つい先日の早朝のこと、関わるホテル駐車場において、日野セレガ(Jバス)のかなり新しい車両を見る機会があったので、ぐるり一周の簡易な構造研究をしてみた。Jバスは2005年(13年前)から、日野といすゞが共同でバス製造を行っており、いわゆる観光系は小松工場(石川県・元日野車体)で、路線系は宇都宮工場(栃木県・元IKコーチ)で行っているそうだ。
さて、今回眺めた部位の写真は実際の写真およびNetで拾った写真を見てもらいたいが、総体として感じたことを以下に列記してみたい。
①今回の各リッド類を開いての観察は、各リッドのロックリリースノブを押し込むだけの簡易な操作で行えるが、これでは昨今の対テロ防止の観点からどうなのだろうかと感じるところではある。これでは、例えば治安の乱れた地域へちょっと停止している間に、バッテリーが盗まれたりしそうだ。また、今の時代、何らかの愉快犯が故意的にエンジンルーム内部に容易にアクセスできることで、重大事故を誘発させるべき加工が容易に出来てしまうということすら想定できる。ことが、多人数が乗車し、しかも大きく重い車体で加害性が大きいという点を鑑みれば、その様な設計思想で作られていること自体が信じがたいという感を持つのだが・・・。
②燃料タンクは左右2つで、それぞれ前輪前に位置している。しかも、タンクをガードする骨格はないに等しい貧弱なものだ。揮発性の低い軽油だとは云え、これでは対乗用車とのオフセット衝突などにおいて、容易にタンクは損壊するだろう。
③ラジエータおよびインタークーラーは左後部に縦に配置される。これは、昔のエンジンルーム内に横配置より、より大面積の熱交換器が装着可能という理由によるのだろう。同じくふそうの現行型観光バスも同じ縦配列だ。なお、この縦配列の場合、クーリングファン軸とエンジン駆動軸が90度ずれる訳だが、Jバスの場合は油圧式クーリングファン駆動としている様だ。これは、過去にセルシオ初代(レクサスは電動ファン)に採用されていたのと類似の機構だろう。なお、ふそうの最新型(ダイムラーエンジン)ではベベルギヤBOXで角度変更を行っている様だ。
④右後部に寒冷時に使用するプレヒーター(冷却水温を早期に温める軽油ファンヒーター)が装着されるが、その排気管の造作は素人細工だ。しかも、排気口は垂直で路面とのクリアランスは20cmという設計だ。これでは、停車時の作動において、アスファルトでさえ溶損するのはないだろうか。枯れ草であれば、あっという間に火災が生じるだろう。
⑤エンジンルームの補機類は、オルタネータが大小2ケ、直動クーラーコンプレッサーが同一容量が2ケと配置されている。
⑥エンジン本体のベルト廻りのメンテは、まあやり易いと思えるし、昔の様に各プーリー間のスパンが長大でなく、ベルトの振れから生じる耐久性上も問題点は少なそうに見える。
⑦エンジン右側面(インテーク側)のメンテはサイドリッドからアクセスし易い様だ。オイルエレメント2連およびフューエルエレメントなどだ。なお、エンジンECUはブロック直付けであり、この様な構造はトラックでも過去から多いが、最大で200℃程度までの保証が出来るということなのだろう。なお、エンジン左側面の排気系(ターボ&エキゾーストシャッターなど)は、インタークーラーとラジエーターを脱着しないと困難だろう。また、シリンダーヘッドやインジェクター関連の作業は、室内側にもサービスカバーはあるのだろうが、トラックに比べれば相当に困難なことを想像させる。
⑧ラジエータサブタンク、油圧クーリングファンタンク、パワーステアリングタンクなど、昔から樹脂製が使われている訳だが、新車時はある程度の透明度があり内容量が目視できるのだが、経年すると黄変し透明度が低下し内容量が判別できないという問題がある。こんなことはメーカーは当然において知っているだろうが、なんら改善しようとしない姿勢は如何なものだろう。例えば金属タンクだとか黒色樹脂タンクでも、キャップ部にレベルゲージを付けるとか方法は幾らでもあろと感じるのだが・・・。
⑨エアコンのコンデンサーおよびエバプレーターは前部ルーフ上に搭載されているが、エアコン関係は、Jバスでは当然においてデンソー製だろう。これがため、2017年6月に生じた対向乗用車が中央分離帯を乗り越え飛翔し衝突したJバスの前部損傷事故において大事にならなかった事故であるが、ルーフ前部の強度が比較的大きかったという副次的効果があったのかもしれない。なお、昨今はマイクロバス(コースター、シビリアン、ローザ)においても、エバポレータは前部ルーフ下に付いているクルマが多い。
⑩サスペンションだが、前輪は従来同様のウィッシュボーン独立式だが、大型バスでは上下アームを結合するリンクから外側に腕が出て、そこにキングピン転舵軸が付く構造となる。従ってアーム長が短くなりがちなのを防ぐため、ロワアーム内側ピボットがかなりセンター寄りに設定される。なお、エアバネ近くの補助タンクは、連通もしくは非連通によりバネ常数を可変化させる機構であろう。後輪は、トラックでも多い4バック式で、アッパーにVロッドを介してりアクスル位置を固定している。
さて、今回眺めた部位の写真は実際の写真およびNetで拾った写真を見てもらいたいが、総体として感じたことを以下に列記してみたい。
①今回の各リッド類を開いての観察は、各リッドのロックリリースノブを押し込むだけの簡易な操作で行えるが、これでは昨今の対テロ防止の観点からどうなのだろうかと感じるところではある。これでは、例えば治安の乱れた地域へちょっと停止している間に、バッテリーが盗まれたりしそうだ。また、今の時代、何らかの愉快犯が故意的にエンジンルーム内部に容易にアクセスできることで、重大事故を誘発させるべき加工が容易に出来てしまうということすら想定できる。ことが、多人数が乗車し、しかも大きく重い車体で加害性が大きいという点を鑑みれば、その様な設計思想で作られていること自体が信じがたいという感を持つのだが・・・。
②燃料タンクは左右2つで、それぞれ前輪前に位置している。しかも、タンクをガードする骨格はないに等しい貧弱なものだ。揮発性の低い軽油だとは云え、これでは対乗用車とのオフセット衝突などにおいて、容易にタンクは損壊するだろう。
③ラジエータおよびインタークーラーは左後部に縦に配置される。これは、昔のエンジンルーム内に横配置より、より大面積の熱交換器が装着可能という理由によるのだろう。同じくふそうの現行型観光バスも同じ縦配列だ。なお、この縦配列の場合、クーリングファン軸とエンジン駆動軸が90度ずれる訳だが、Jバスの場合は油圧式クーリングファン駆動としている様だ。これは、過去にセルシオ初代(レクサスは電動ファン)に採用されていたのと類似の機構だろう。なお、ふそうの最新型(ダイムラーエンジン)ではベベルギヤBOXで角度変更を行っている様だ。
④右後部に寒冷時に使用するプレヒーター(冷却水温を早期に温める軽油ファンヒーター)が装着されるが、その排気管の造作は素人細工だ。しかも、排気口は垂直で路面とのクリアランスは20cmという設計だ。これでは、停車時の作動において、アスファルトでさえ溶損するのはないだろうか。枯れ草であれば、あっという間に火災が生じるだろう。
⑤エンジンルームの補機類は、オルタネータが大小2ケ、直動クーラーコンプレッサーが同一容量が2ケと配置されている。
⑥エンジン本体のベルト廻りのメンテは、まあやり易いと思えるし、昔の様に各プーリー間のスパンが長大でなく、ベルトの振れから生じる耐久性上も問題点は少なそうに見える。
⑦エンジン右側面(インテーク側)のメンテはサイドリッドからアクセスし易い様だ。オイルエレメント2連およびフューエルエレメントなどだ。なお、エンジンECUはブロック直付けであり、この様な構造はトラックでも過去から多いが、最大で200℃程度までの保証が出来るということなのだろう。なお、エンジン左側面の排気系(ターボ&エキゾーストシャッターなど)は、インタークーラーとラジエーターを脱着しないと困難だろう。また、シリンダーヘッドやインジェクター関連の作業は、室内側にもサービスカバーはあるのだろうが、トラックに比べれば相当に困難なことを想像させる。
⑧ラジエータサブタンク、油圧クーリングファンタンク、パワーステアリングタンクなど、昔から樹脂製が使われている訳だが、新車時はある程度の透明度があり内容量が目視できるのだが、経年すると黄変し透明度が低下し内容量が判別できないという問題がある。こんなことはメーカーは当然において知っているだろうが、なんら改善しようとしない姿勢は如何なものだろう。例えば金属タンクだとか黒色樹脂タンクでも、キャップ部にレベルゲージを付けるとか方法は幾らでもあろと感じるのだが・・・。
⑨エアコンのコンデンサーおよびエバプレーターは前部ルーフ上に搭載されているが、エアコン関係は、Jバスでは当然においてデンソー製だろう。これがため、2017年6月に生じた対向乗用車が中央分離帯を乗り越え飛翔し衝突したJバスの前部損傷事故において大事にならなかった事故であるが、ルーフ前部の強度が比較的大きかったという副次的効果があったのかもしれない。なお、昨今はマイクロバス(コースター、シビリアン、ローザ)においても、エバポレータは前部ルーフ下に付いているクルマが多い。
⑩サスペンションだが、前輪は従来同様のウィッシュボーン独立式だが、大型バスでは上下アームを結合するリンクから外側に腕が出て、そこにキングピン転舵軸が付く構造となる。従ってアーム長が短くなりがちなのを防ぐため、ロワアーム内側ピボットがかなりセンター寄りに設定される。なお、エアバネ近くの補助タンクは、連通もしくは非連通によりバネ常数を可変化させる機構であろう。後輪は、トラックでも多い4バック式で、アッパーにVロッドを介してりアクスル位置を固定している。