ノータリン自動車記事
今や車雑誌を本屋で買うことは希なることなので、こういうクルマ記事はNetで見ることになるのだが、その他一般的なニュース報道や論説などと同様、クルマ関係の記事も低レベルで、およそ世の正義とか正しい啓蒙とはおよそ縁遠い記事が増えた。こういう場合、一々反論を書く時間も熱意もなく、無視するのが通例だが、こと車両の安全に関わる記事は無視もしかねる。
下記に転載した、レスポンスという主に車両情報を車両メーカーにおもねる記事を掲載しているのは、どの自動車メディアにも共通するのだが、本記事は車両のステアリングホイール交換を勧める(と云うと語弊があるが可能と知らしめる)記事だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/99/68c9bbedd93b759cafa262e0ea02af75.jpg)
曰わく、かつては保険会社で「エアバッグ割引」があったので難しい面があったが、今はそれがほぼなくなったと云うのだが、それは当然のことで、現代車でエアバッグが装着されていない車両は100%ないといって過言ではないだろう。それだけ普通の装備となった状況を睨んで保険会社では「エアバック割引」を廃止したのだろう。
このエアバッグ装備だが、一見すると道路運送法の保安基準で装備が規定されているかと云うと、そういう装備基準はない。しかし、各国で行われているNCAP(日本だとJNCAPと云い国交省の天下り団体で運営される)試験において、衝突安全性能が公表されるので、装備していないと他車との安全性に見劣りが明示されてしまい付けない訳には行かないのだ。つまり、前面衝突事故が生じた場合において、乗員の致死率に極めて大きな影響を持つのがエアバッグという装置である。
そんな当然のことを一切記事には触れず、エアバッグなしのステアリングホイールに取り替えることにより、運転姿勢がどうのこうのと論評する記事は、まるで車両乗員の安全性を無視していると感じる次第だ。こんなことは、それなりの車両知識を持つ者には常識的な内容だ。しかし、少なくともそうでない一般読者を対象として記す今回の様な記事には、その取替がもたらすリスクを記すのが、およそ社是としてはクルマ社会の安全を肯定しているはずであろうから、倫理違反記事ではなかろうか。まあ、およそ車両の安全への指命というプロ意識が欠落しているからなのだろうが、残念に感じる記事である。
なお、OEMアフターパーツとしてのステアリングホイールで、エアバッグを装備したものはあり得ない。それは、エアバッグ装置が、多くのパテントにより支配されていることや、その性能要件(容積とか展開時間など)が車両毎に緻密に実験検証された上で採用されているからに他ならない。
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ステアリング交換が再びできる時代に! 周辺パーツの登場でスイッチも移設可能~カスタムHOW TO~
レスポンス 2023年1月9日(月)00時36分
ソースURL:https://response.jp/article/2023/01/07/366038.html?pickup-text-list=2
昔はナルディやモモのステアリングに変えるのがカスタムの初歩的なところだった。しかし現在では、ステアリングスイッチが普及して交換は困難になった。が、対応パーツも出てきているのだ!
◆理想のポジションづくりに欠かせないのがステアリング交換
ドライビングポジションは必ずしも万人にベストになるわけではない。多くの人の最大公約数的な作りとなっていて、イマイチしっくり来ないのも当然のこと。
ステアリングの持ち方にしても手のひらで持つタイプや指で握るタイプなどいくつかのパターンに分かれる。どれが正解というわけではなく、それぞれの個性だ。内股の人やガニ股の人がいたりするのと同じで、どうしなければならないわけではなく、それぞれのやりやすい方法で構わない。それでも大前提としては強く保持すると言うよりは、軽く添えるようにステアリングを持ち、路面からのフィードバックを感じやすい方がよいが、その先の持ち方などはそれぞれなのだ。
同じように体からの距離も、大きく切ったときに腕が伸びないようにしたい人もいれば、ちょうど腕がのびきるくらいが操作しやすい人もいる。それはレーシングドライバーも同じで、好みによってポジションは変わるもの。なので、一般道を走るわれわれが好みのポジションを作るのも当然のことで、その過程でクルマ側の調整範囲だけで収まらないこともあるのだ。そんなときにオススメしたいのがステアリング交換だ。
◆ステアリングを換える意味はどこにあるの?
まず、ステアリング自体の位置を変えることができる。多くの場合いくらか手前に持ってくることで、腕に余裕ができ、背もたれをもっと寝かせることができる。ステアリングだけでそういった選択肢も出てくるのだ。
さらに直径を小さくすればクイックなハンドリングに感じられるし、大きくすれば落ち着きを持ったハンドリングにできる。太さも重要で、握った時の感触が変わる。手の大きさよりは、その握り方によって好みが変わる傾向にあり、手のひらで握りたいタイプは細めが好きなど、ある程度傾向が見られる。そういったステアリングに変更できるのだ。
これまでステアリング交換のハードルとなっていたのは、自動車保険のエアバッグ特約だった。ステアリングを交換すると多くの場合で純正エアバッグは取り外すことになる。そうなるとエアバッグ付き車両向けの割引が受けられなくなる。その割引額は数百円とか数千円という金額だったが、わざわざ保険の契約内容を変えることが手間で、ステアリング交換は敬遠されていた。しかし、最近ではほとんど保険会社でエアバッグ特約が廃止されているので、面倒な手続きなどが不要になった。
代わりにステアリング交換に高いハードルが生まれた。それがステアリングスイッチだ。最近では多くのクルマでエアコン、オーディオ、メーター内の設定などがステアリングに付けられたスイッチで操作するタイプになっている。エアコンやオーディオはステアリング以外にもスイッチがあることが多く問題はないが、純正メーター内のディスプレイなどはステアリングスイッチが唯一の操作方法になっていることも多い。そうなるとステアリングスイッチを外して、ステアリングを交換してしまうとせっかくの純正ディスプレイの情報が変更できなくなってしまう。これが大きな問題となり、ステアリング交換は再びしにくくなっていた。
ところが最近ではこのステアリングスイッチを外して移設できるパーツがリリースされ、ステアリングスイッチをなくさなくて済むようになってきたのだ。そうなれば好みのステアリングに交換でき、スイッチ類もそのまま使えるのだ。
注意点は現代のクルマ、とくにアダプティブクルーズコントロール装着車は、ステアリングの位置と速度などが細かく制御されているので、自分で適当に交換すると大変なことになりかねない。あらゆるエラーが点灯したり、ステアリング周辺パーツの交換でかなりの出費になった例も多い。必ずプロショップに交換作業は依頼してもらいたい。
そういった注意点さえクリアすれば、いまもナルディやモモなどアフターパーツのステアリングを楽しむことができる。自分好みのポジションの構築ができれば、運転しやすく疲れにくくなり、もっと楽しくドライブできるようになる。《加茂新》
今や車雑誌を本屋で買うことは希なることなので、こういうクルマ記事はNetで見ることになるのだが、その他一般的なニュース報道や論説などと同様、クルマ関係の記事も低レベルで、およそ世の正義とか正しい啓蒙とはおよそ縁遠い記事が増えた。こういう場合、一々反論を書く時間も熱意もなく、無視するのが通例だが、こと車両の安全に関わる記事は無視もしかねる。
下記に転載した、レスポンスという主に車両情報を車両メーカーにおもねる記事を掲載しているのは、どの自動車メディアにも共通するのだが、本記事は車両のステアリングホイール交換を勧める(と云うと語弊があるが可能と知らしめる)記事だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/99/68c9bbedd93b759cafa262e0ea02af75.jpg)
曰わく、かつては保険会社で「エアバッグ割引」があったので難しい面があったが、今はそれがほぼなくなったと云うのだが、それは当然のことで、現代車でエアバッグが装着されていない車両は100%ないといって過言ではないだろう。それだけ普通の装備となった状況を睨んで保険会社では「エアバック割引」を廃止したのだろう。
このエアバッグ装備だが、一見すると道路運送法の保安基準で装備が規定されているかと云うと、そういう装備基準はない。しかし、各国で行われているNCAP(日本だとJNCAPと云い国交省の天下り団体で運営される)試験において、衝突安全性能が公表されるので、装備していないと他車との安全性に見劣りが明示されてしまい付けない訳には行かないのだ。つまり、前面衝突事故が生じた場合において、乗員の致死率に極めて大きな影響を持つのがエアバッグという装置である。
そんな当然のことを一切記事には触れず、エアバッグなしのステアリングホイールに取り替えることにより、運転姿勢がどうのこうのと論評する記事は、まるで車両乗員の安全性を無視していると感じる次第だ。こんなことは、それなりの車両知識を持つ者には常識的な内容だ。しかし、少なくともそうでない一般読者を対象として記す今回の様な記事には、その取替がもたらすリスクを記すのが、およそ社是としてはクルマ社会の安全を肯定しているはずであろうから、倫理違反記事ではなかろうか。まあ、およそ車両の安全への指命というプロ意識が欠落しているからなのだろうが、残念に感じる記事である。
なお、OEMアフターパーツとしてのステアリングホイールで、エアバッグを装備したものはあり得ない。それは、エアバッグ装置が、多くのパテントにより支配されていることや、その性能要件(容積とか展開時間など)が車両毎に緻密に実験検証された上で採用されているからに他ならない。
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ステアリング交換が再びできる時代に! 周辺パーツの登場でスイッチも移設可能~カスタムHOW TO~
レスポンス 2023年1月9日(月)00時36分
ソースURL:https://response.jp/article/2023/01/07/366038.html?pickup-text-list=2
昔はナルディやモモのステアリングに変えるのがカスタムの初歩的なところだった。しかし現在では、ステアリングスイッチが普及して交換は困難になった。が、対応パーツも出てきているのだ!
◆理想のポジションづくりに欠かせないのがステアリング交換
ドライビングポジションは必ずしも万人にベストになるわけではない。多くの人の最大公約数的な作りとなっていて、イマイチしっくり来ないのも当然のこと。
ステアリングの持ち方にしても手のひらで持つタイプや指で握るタイプなどいくつかのパターンに分かれる。どれが正解というわけではなく、それぞれの個性だ。内股の人やガニ股の人がいたりするのと同じで、どうしなければならないわけではなく、それぞれのやりやすい方法で構わない。それでも大前提としては強く保持すると言うよりは、軽く添えるようにステアリングを持ち、路面からのフィードバックを感じやすい方がよいが、その先の持ち方などはそれぞれなのだ。
同じように体からの距離も、大きく切ったときに腕が伸びないようにしたい人もいれば、ちょうど腕がのびきるくらいが操作しやすい人もいる。それはレーシングドライバーも同じで、好みによってポジションは変わるもの。なので、一般道を走るわれわれが好みのポジションを作るのも当然のことで、その過程でクルマ側の調整範囲だけで収まらないこともあるのだ。そんなときにオススメしたいのがステアリング交換だ。
◆ステアリングを換える意味はどこにあるの?
まず、ステアリング自体の位置を変えることができる。多くの場合いくらか手前に持ってくることで、腕に余裕ができ、背もたれをもっと寝かせることができる。ステアリングだけでそういった選択肢も出てくるのだ。
さらに直径を小さくすればクイックなハンドリングに感じられるし、大きくすれば落ち着きを持ったハンドリングにできる。太さも重要で、握った時の感触が変わる。手の大きさよりは、その握り方によって好みが変わる傾向にあり、手のひらで握りたいタイプは細めが好きなど、ある程度傾向が見られる。そういったステアリングに変更できるのだ。
これまでステアリング交換のハードルとなっていたのは、自動車保険のエアバッグ特約だった。ステアリングを交換すると多くの場合で純正エアバッグは取り外すことになる。そうなるとエアバッグ付き車両向けの割引が受けられなくなる。その割引額は数百円とか数千円という金額だったが、わざわざ保険の契約内容を変えることが手間で、ステアリング交換は敬遠されていた。しかし、最近ではほとんど保険会社でエアバッグ特約が廃止されているので、面倒な手続きなどが不要になった。
代わりにステアリング交換に高いハードルが生まれた。それがステアリングスイッチだ。最近では多くのクルマでエアコン、オーディオ、メーター内の設定などがステアリングに付けられたスイッチで操作するタイプになっている。エアコンやオーディオはステアリング以外にもスイッチがあることが多く問題はないが、純正メーター内のディスプレイなどはステアリングスイッチが唯一の操作方法になっていることも多い。そうなるとステアリングスイッチを外して、ステアリングを交換してしまうとせっかくの純正ディスプレイの情報が変更できなくなってしまう。これが大きな問題となり、ステアリング交換は再びしにくくなっていた。
ところが最近ではこのステアリングスイッチを外して移設できるパーツがリリースされ、ステアリングスイッチをなくさなくて済むようになってきたのだ。そうなれば好みのステアリングに交換でき、スイッチ類もそのまま使えるのだ。
注意点は現代のクルマ、とくにアダプティブクルーズコントロール装着車は、ステアリングの位置と速度などが細かく制御されているので、自分で適当に交換すると大変なことになりかねない。あらゆるエラーが点灯したり、ステアリング周辺パーツの交換でかなりの出費になった例も多い。必ずプロショップに交換作業は依頼してもらいたい。
そういった注意点さえクリアすれば、いまもナルディやモモなどアフターパーツのステアリングを楽しむことができる。自分好みのポジションの構築ができれば、運転しやすく疲れにくくなり、もっと楽しくドライブできるようになる。《加茂新》
RESPONSEといえばそこそこポピュラーなサイトだと思っていましたが、ちょっとこの記事は信じられませんね。
"冗談"のつもり? そんなわけないか。