループと第2グループに分かれ出発したのです。そして、第1グループは途上で警戒に当たっていた消防団員に、前方に落石などの危険があると運行の中止を勧告を受けるが、通行規制までがなされず進行を決断するに至った様です。そして、前方に土砂崩れが生じ、後退している最中に後方でも土砂崩れが発生し、完全に立ち往生するに至ったのだと云います。そしてしばらく後、立ち往生したバス3台を直撃する土砂崩れが発生、辛くもガードレールに支えられ助かった1台を除いた2台が土砂と共に飛騨川へ転落するという惨劇が生じたのでした。なお、第2グループは、勧告に応じて、近くの駅前広場で待機し無事過ごしたのでした。
当時の運行管理は現在と比べればまだまだ緩く、とかく平常心だけで判断しきれぬ場合がある運転手だけの判断でなく、本部にいる運行管理者と連絡体制を保ちつつ、その指揮の中で運行の可否や乗客の避難誘導などを受けることにまでなってはいなかったのです。しかし、気象予報や道路整備がある程度整った現代であっても、同様の事態に至った時、運行管理者が適切な判断ができたかどうか、はなはだ難しい問題であることに変わりはない様にも感じるのです。
とかく、旅客運行業(貨物であろうが同様ですが)にとって、まずは営業第1であって、できれば中断しないで運行を完遂したいという思いが先に立ち、安全というのが2の次になり、中断という勇気ある決断がしきれるかという問題を内在していると感じざるを得ないのです。
ところで我が国のバス事故で過去最大のものは、1968年(昭和43年)に生じ合計104名が死亡したという飛騨川バス転落事故でしょう。犬山市を出発した総員700名を超すバス合計15台の大バスツアーだったのです。ルートは飛騨川沿いに北上する国道41号線であったのです。当日は、台風の通過直後であり、不安定さが残る気象条件であったことが災いをしました。そんな中、同ツアーは決行されたのですが、飛騨川沿いの山の斜面を縫うように走る国道41号線の各地には、集中豪雨による土砂崩れが多発し、その中で2台のバスが崩れた土砂と共に飛騨川に転落し、合計104名の死者を生じたのです。
この事故は、出発からおよそ70km地点で、前方に大きな土砂崩れが発生していることを把握し、協議した結果ツアーの中止を決断、もと来た道を引き返すことになったのでした。しかし、そこに新たな土砂崩れが待ち構えていようとは、よもや思わぬことだったのです。帰路に発った15台は、第1グループと第2グループに分かれ出発したのです。そして、第1グループは途上で警戒に当たっていた消防団員に、前方に落石などの危険があると運行の中止を勧告を受けるが、通行規制までがなされず進行を決断するに至った様です。そして、前方に土砂崩れが生じ、後退している最中に後方でも土砂崩れが発生し、完全に立ち往生するに至ったのだと云います。そしてしばらく後、立ち往生したバス3台を直撃する土砂崩れが発生、辛くもガードレールに支えられ助かった1台を除いた2台が土砂と共に飛騨川へ転落するという惨劇が生じたのでした。なお、第2グループは、勧告に応じて、近くの駅前広場で待機し無事過ごしたのでした。
当時の運行管理は現在と比べればまだまだ緩く、とかく平常心だけで判断しきれぬ場合がある運転手だけの判断でなく、本部にいる運行管理者と連絡体制を保ちつつ、その指揮の中で運行の可否や乗客の避難誘導などを受けることにまでなってはいなかったのです。しかし、気象予報や道路整備がある程度整った現代であっても、同様の事態に至った時、運行管理者が適切な判断ができたかどうか、はなはだ難しい問題であることに変わりはない様にも感じるのです。
とかく、旅客運行業(貨物であろうが同様ですが)にとって、まずは営業第1であって、できれば中断しないで運行を完遂したいという思いが先に立ち、安全というのが2の次になり、中断という勇気ある決断がしきれるかという問題を内在していると感じざるを得ないのです。