今朝Net記事で見たのだが、未だ全国の店頭でほとんど在庫がないマスクが大量にある地域(都内新宿区の大久保通り)があるという。ないないといわれる物品がある、物品偏在の不思議を伝える報だ。
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品薄のマスクが東京・新宿区の雑貨店に山積みされている理由 〈週刊朝日〉
4/23(木) 8:00配信 AERA dot.
韓国レストランや韓流ショップが軒を連ねる都内新宿区の大久保通り。先日、通りを歩いていて、思わず足を止める光景が目に入ってきた。
コスメやアクセサリーショップ、雑貨店の店頭に、なぜかマスクが山積みにされているのだ。
そのうちの一軒に入ると、満面の笑みで店員が対応してくれた。
「1箱50枚入りで税込み3800円ですよ。中国製ですが、3層構造のフィルターを織り込んだ不織布マスクです。個数制限は特にありません。1日当たり300~400箱は売れています。本来、マスクパックをメインにした韓国コスメの専門店ですが、今では売り上げのほとんどが(普通の)マスクですね」
新型コロナの影響で、全国のスーパー、ドラッグストアの店頭からマスクが消えて約3カ月。今もなお、マスク不足は続いている。
それなのに、JR新宿駅からわずか1駅隣の新大久保駅周辺では、全く状況が異なる。
通り沿いにあるドン・キホーテ新大久保駅前店では、店頭でマスクの在庫状況を掲示しており、ガーゼマスク以外の使い捨てマスク、布マスク、ウレタンマスクを店頭と店内の2カ所で販売しているという。
「仕入れ先は企業秘密ですが、医薬品部門、大工部門など、それぞれの部門のバイヤーがルートを開拓しています。うちは24時間営業なので、入庫次第、順次店頭に並べるようにしています」(同店担当のエリアマネジャー)
記者が訪れた時は、5枚入りポリウレタンマスク(1袋798円=税別)など3種類が、段ボール箱からあふれ出るようにして売られていた。
新大久保駅近くのレンタルスペースで、4種類のマスクを販売していたのは、日本に来て6年目になるバングラデシュ人のシャミム・エムディさん(32)。50枚入りで1箱3500円から4千円と、通販サイトにアップされている同じ製品より3割前後安い。
「これは中国の業者から直接仕入れています。1月に花粉症シーズンに向けて大量に仕入れたマスクが2月中旬に売り切れてしまい、ようやく3月下旬に新たに入荷したんです」
エムディさんは、都内板橋区の商店街で、洋服と雑貨ショップを経営し、レンタルスペースにも店を出し、マスクを販売してきた。
エムディさんには、2月以来連日続くドラッグストアの開店前の行列は異常に見えた。
「あれではコロナの防止にはなっていませんよ。『ここにくれば、もう並ばなくていい』って、おばあちゃん、おじいちゃんたちが、すごく喜んでくれたんです」
通販より低価格で売っているのはなぜかと尋ねると、滑らかな日本語で話した。
「私が開業して3年になるのですが、これまで日本人にはとてもお世話になりました。だから、安く販売してるのはその恩返しなんです」
ところで、どうして大久保の韓流ショップがマスクを大量に販売できるのだろうか?
別の雑貨店の店長はこう解説する。
「アクセサリーや雑貨のほとんどは中国製です。それで、それぞれの店が中国に強い商社にツテがあるからじゃないでしょうか。なかには直接、中国のメーカーと取引している店もあるそうです。当店も4月第2週に入荷があり、それからは切らしていません」
一方、「中国から横浜港に到着するコンテナに、マスクや医療品が目立つようになってきた」と証言する港湾関係者もいる。
「主に上海(シャンハイ)からの船ですね。4月初旬から毎日、10本以上来てますよ」
ある大手運送会社のトレーラーの運転手は4月上旬、マスクを満載した40フィート(約12メートル)のコンテナを2日連続で運んだ。
「青梅市(東京都)内のデバン場(コンテナヤード)から、さいたま市郊外の倉庫まで運びました。そこで4トントラックなどに積み替えられて、問屋などに運ばれるようです」(前出の港湾関係者)
40フィートコンテナの容積は約67・5立方メートル。例えば、冒頭で紹介した店が販売していた、マスク50枚入りの箱が80個入る段ボール箱(52センチ×29センチ×62センチ)を詰め込んだとすると、1コンテナに少なくとも600箱は入る計算だ。マスクの枚数にして計240万。
すべてではないにしろ、大量にマスクを積んだコンテナが連日、横浜港だけで10以上入ってくるのだ。
前出のエムディさんは、需要のピークは過ぎたとみている。
「不足するのは今月いっぱいじゃないでしょうか。私は今ある在庫を売り切ったら、しばらく仕入れるつもりはありません」
ようやく配布が始まったアベノマスクは総額446億円。時期を逸した上に不良品も相次いでいる。壮大な無駄遣いにならないことを願いたい。(高鍬真之)
※週刊朝日オンライン限定記事
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品薄のマスクが東京・新宿区の雑貨店に山積みされている理由 〈週刊朝日〉
4/23(木) 8:00配信 AERA dot.
韓国レストランや韓流ショップが軒を連ねる都内新宿区の大久保通り。先日、通りを歩いていて、思わず足を止める光景が目に入ってきた。
コスメやアクセサリーショップ、雑貨店の店頭に、なぜかマスクが山積みにされているのだ。
そのうちの一軒に入ると、満面の笑みで店員が対応してくれた。
「1箱50枚入りで税込み3800円ですよ。中国製ですが、3層構造のフィルターを織り込んだ不織布マスクです。個数制限は特にありません。1日当たり300~400箱は売れています。本来、マスクパックをメインにした韓国コスメの専門店ですが、今では売り上げのほとんどが(普通の)マスクですね」
新型コロナの影響で、全国のスーパー、ドラッグストアの店頭からマスクが消えて約3カ月。今もなお、マスク不足は続いている。
それなのに、JR新宿駅からわずか1駅隣の新大久保駅周辺では、全く状況が異なる。
通り沿いにあるドン・キホーテ新大久保駅前店では、店頭でマスクの在庫状況を掲示しており、ガーゼマスク以外の使い捨てマスク、布マスク、ウレタンマスクを店頭と店内の2カ所で販売しているという。
「仕入れ先は企業秘密ですが、医薬品部門、大工部門など、それぞれの部門のバイヤーがルートを開拓しています。うちは24時間営業なので、入庫次第、順次店頭に並べるようにしています」(同店担当のエリアマネジャー)
記者が訪れた時は、5枚入りポリウレタンマスク(1袋798円=税別)など3種類が、段ボール箱からあふれ出るようにして売られていた。
新大久保駅近くのレンタルスペースで、4種類のマスクを販売していたのは、日本に来て6年目になるバングラデシュ人のシャミム・エムディさん(32)。50枚入りで1箱3500円から4千円と、通販サイトにアップされている同じ製品より3割前後安い。
「これは中国の業者から直接仕入れています。1月に花粉症シーズンに向けて大量に仕入れたマスクが2月中旬に売り切れてしまい、ようやく3月下旬に新たに入荷したんです」
エムディさんは、都内板橋区の商店街で、洋服と雑貨ショップを経営し、レンタルスペースにも店を出し、マスクを販売してきた。
エムディさんには、2月以来連日続くドラッグストアの開店前の行列は異常に見えた。
「あれではコロナの防止にはなっていませんよ。『ここにくれば、もう並ばなくていい』って、おばあちゃん、おじいちゃんたちが、すごく喜んでくれたんです」
通販より低価格で売っているのはなぜかと尋ねると、滑らかな日本語で話した。
「私が開業して3年になるのですが、これまで日本人にはとてもお世話になりました。だから、安く販売してるのはその恩返しなんです」
ところで、どうして大久保の韓流ショップがマスクを大量に販売できるのだろうか?
別の雑貨店の店長はこう解説する。
「アクセサリーや雑貨のほとんどは中国製です。それで、それぞれの店が中国に強い商社にツテがあるからじゃないでしょうか。なかには直接、中国のメーカーと取引している店もあるそうです。当店も4月第2週に入荷があり、それからは切らしていません」
一方、「中国から横浜港に到着するコンテナに、マスクや医療品が目立つようになってきた」と証言する港湾関係者もいる。
「主に上海(シャンハイ)からの船ですね。4月初旬から毎日、10本以上来てますよ」
ある大手運送会社のトレーラーの運転手は4月上旬、マスクを満載した40フィート(約12メートル)のコンテナを2日連続で運んだ。
「青梅市(東京都)内のデバン場(コンテナヤード)から、さいたま市郊外の倉庫まで運びました。そこで4トントラックなどに積み替えられて、問屋などに運ばれるようです」(前出の港湾関係者)
40フィートコンテナの容積は約67・5立方メートル。例えば、冒頭で紹介した店が販売していた、マスク50枚入りの箱が80個入る段ボール箱(52センチ×29センチ×62センチ)を詰め込んだとすると、1コンテナに少なくとも600箱は入る計算だ。マスクの枚数にして計240万。
すべてではないにしろ、大量にマスクを積んだコンテナが連日、横浜港だけで10以上入ってくるのだ。
前出のエムディさんは、需要のピークは過ぎたとみている。
「不足するのは今月いっぱいじゃないでしょうか。私は今ある在庫を売り切ったら、しばらく仕入れるつもりはありません」
ようやく配布が始まったアベノマスクは総額446億円。時期を逸した上に不良品も相次いでいる。壮大な無駄遣いにならないことを願いたい。(高鍬真之)
※週刊朝日オンライン限定記事