潜水艦のX舵はバンク旋回できるのか
戦争は意味ない人類の活動として憎むところだが、そこに使用される兵器には知的関心を生み出すものが多い。今回関心を持つのは、比較的新しい潜水艦は後端部に付く舵(ラダー)が、旧来の十字舵でなくX舵となっていることだ。
ここで思うのは、旋回などの場合、2次元の動きをするバイクでは、カーブでその方向の内側へ車体をバンクさせて遠心力とのバランスを取るが、これは3次元の動きを持つ航空機でも同じだ。ただし、航空機の場合は、機体後端部に方向舵を持ち、これで旋回運動をさせるが、合わせてエルロンと呼ぶ主翼に付く舵を左右で逆方向に動かすことで、主翼の揚力差を生み出し機体をバンクさせ旋回時の遠心力とのバランスを生み出している様だ。
また、太平洋戦争の航空戦闘機のパイロットの手記などを読むと、「(横に)滑らせる」という表現があるが、これは並進している別機から見ると、あたかも真横下に流れる様な動きをを表現しているのだろうが、これはエルロンの働きで出来る運動だろう。
なお、自動車とか海上船舶での旋回は、カーブ外側に遠心力に車体もしくは船体が傾くロールというバンクとは逆の動きをする。このことは旧来の十字舵潜水艦でも艦の前方もしくは主塔(セイル)につく潜舵の場合、左右別々の動きをする訳ではないので同様だろうと想像していた。一方、X舵艦では4枚の舵が独立して操舵できると記してあるが、恣意的に艦を傾けるもしくは捻る様な動きを可能にさせている様にも想像した訳なのだ。
それと舵に効きは舵の面積が相当関与するだろうことが想定できるので、4枚の舵を統合制御することで、3次元の動きは機敏さを増すのだろう。ただし、旋回時に内側にバンクするのかを解説したものはとNet検索していたら、以下の様な記述に行き当たった。
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4.>2、3:昔の潜水艦の旋回時の内側への傾斜
これは、かんたんなモーメントの問題です。昔の潜水艦(可潜艦)のラダーはスクリューと同じく、艦の浮力中心よりかなり下側に装備されていますから、ラダーをきると横向きの力がかかり、浮力中心とのズレから内側にバンクするモーメントが働きます。バンク自体はそんなに問題は無いのですが、潜水艦はバンクにともなって艦首を下げて急速に潜っていきますので、油断すると安全深度を超えてしまいかねません。
つまり、同じ滑走艇でも、舵とスクリューが滑走面より下についているモーター・ボートは、旋回時に内側にバンクしますが、プロペラ艇のように滑走面より上に舵がついていれば、通状の排水式の船と同じく、旋回時には外側に傾きます。
8.映画の中で原潜がバンクするのは、たぶん迫力を出すためじゃないでしょうか。
本物の原潜が高速航行時に大きく舵を切るとバンクする現象は「スナップロール」と呼ばれるものです。これは断面が円形の船体と、その上にセイルを載せてるという潜水艦の船体形状が原因です。
右舵を切るとします。船体は船首を右、船尾を左にした姿勢で水中を横滑りし始めます。この時、円形の主船体には回転モーメントは発生しません。しかし、左前方から水流が当たるセイルには右方向の揚力が発生します。結果は右舷側へのローリングです。このようなローリングが起きると、縦舵が水平舵の働きをして船尾を持ち上げ、そうなるとセイルもダイブプレーンとなってさらに船首を下げ、船をディープな所へ持って行くことに相成ります。
ソースURL:http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001661.html
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ということで旧型潜水艦の十字舵でもバンクは起きるが、それだけでは今度は水平舵の影響で艦尾が持ち上がりセイル(主塔)がダイブ舵の働きをしてさらに沈下するということの様だ。これは飛行機でも、エルロンだけの操作でバンクさせると、揚力差でバンクは起きるが、揚力の低い側へどんどん高度を下げる現象が生じるだろうことが想像できる。
こんなことを考えながら、映画「レッドオクトーバー」のことを思い浮かべる。
追尾魚雷に追われ、進路のネプチューンの岩で右旋回するシーンだ。追う魚雷との距離が縮まりつつ前方の岩が近づく。艦長ラミウスは旋回予定地点に達し、乗員は「艦長旋回を」と促すが、ラミウスは無言だ。旋回地点よりオーバーを「プラス7、8、9」と乗員はカウントアップし続ける。「プラス15、艦長もう岩まで数メートルです!」と叫ぶ。そして「艦長!」と即すが「黙れ!」とラミウス。そして数秒が経過して艦長は「右旋回、右舷エンジン逆転」と命じる。行き詰まる数十秒のシーンだ。この時のレッドオクトーバーの右旋回はチラと表現されているが右バンクしている。
https://www.youtube.com/watch?v=4unk6siO-tI
それと、現在ではバイワイヤというコンピュター制御で、舵とハンドルなり操舵ステックとはコンピューターを介して動作するが、戦闘機などでは旧来機ではできない姿勢で目的の進行方向へ向かうことができる様な説明がなされている。目的はこれでアクロバット飛行として鑑賞させようという訳でなく、攻撃兵器のロックオン範囲を広げることにある様だ。
#潜水艦X舵 #バンク旋回
戦争は意味ない人類の活動として憎むところだが、そこに使用される兵器には知的関心を生み出すものが多い。今回関心を持つのは、比較的新しい潜水艦は後端部に付く舵(ラダー)が、旧来の十字舵でなくX舵となっていることだ。
ここで思うのは、旋回などの場合、2次元の動きをするバイクでは、カーブでその方向の内側へ車体をバンクさせて遠心力とのバランスを取るが、これは3次元の動きを持つ航空機でも同じだ。ただし、航空機の場合は、機体後端部に方向舵を持ち、これで旋回運動をさせるが、合わせてエルロンと呼ぶ主翼に付く舵を左右で逆方向に動かすことで、主翼の揚力差を生み出し機体をバンクさせ旋回時の遠心力とのバランスを生み出している様だ。
また、太平洋戦争の航空戦闘機のパイロットの手記などを読むと、「(横に)滑らせる」という表現があるが、これは並進している別機から見ると、あたかも真横下に流れる様な動きをを表現しているのだろうが、これはエルロンの働きで出来る運動だろう。
なお、自動車とか海上船舶での旋回は、カーブ外側に遠心力に車体もしくは船体が傾くロールというバンクとは逆の動きをする。このことは旧来の十字舵潜水艦でも艦の前方もしくは主塔(セイル)につく潜舵の場合、左右別々の動きをする訳ではないので同様だろうと想像していた。一方、X舵艦では4枚の舵が独立して操舵できると記してあるが、恣意的に艦を傾けるもしくは捻る様な動きを可能にさせている様にも想像した訳なのだ。
それと舵に効きは舵の面積が相当関与するだろうことが想定できるので、4枚の舵を統合制御することで、3次元の動きは機敏さを増すのだろう。ただし、旋回時に内側にバンクするのかを解説したものはとNet検索していたら、以下の様な記述に行き当たった。
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4.>2、3:昔の潜水艦の旋回時の内側への傾斜
これは、かんたんなモーメントの問題です。昔の潜水艦(可潜艦)のラダーはスクリューと同じく、艦の浮力中心よりかなり下側に装備されていますから、ラダーをきると横向きの力がかかり、浮力中心とのズレから内側にバンクするモーメントが働きます。バンク自体はそんなに問題は無いのですが、潜水艦はバンクにともなって艦首を下げて急速に潜っていきますので、油断すると安全深度を超えてしまいかねません。
つまり、同じ滑走艇でも、舵とスクリューが滑走面より下についているモーター・ボートは、旋回時に内側にバンクしますが、プロペラ艇のように滑走面より上に舵がついていれば、通状の排水式の船と同じく、旋回時には外側に傾きます。
8.映画の中で原潜がバンクするのは、たぶん迫力を出すためじゃないでしょうか。
本物の原潜が高速航行時に大きく舵を切るとバンクする現象は「スナップロール」と呼ばれるものです。これは断面が円形の船体と、その上にセイルを載せてるという潜水艦の船体形状が原因です。
右舵を切るとします。船体は船首を右、船尾を左にした姿勢で水中を横滑りし始めます。この時、円形の主船体には回転モーメントは発生しません。しかし、左前方から水流が当たるセイルには右方向の揚力が発生します。結果は右舷側へのローリングです。このようなローリングが起きると、縦舵が水平舵の働きをして船尾を持ち上げ、そうなるとセイルもダイブプレーンとなってさらに船首を下げ、船をディープな所へ持って行くことに相成ります。
ソースURL:http://www.warbirds.jp/ansq/21/B2001661.html
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ということで旧型潜水艦の十字舵でもバンクは起きるが、それだけでは今度は水平舵の影響で艦尾が持ち上がりセイル(主塔)がダイブ舵の働きをしてさらに沈下するということの様だ。これは飛行機でも、エルロンだけの操作でバンクさせると、揚力差でバンクは起きるが、揚力の低い側へどんどん高度を下げる現象が生じるだろうことが想像できる。
こんなことを考えながら、映画「レッドオクトーバー」のことを思い浮かべる。
追尾魚雷に追われ、進路のネプチューンの岩で右旋回するシーンだ。追う魚雷との距離が縮まりつつ前方の岩が近づく。艦長ラミウスは旋回予定地点に達し、乗員は「艦長旋回を」と促すが、ラミウスは無言だ。旋回地点よりオーバーを「プラス7、8、9」と乗員はカウントアップし続ける。「プラス15、艦長もう岩まで数メートルです!」と叫ぶ。そして「艦長!」と即すが「黙れ!」とラミウス。そして数秒が経過して艦長は「右旋回、右舷エンジン逆転」と命じる。行き詰まる数十秒のシーンだ。この時のレッドオクトーバーの右旋回はチラと表現されているが右バンクしている。
https://www.youtube.com/watch?v=4unk6siO-tI
それと、現在ではバイワイヤというコンピュター制御で、舵とハンドルなり操舵ステックとはコンピューターを介して動作するが、戦闘機などでは旧来機ではできない姿勢で目的の進行方向へ向かうことができる様な説明がなされている。目的はこれでアクロバット飛行として鑑賞させようという訳でなく、攻撃兵器のロックオン範囲を広げることにある様だ。
#潜水艦X舵 #バンク旋回
エルロンで機体を傾けエレベーターで旋回出来ます。