過日、下記のフェリー火災事故の件だが、種々気になるのでNet経由で情報を集め整理してみた。
1.フェリー火災事故の概要
H27年7月31日17時頃、旅客フェリー「さんふらわあ だいせつ」(全長190m・11400トン)の第2甲板の積み込み車両から出火した。乗り組み員が消火活動を行ったものの延焼し、そのため同18時30分頃、船長による総員退船命令で旅客および乗組員は救助された。しかし、二等航海士1名が行方不明となり、後日死亡が確認された。
その後、同船は函館港に曳航され、炭酸ガス注入により8月10日に鎮火が確認された。なお、同船は函館造船所にて修復作業を行い、H28年2月3日より再就航している。
2.所轄官庁の調査
船舶火災を含む海難事故の捜査は海上保安庁(国土交通省の外局)の所轄であろうが、国土交通省との兼ね合いもあるのだと想像するが、門外漢には理解不足のところである。なお、本件火災事故の原因究明については運輸安全委員会(これも国土交通省の外局)で行われ報告書が作成されている。
船舶事故調査の経過報告について(運輸安全委員会)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2016/keika20160929-0_2015tk0005.pdf
同報告書によると、火災原因の特定については科学警察研究所法科学第二部火災研究室長渡邉憲道を専門委員に任命し行ったとある。原因はフェリーに積まれた冷凍貨物車の冷凍機(写真から判断するに、サブエンジン式かつ外部電源対応(スタンバイユニット)付きのもので、形状などより三菱重工製TU73E類似型と判断)に発火原因が特定できるとしている。すなわち、外部電源駆動の三相200V交流モーターの配線3本に短絡した痕跡、配線を切断後によじり合わせて結線された箇所と断線している箇所が認められたとしている。
3.最近のニュース報道から
各報道機関では、今回の船舶火災について、捜査機関である海上保安庁は、以下の通り結論付け、業務上失火として書類送検(検察庁へ送ることを指し起訴するかどうかは検察の判断となる)したとしている。
本県火災の4年5ヶ月前に冷凍機のモーターを取り替える修理を行った際に、モーターの結線をよじり合わせて結合した部位が発熱発火したと結論付けた。発火トラックを整備した北海道森町(道南)の整備工場勤務の52才男性が発火原因を作ったとするとの表現だ。※報道機関によるが52才男性を実名報道しているところもある。
※参考ニュース報道
危険な"ねじり接続"放置…トラック整備担当52歳男を書類送検 2015年苫小牧沖フェリー火災 北海道 (18/07/25 19:42)
https://www.youtube.com/watch?v=Buw5gaFEngM
4.私の感じる疑問
確かに配線をよじり合わせる様な結線を行えば、大電流通電時の通電抵抗過大からジュール熱が生じ発火の要因になるだろうことは理解できる。普通なら、圧着スリーブで圧接するとか半田で確実なろう付けするとか行うのが常識だろう。しかし、仮に原因はその通りとしても、以下の様な点を疑問として持つのだが・・・。
①モーター交換から4年を超えて使用し発火していること、その間に何ら他の整備関係者の手が入っていないと証明できたのだろうか?
②報道では発火の危険を知りながら長年放置した・・・とも記されるが、その発火トラックは同整備工場もしくは送検の52才男性が専任者として契約でもしていたのであろうか?
③先の事項とも関連するが、何故に整備工場勤務の(たぶん該当修理を担当した)整備士個人の刑事責任を問うているのだろうか? 報道からも明かな様に、整備工場に勤務するとあるから、法人もしくは個人事業主としての責任者の責がどうして問われぬのか?
※本件について、当初私は整備施工はディーラーでなされ、内注たる個人事業主の整備士個人なのかとも想像してみたが、一般整備工場の様である。
④発火トラックは営業ナンバーだろうと思うが、整備管理者の選任が必要になるはずだろう。その者の責任はどうなったのだろうか?
追記
今回の刑事事件の書類送致であるが、送致先は検察庁(検事)宛てである。そこで検事が起訴(裁判に掛けること)するかどうかを決めることなる。刑事事件の起訴については我が国では原則として検事のみが可能なのだ。(起訴独占主義)なお、起訴された場合、99.9%が有罪になっているという信じがたい有罪率を誇っているのが我が国の実態だ。検事が優秀なのか裁判官や弁護士がボンクラなのか馴れ合っているのか判らないが異状な実態にあり、これでは裁判官は不要とすら思えてしまいかねない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/00/cbfaa2be7105122b3b87b6caee90f653.jpg)
1.フェリー火災事故の概要
H27年7月31日17時頃、旅客フェリー「さんふらわあ だいせつ」(全長190m・11400トン)の第2甲板の積み込み車両から出火した。乗り組み員が消火活動を行ったものの延焼し、そのため同18時30分頃、船長による総員退船命令で旅客および乗組員は救助された。しかし、二等航海士1名が行方不明となり、後日死亡が確認された。
その後、同船は函館港に曳航され、炭酸ガス注入により8月10日に鎮火が確認された。なお、同船は函館造船所にて修復作業を行い、H28年2月3日より再就航している。
2.所轄官庁の調査
船舶火災を含む海難事故の捜査は海上保安庁(国土交通省の外局)の所轄であろうが、国土交通省との兼ね合いもあるのだと想像するが、門外漢には理解不足のところである。なお、本件火災事故の原因究明については運輸安全委員会(これも国土交通省の外局)で行われ報告書が作成されている。
船舶事故調査の経過報告について(運輸安全委員会)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/rep-acci/2016/keika20160929-0_2015tk0005.pdf
同報告書によると、火災原因の特定については科学警察研究所法科学第二部火災研究室長渡邉憲道を専門委員に任命し行ったとある。原因はフェリーに積まれた冷凍貨物車の冷凍機(写真から判断するに、サブエンジン式かつ外部電源対応(スタンバイユニット)付きのもので、形状などより三菱重工製TU73E類似型と判断)に発火原因が特定できるとしている。すなわち、外部電源駆動の三相200V交流モーターの配線3本に短絡した痕跡、配線を切断後によじり合わせて結線された箇所と断線している箇所が認められたとしている。
3.最近のニュース報道から
各報道機関では、今回の船舶火災について、捜査機関である海上保安庁は、以下の通り結論付け、業務上失火として書類送検(検察庁へ送ることを指し起訴するかどうかは検察の判断となる)したとしている。
本県火災の4年5ヶ月前に冷凍機のモーターを取り替える修理を行った際に、モーターの結線をよじり合わせて結合した部位が発熱発火したと結論付けた。発火トラックを整備した北海道森町(道南)の整備工場勤務の52才男性が発火原因を作ったとするとの表現だ。※報道機関によるが52才男性を実名報道しているところもある。
※参考ニュース報道
危険な"ねじり接続"放置…トラック整備担当52歳男を書類送検 2015年苫小牧沖フェリー火災 北海道 (18/07/25 19:42)
https://www.youtube.com/watch?v=Buw5gaFEngM
4.私の感じる疑問
確かに配線をよじり合わせる様な結線を行えば、大電流通電時の通電抵抗過大からジュール熱が生じ発火の要因になるだろうことは理解できる。普通なら、圧着スリーブで圧接するとか半田で確実なろう付けするとか行うのが常識だろう。しかし、仮に原因はその通りとしても、以下の様な点を疑問として持つのだが・・・。
①モーター交換から4年を超えて使用し発火していること、その間に何ら他の整備関係者の手が入っていないと証明できたのだろうか?
②報道では発火の危険を知りながら長年放置した・・・とも記されるが、その発火トラックは同整備工場もしくは送検の52才男性が専任者として契約でもしていたのであろうか?
③先の事項とも関連するが、何故に整備工場勤務の(たぶん該当修理を担当した)整備士個人の刑事責任を問うているのだろうか? 報道からも明かな様に、整備工場に勤務するとあるから、法人もしくは個人事業主としての責任者の責がどうして問われぬのか?
※本件について、当初私は整備施工はディーラーでなされ、内注たる個人事業主の整備士個人なのかとも想像してみたが、一般整備工場の様である。
④発火トラックは営業ナンバーだろうと思うが、整備管理者の選任が必要になるはずだろう。その者の責任はどうなったのだろうか?
追記
今回の刑事事件の書類送致であるが、送致先は検察庁(検事)宛てである。そこで検事が起訴(裁判に掛けること)するかどうかを決めることなる。刑事事件の起訴については我が国では原則として検事のみが可能なのだ。(起訴独占主義)なお、起訴された場合、99.9%が有罪になっているという信じがたい有罪率を誇っているのが我が国の実態だ。検事が優秀なのか裁判官や弁護士がボンクラなのか馴れ合っているのか判らないが異状な実態にあり、これでは裁判官は不要とすら思えてしまいかねない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/00/cbfaa2be7105122b3b87b6caee90f653.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/18/02b8c60c148a25c89c048a8144a605f7.jpg)
「整備管理者」の実務って、日常点検表の 「可」 に〇を付けて、自分のハンコを押すだけの名ばかり資格。
だから、無くても無くてもいいもの。
実際、車輛故障が発生した時、「じゃあ、工場行ってね」って指示(必要な指示)するのが職務ですし。
原則、自社専属の整備資格者さんが必須なんだけど、ほとんどが委託した整備工場ところへの丸投げだったりします。
それで、酷いところになると、3検あたりになると メクラ判 だったりする可能性があります。
メクラ判 = カネ貰っていないですから、真面目に車 診てもらえないですよね。
自分、一般乗用 の運行管理者やってたんで。
整備管理も持ってました。
うんこちゃん やってる中には、 バッテリーの交換・ヘッドライト(H4)・リアウインカーのレンズ(トランク内の内張りが、力ずくで簡単にはがせるんで、あとボルト5っ外すだけ) の交換もできない程度の者が結構いたりします。その程度です。
ほんと、なくてもなくても いい資格ですね。