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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

事故車見積論(その1)

2011-02-14 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 未熟者ではあるが、かの昔事故車見積を行い、また後輩達に指導もしてきた者として、勝手な意見となりますが記してみます。
 まず、事故損傷車を観察してから見積作業に入る訳ですが、隠された裏側をどう判断するかに見積の神髄はあるのだと思っています。表面的に見える損傷を、そのまま見積するなら、簡単なものよなのです。そんな中、やたら部品を外したり、分解したりしないと見積は出来ないなど主張する方が居ますが、それは程度問題ですが、分解などする場合であっても極簡易に行える部品を必要最小限に行うべきと考えます。
 では、どうしたら隠された部位の損傷判断ができるのでしょうか。これは、幾ら対象物に近づいて目を凝らしても見えるものではありません。損傷車両から、やや離れ気味みの位置で損傷部位全体を広く観察する、いわゆるマクロ的な観察を行う必用があるのです。これは、「木を見て森を見ず」ということわざがある様に事故車見積に限ったことではないでしょう。まず、森を眺め、どんな感じかを掴んでから、個別の木を見ていくというのがセオリーとなりましょう。
 具体的な話を記してみます。フロントフェンダ先端部は衝突で損傷しているが、フェンダ上面の中央部付近から先が、ボンネットより下がっている傾向が読み取れたとしたら・・・。これは、フロントサイドフレーム(メンバー)が先端で下方に移動していることを想像させます。また、箱断面のサイドフレームに、その様な変位が生じると、その圧縮側つまり下面に圧縮によるシワが生じていることが多いものです。その程度のことを見込み、個別部品の損傷確認に入るのです。
 もう一つ具体例として記してみます。ボンネットと左右のフェンダのチリ(隙間)を観察すれば、フロント骨格の左右振れがある程度把握できます。仮に右方向にサイドフレームが大きく振れ損傷していると判断したとしましょう。この場合、圧縮側となる外側面にシワが出ている可能性があると予想しつつ、個別観察を行うのです。


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1 コメント

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この話は好きになりました、ありがとうございました。 (中古車買取)
2012-06-09 19:22:44
この話は好きになりました、ありがとうございました。
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