私の思いと技術的覚え書き

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古き国鉄バスのエンジン

2019-01-12 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 僭越な思いかもしれませんが国鉄の分割民営化は大失敗で、その負担を国民に押し付けるだけのものだったと思っています。それはさておき、往年の国鉄は名神、東名と高速道路が開通するに応じて高速専用バスの開発を大型各社に要請したとのことです。その中で作られたのが日野RA900Pという車両だったとのことです。

 エンジンは当初はDS120(16,000cc 320ps)でバージョンアップしてDS140(17,500cc 350ps)と呼ばれる水平対向12気筒エンジンだった様です。と、私も水辺対向エンジンだと思っていたのですが、日野の物知り博士の方に、コイツはボクサーエンジンじゃなかったと聞きました。つまり最終写真の様に純なボクサーは各シリンダーで独立したクランクピンを持ちますが、180度Vという形態になると、左右対向するシリンダー間で1つのピンを共有しています。振動的にはボクサーが有利ですが、クランク剛性としては180度Vの方が有利となる様です。これは、クランクウェブ(腹)の厚みがボクサーでは薄くならざるを得ないことによるそうです。

 現在乗用車で水平対向(ボクサー)作ってるのは、スバルとポルシェだけです。過去、フェラーリ356GTBB、512BBなどやF1マシン312Tなどありましたが、総てボクサーでなく180度Vだった様です。なお、映画「栄光へのルマン」(Sマックイーン主演)で活躍するポルシェ917Kですが、コイツはボクサー空冷12気筒です。但し、クランク剛性に拝領したのでしょう。クランクアウトプットはクランク中央からスパーギヤーで側面にクランクと平行に引き出していた様です。

 日野RA900Pに戻りますが、現代バスに比べそこまでのハイデッカーでないので全高は低い様に見えます。前面投影面積が小さく空気抵抗的には有利だったと思えます。また、この日野だけだった様ですが、リヤエンジンですがラジエータは全面に装着されていた様です。これ以前の昔、リヤエンジンが主流となる以前に、センターアンダーフロアエンジンバスがあり、それに力を入れていたのがやはり日野だった様ですので、その影響もあるのかも知れません。













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