私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

天城越え

2016-01-03 | 沼津そして伊豆周辺
 つい先日、久しぶりに旧天城トンネルを見学したので、若干講釈を記してみます。

 三島から下田へ至る脇街道を下田街道と呼びます。今でいう、国道136号と国道414号がこれに相当します。江戸時代までは全て徒歩で、トンネルもなく、天城の山並みを越えていく厳しい道程であった訳です。明治になり最難関の天城越えを容易にするため隧道が作られたのですが、これが旧天城トンネルで全長440m余り幅員4m程(側溝含め)の石組みの作りです。1904年完成と記録されていますから、今から114年も前に作られたものです。(国の重用文化財指定)

 トンネル内で停車し内部を撮影したのですが、石組みからの漏水を避けるためモルタルを吹き付けてありますが、トンネル自体の作りはしっかりしたものです。幅員からは小型乗用車なら行き違いがなんとか可能ですが、大型車では無理でしょう。クルマの少ない時代だから、大した混乱も生じなかったのでしょう。ここから、「伊豆の踊子」(川端康成)や「天城越え」(松本清張)などの名作が生まれたのです。

 現在の新天城トンネルは、旧天城トンネルの西側にもっと標高の低いところを貫通させており、全長約800mでセンターラインがあります。2000年迄有料道路として運営されていましたが、現在は無料で通行できるのです。


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