昨年後半の米国発の金融破綻まで、石油は高騰を続け、関連製品を中心に物価は高騰を続けていました。ガソリンは、リッター当たり180円近くまで至りましたし、石油化学製品としてクルマの塗料なんかは、値上げに続く値上げを繰り返していたものです。一方、中国を中心とした旺盛な鉄鋼需要により、廃車スクラップの価格上昇も顕著なものがあり、どんなポンコツでも1台2万円は下らない等とも聞いたものです。
しかし、世界全体の経済減速を受けて、これら価格高騰は急反転しつつあります。ガソリンはリッター110円を切るまでに下がりましたし、スクラップ鉄の相場も急落したと聞きます。しかし、恐ろしいのは総ての物価が急落して行くことは、企業活動も縮小せざるを得ないということであり、人件費の圧縮やリストラを含めた雇用の問題に結びついて行かざるを得ないことです。
昨年1月に「キャピタリズムの限界」という記事と、ロバート・B.ライッシュ氏の論評を紹介しましたが、改めてこのことを思わずにいられません。