今日のこと、旧知の板金工場が現在再販売を目的に修復している事故車に利用したいと、近隣の金属回収業(いわゆる自動車解体業)にフロントガラスの取り外しに行くと云うので、手伝いを兼ねて出掛けたことを書き留めたい。
現代車では、前後とも固定ガラスは、いわゆるボンディング方式(接着式)がほとんどになった。ちょっと昔だと、いわゆるウェザーストリップ方式という、ガラスとボデーの間を溝の付いたゴムで填め込み固定する方式も多くあったが、現在では大幅に減ってしまった。
この理由だが、幾つかあるが、以下の様な理由であろう。
・ガラスとボデーの間の段差を少なくすることで、空気抵抗や風切り音を小さくする。
・ガラスを強固にボデーに固定することで、いわゆるボデー剛性を高める。
・事故の際、ガラスとボデーが強固に固定されていることと、合わせガラスの被貫通性と相まって、乗員の車外放出を防止できる。
・これがもっとも大きな理由だろうが、生産ラインにおける作業を全ロボット化し易く、コスト低減が図れる。
という様なことだろう。しかし、今回の様にガラスを交換のために外したりする際は、ガラス周囲を固定する接着材層をピアノ線などに機材を使用して、ボデーにキズを付けない様に切断しなければならない。しかも、既に何らかの原因で割れているガラスを外すなら、それ程に注意も必要ないが、割れていないガラスを生かして外し、再度再利用したいという場合は、なまじフロントウインドウなどは生板ガラスでしなりに弱く、ムリをすると割損してしまうので、注意深い作業が要求される。
このクルマは、フロントガラスの周囲4辺がモールディングなどを外せば、ガラスとボデーの間に隙間ができたり、側面などは接着層断面が見通すことができるので、まだ作業性は良い方だろう。しかし、もっと新しいクルマとなると、ガラス周囲の下辺以外は、モールディングなどがなく、ガラスとボデーの間は一定の隙間でかなり精度高く装着されている。しかも、急傾斜フロントガラスの採用もあって面積の増したガラスは、その厚みにより鋼板より重くなるから、年々薄板化されつつある。そんなことで、現代車では、取り外し時にガラスが割れ易いとか、ガラス周囲の露出部端部をピアノ線で削り取ってしまい、見栄えが悪化してしまうとか、ガラス内側の黒いセラミックコートにキズを付けてしまうとかで、作業難易度は高まっているのだと感じる。
先にちょっと記した様に、今回車両はそれ程新しい車両でもなく、解体車から外すので、ボデーにキズを付ける気遣いも不要だし、側部も接着層が見通せる構造だから、不慣れな板金業と補佐の拙人でも、それ程の時間も要せず、ガラス4辺の接着層を切り取ることができた。
補記
従来、接着式フロントウインドウの位置決めは、ガラス下部に位置決め用のピース(樹脂)があり、その上にガラスを立てかけ、左右の位置を均等にするという感じで接着位置の固定を行って来た。しかし、近年のガラスを観察すると、ガラス下端にガラスを乗せる位置決めピースはない。この場合は、ガラス左右の上部側に位置決め用のプリントされたガイド線が薄く印刷されており、この線を基準にボデー側の規定位置と合わせることで位置決めを行っている様だ。
現代車では、前後とも固定ガラスは、いわゆるボンディング方式(接着式)がほとんどになった。ちょっと昔だと、いわゆるウェザーストリップ方式という、ガラスとボデーの間を溝の付いたゴムで填め込み固定する方式も多くあったが、現在では大幅に減ってしまった。
この理由だが、幾つかあるが、以下の様な理由であろう。
・ガラスとボデーの間の段差を少なくすることで、空気抵抗や風切り音を小さくする。
・ガラスを強固にボデーに固定することで、いわゆるボデー剛性を高める。
・事故の際、ガラスとボデーが強固に固定されていることと、合わせガラスの被貫通性と相まって、乗員の車外放出を防止できる。
・これがもっとも大きな理由だろうが、生産ラインにおける作業を全ロボット化し易く、コスト低減が図れる。
という様なことだろう。しかし、今回の様にガラスを交換のために外したりする際は、ガラス周囲を固定する接着材層をピアノ線などに機材を使用して、ボデーにキズを付けない様に切断しなければならない。しかも、既に何らかの原因で割れているガラスを外すなら、それ程に注意も必要ないが、割れていないガラスを生かして外し、再度再利用したいという場合は、なまじフロントウインドウなどは生板ガラスでしなりに弱く、ムリをすると割損してしまうので、注意深い作業が要求される。
このクルマは、フロントガラスの周囲4辺がモールディングなどを外せば、ガラスとボデーの間に隙間ができたり、側面などは接着層断面が見通すことができるので、まだ作業性は良い方だろう。しかし、もっと新しいクルマとなると、ガラス周囲の下辺以外は、モールディングなどがなく、ガラスとボデーの間は一定の隙間でかなり精度高く装着されている。しかも、急傾斜フロントガラスの採用もあって面積の増したガラスは、その厚みにより鋼板より重くなるから、年々薄板化されつつある。そんなことで、現代車では、取り外し時にガラスが割れ易いとか、ガラス周囲の露出部端部をピアノ線で削り取ってしまい、見栄えが悪化してしまうとか、ガラス内側の黒いセラミックコートにキズを付けてしまうとかで、作業難易度は高まっているのだと感じる。
先にちょっと記した様に、今回車両はそれ程新しい車両でもなく、解体車から外すので、ボデーにキズを付ける気遣いも不要だし、側部も接着層が見通せる構造だから、不慣れな板金業と補佐の拙人でも、それ程の時間も要せず、ガラス4辺の接着層を切り取ることができた。
補記
従来、接着式フロントウインドウの位置決めは、ガラス下部に位置決め用のピース(樹脂)があり、その上にガラスを立てかけ、左右の位置を均等にするという感じで接着位置の固定を行って来た。しかし、近年のガラスを観察すると、ガラス下端にガラスを乗せる位置決めピースはない。この場合は、ガラス左右の上部側に位置決め用のプリントされたガイド線が薄く印刷されており、この線を基準にボデー側の規定位置と合わせることで位置決めを行っている様だ。