私の思いと技術的覚え書き

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クルマの未来(コックピット)はどうなるのか(再録)

2017-11-29 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 昨年記した内容だが、やはりアナログ指針のメーターが良い!
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 クルマの未来として、航空機からの流れを汲むものが多い。今回は、最新鋭旅客機たるボーイング社の787機と、エアバス社のA380機のコックピットの風景を比較してみる。そして、最新EVカーであるテスラ・モデルSのコックピットの風景も交え、まったくの私見として、クルマの未来のことを記してみる。

 ボーイング787は、初号機が大幅に遅延しつつやっと飛び始めたものの、未だバッテリーの問題を抱え続けている様子だ。そのコックピット風景の写真を紹介してみる。大型航空機のインストルメントパネルは、ちょっと前まで、多数の丸や角形のアナログメーターが並んでいるものが一般的だった。しかし、写真を見る通り、インパネ正面は15インチクラスの液晶ディスプレーパネルが4面(+1面がセンターコンソール部に)が並んだすっきりしたものとなっている。なお、操縦輪(桿)は従来機同様の形状のものだ。

 一方、エアバスA380のコックピットは更に斬新だ。液晶ディスプレーパネル10面が並んでいる。そして、操縦輪ではなく、サイドスティックが採用されている。ボーイングの操縦輪もエアバスのサイドスティックもFBW(フライバイワイヤ)が採用されているが、パイロットとのインターフェースに設計思想の差があることが判る。なお、ちょっと昔の航空機だと、正副操縦士とエンジン等の制御・監視に航空機関士の3名体制での運航だったのだが、大幅なECU制御(とバイワイヤ)により、航空機関士を不要とした2名運航が普通になっている。

 クルマの未来のことだが、航空機を追い掛けバイワイヤ技術は益々取り入られつつある。そして、メーターパネルも、そのもの本体に液晶ディスプレイを使用したものや、メーター内の一部表示デバイスとして組み込んだものも既に多く登場している。しかし、クルマの場合には航空機程には常時モニタリングする多種の情報までが必要ないから、インパネすべてが液晶パネルで埋め尽くされることはないだろう。また、クラウンの先代モデルにおいて、メインディスプレィに液晶を使用したものがあったが、新型モデルでは踏襲されていない。想像するに、視認性はともかく、メーター指針などに立体感がまるでなく、薄っぺらで高級感に欠けることも理由ではないかと想像するのである。この辺りは、米国新興EVメーカーのテスラ・モデルSのインストルメントパネルを見ても、大型センター液晶は大画面の地図などが表示され良い面もあるのだろうが、どこか高級感に欠けると感じるのは私ばかりだろうか。

 最後に、ステアリング自体のバイワイヤ化だが、既にアクティブステアリング等で、ステアリングホイールとフロントタイヤ間の非線形化は進んでいる。そして、スカイラインV37では、とうとうというべき、システム異常がない場合、ステアリングホイールとギヤは、その接続を切り離され、ECU制御でギヤを駆動する完全なステア・バイ・ワイヤとなった。雑誌の論評などでは無類の直進安定性だとべた褒めだが、ステアリングホイール固定でも、絶えず微修舵角制御を行っている訳であって、当然のことだろう。しかし、直進状態からステアリングを切り込んだ、様々なシチエーションにおけるコーナリングにおいて、何処まで自然と感じられる舵角を生み出せるのだろうか。当然、ステアリングには、(モーターなどで)恣意的に作られた反力を与える仕組みとはなっているのだろう。YouTubeの清水一夫氏によるブレーキング中のスラロームテストにおいて、「日産、まじかよ!」と呆れたコメントと共に、「この様なテストをしていれば世に出せるはずがないもの!」とまで云わしめている。クルマのステア・バイ・ワイヤーもまだまだ発展途上というか、そもそもドライヴィングプレジャー(走る喜び)を求めるクルマに、マッチしないものというのが私見なのだ。




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