私の思いと技術的覚え書き

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カーコーティングの疑念

2018-01-10 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 昨年記したカーコーティングへの疑念についての記事だが、若干内容を見直し再掲してみたい。

 新車ディーラーで納車前に行われたり、使用過程車でワックス掛けが面倒等として施工されることが多いカーコーティングだが、効能通り長期間の有効性があるのかということになると、ちょっと疑念を持つ場合が多いのだ。

 但し、カーコーティングのすべてを否定しようという思いはない。通常のワックス皮膜に比べれば、より長期間の効能があるのは事実だし、コーティング皮膜を形成する前提で行われるブツ取りや磨き処理(この作業に全工程時間の2/3は要すだろう)により、より艶やかな状態になるのは確かなことだろうからだ。

 コーティング作業の概要を示せば、洗車による粗いゴミ落とし、トラップ粘土での塗膜表面の異物除去、コンパウンドとバフ掛けによる塗膜表面の劣化の除去と光沢復活と、ここまでの下地作業で全体の工数の2/3から3/4の作業時間を要するだろうと想像する。この後、コーティング剤の塗り込みと、拭き上げという段取りだ。余程塗膜が傷んでいない前提であれば、バフ掛けなどは必要ないから、トラップ粘土での異物取りと優れたワックスを掛ければ、光沢は同等のものが得られるハズというのが私見だ。それが、通常ワックスより長期間(それでも長くて1年~2年というものだろう)持ちますよというのが、カーコーティングの価値ではないだろうか。

 ところで、トヨタディーラーにおいて施工されるCPCペイントシーラントなるコーティングがあり、5年保証を歌うことなど過去に訴訟ざたにもなったことがあるが、ある意味で詐欺的内容を含んだものと感じる内容だ。つまり、5年の内、年1回の点検を必用(しないと保証は打ち切り)とし、そこでコーティング効果がない部分を再コーティング施工していること。また、保障書が発行されるが、内容を良く見るとバンパー、ミラー、モールなど樹脂部分は保証対象外として除外していることなどだ。それと、コーティング費用について、新車時に施工すれば、バフ掛けなどは不要か極軽度で済むハズだからボッタクリ過ぎと思っている。

 それと、ガラスコーティングを歌いガラス皮膜を作るイメージのものも多いが、8割方はウソと判断している。これは、現実のコーティング屋さんが述べていることである。但し、この世には真実本物のガラス(シリカ)皮膜を作るコーティングがあり、補修塗装などにおいてサンディングしなければ落とせないものがあることも事実だ。

 余程、金銭的に余裕があり、ワックス掛けなどの作業に愛車の手入れを掛けたくないという方は、1年なり2年毎にカーコーティング業者に施工を依頼するのも結構なことだろう。しかし、愛するクルマを隅々まで維持、管理し続けたいという方は、自ら手洗い洗車を含め手間を掛けることが肝要なのかと思う。これは、数ヶ月~半年に一度、塗膜表面をトラップ粘土でこすり異物除去しることでスベスベ塗膜にし、ワックスを塗り込み吹き上げる作業は、この過程においてクルマの外観上の隅々までを隈なく点検することになる。その点検で、チッピングで僅かな塗膜の欠損が生じているや、内部腐植で塗膜が浮き上がって来ている兆候など、様々な問題を発見する機会になるだろう。


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