これは係るマイクロバス(ローザ)のスイングドア式オートドアの修理記録として書き留めたい。
1.ドア開閉不能に至る当初の現象
そもそも当初、ドア閉時に走行すると、アクセルをロックする機構が時々働いてしまい、正常にドアは閉まっているにも関わらずアクセルが踏み込めなくなるという現象が生じるとの報を受けた。なお、この報を聞き取り、現象を再確認のため実走したところ、確かにアクセルロックの現象が確認できると共に、その際にドアモーター付近から、「カチ、カチ」というリレーの動作音らしき音が連続的に生じていることが判った。そこで原因追及もそこそこに、該当のアクセルロックアクチュエーターのソケットを外しても、ドアの開閉動作に支障がないことを確認の上で、暫定的に利用し続けることとした。
2.ドア動作不能に至る経緯
それから、一月あまり利用する中で、リレーの断続音は時々続いていたのだが、極めて多頻度に連続して断続音が出るとの報がなされるに至った。当該ドアモーター付近に付く、ドアコントロール基板を取り外し、基板実装部品および基板のハンダ割れなどがないことを確認した。現象から、基板上に3つ付くリレーの何れかが悪いものと見込みを付け、応急的にΦ1mm程の小径ドリルで、総てのリレー角に2カ所の穴を開け、そこに接点復活材を注入しエアブローして、再度動作を行ってみた。
この結果はさらに悪くなり、ドアの開動作が不能となってしまった。しかし、動作をよくよく調べてみると、予めドアロックを手動で外し僅かに開いておくと、ドアの開および閉動作共に動くことが判った。すなわち、ドア開動作で最初に行われるべきドアロックの開放動作ができないということが判ったのだった。
ということで、ドアの開閉を行うモーターなどに異状はなく、基板上の3つのリレーの内、どれかが悪いと見込みを付けるところとなった。
3.基板修理(リレー交換)への取り組み
このローザのオートドアだが、トーシンテックという企業が製造し、メーカー純正として採用されていることがNet探索で判った。付き合いのある整備工場経由で、オートドアAssyで約65万円、該当のコントロール回路部が驚くことに20万円だということを知る。Netで調べ、トーシンテックに修理相談を行うが、にべもなく断られてしまった。
愚人として思うに、修理工場の立場として、「これ替えなくちゃ直らない」という回答とならざるを得ないのは理解するところだが、こんなさもない汎用素子だけを使った回路基板が20万円の価格設定とは、アホくさくて購入する意欲は湧かない。ということで、基板上で使われている3つのリレー(内2つは同型式)のパーツ探しから行うことにした。
なお、修理完了後に気付いたのだが、同制御基板の品番をNet検索すると、ebayに同型部品が$1,200(つまり約¥12万円+送料他要す)で出品されていた。リレー表示の型番をNet検索すると、3つのリレーは何れも富士通の製品の様で、同型式が2つ並列に使われている「57ND24-N」は¥3,800(2ヶ合計送料共)で入手ができた。ところが、黒い一回り大きな「FRL-274ND024/51CS」と云うのが既に生産中止され月日を経ている様で入手ができない。そこで、コイル電圧、接点回路(トランファー型)、接点容量(30A)の要素を勘案し、代替えできるリレーを探すことにした。ちなみ候補となるリレーのデータシートを見比べて、候補を3つに絞り発注するが、未だ1つは納期が長く来ていない。到着した2つのリレーの外形やデータシートを改めて見比べ、オムロン「G2RL-1-E」というのが、接点容量15Aだが2回路2接点を持っており並列にすることで30Aを確保できるとして、これを代用することとした。なお、プリント基板への実装は、足の寸法がまるで違うので、上下反転させ、基板からリード線を引き出し配線処理を行い組み上げた。
と以上の様な、一般の修理工場ならまずやらない修理を経て、車上に組み付け動作テストしたが、まったく問題なく動作することが確認できた。3つのリレーの入手実費は8千円止まりだろう。リレーの組み替えなど、実工数は3時間というところか。ただし、Netでのデータ収集や各種データシートの比較検討などの時間は含んでいない。
追記
この様なさもないパーツが20万円というのも、数を多く作っていない部品に特有の現象だろう。もっと高度な回路だとか、素材原価としては銅やアルミなど高価な金属をズッシリ使ったスターターモーターとかオールタネーターが、これ程高価な部品でないことも、その様な要因からだろう。また、輸入車などで、バカらしい程の新品価格に呆れて中古を探す機会は幾らもあるが、このオートドアは更にレアらしく中古の出物がない。
1.ドア開閉不能に至る当初の現象
そもそも当初、ドア閉時に走行すると、アクセルをロックする機構が時々働いてしまい、正常にドアは閉まっているにも関わらずアクセルが踏み込めなくなるという現象が生じるとの報を受けた。なお、この報を聞き取り、現象を再確認のため実走したところ、確かにアクセルロックの現象が確認できると共に、その際にドアモーター付近から、「カチ、カチ」というリレーの動作音らしき音が連続的に生じていることが判った。そこで原因追及もそこそこに、該当のアクセルロックアクチュエーターのソケットを外しても、ドアの開閉動作に支障がないことを確認の上で、暫定的に利用し続けることとした。
2.ドア動作不能に至る経緯
それから、一月あまり利用する中で、リレーの断続音は時々続いていたのだが、極めて多頻度に連続して断続音が出るとの報がなされるに至った。当該ドアモーター付近に付く、ドアコントロール基板を取り外し、基板実装部品および基板のハンダ割れなどがないことを確認した。現象から、基板上に3つ付くリレーの何れかが悪いものと見込みを付け、応急的にΦ1mm程の小径ドリルで、総てのリレー角に2カ所の穴を開け、そこに接点復活材を注入しエアブローして、再度動作を行ってみた。
この結果はさらに悪くなり、ドアの開動作が不能となってしまった。しかし、動作をよくよく調べてみると、予めドアロックを手動で外し僅かに開いておくと、ドアの開および閉動作共に動くことが判った。すなわち、ドア開動作で最初に行われるべきドアロックの開放動作ができないということが判ったのだった。
ということで、ドアの開閉を行うモーターなどに異状はなく、基板上の3つのリレーの内、どれかが悪いと見込みを付けるところとなった。
3.基板修理(リレー交換)への取り組み
このローザのオートドアだが、トーシンテックという企業が製造し、メーカー純正として採用されていることがNet探索で判った。付き合いのある整備工場経由で、オートドアAssyで約65万円、該当のコントロール回路部が驚くことに20万円だということを知る。Netで調べ、トーシンテックに修理相談を行うが、にべもなく断られてしまった。
愚人として思うに、修理工場の立場として、「これ替えなくちゃ直らない」という回答とならざるを得ないのは理解するところだが、こんなさもない汎用素子だけを使った回路基板が20万円の価格設定とは、アホくさくて購入する意欲は湧かない。ということで、基板上で使われている3つのリレー(内2つは同型式)のパーツ探しから行うことにした。
なお、修理完了後に気付いたのだが、同制御基板の品番をNet検索すると、ebayに同型部品が$1,200(つまり約¥12万円+送料他要す)で出品されていた。リレー表示の型番をNet検索すると、3つのリレーは何れも富士通の製品の様で、同型式が2つ並列に使われている「57ND24-N」は¥3,800(2ヶ合計送料共)で入手ができた。ところが、黒い一回り大きな「FRL-274ND024/51CS」と云うのが既に生産中止され月日を経ている様で入手ができない。そこで、コイル電圧、接点回路(トランファー型)、接点容量(30A)の要素を勘案し、代替えできるリレーを探すことにした。ちなみ候補となるリレーのデータシートを見比べて、候補を3つに絞り発注するが、未だ1つは納期が長く来ていない。到着した2つのリレーの外形やデータシートを改めて見比べ、オムロン「G2RL-1-E」というのが、接点容量15Aだが2回路2接点を持っており並列にすることで30Aを確保できるとして、これを代用することとした。なお、プリント基板への実装は、足の寸法がまるで違うので、上下反転させ、基板からリード線を引き出し配線処理を行い組み上げた。
と以上の様な、一般の修理工場ならまずやらない修理を経て、車上に組み付け動作テストしたが、まったく問題なく動作することが確認できた。3つのリレーの入手実費は8千円止まりだろう。リレーの組み替えなど、実工数は3時間というところか。ただし、Netでのデータ収集や各種データシートの比較検討などの時間は含んでいない。
追記
この様なさもないパーツが20万円というのも、数を多く作っていない部品に特有の現象だろう。もっと高度な回路だとか、素材原価としては銅やアルミなど高価な金属をズッシリ使ったスターターモーターとかオールタネーターが、これ程高価な部品でないことも、その様な要因からだろう。また、輸入車などで、バカらしい程の新品価格に呆れて中古を探す機会は幾らもあるが、このオートドアは更にレアらしく中古の出物がない。
私どもの会社でもローザの自動ドア不具合でお手上げ状態です。オーストラリアのモジュール修理会社に依頼するか等々万策がつきかけています。
同様の修理経験あります。
直した事あります