現在のようにATが大部分を占める様な時代になると、MTにおけるシンクロ(シンクロメッシュ)機構のことを判っていない方も多いと思えます。このシンクロメッシュとは、MTの各変速段においては異なるギヤ比が必然となりますから、シフト操作において適宜ギヤを加減速させ、スムーズに噛み合う様にする機構のことです。
例えば極端な例ですが、100km/h4速(ギヤ比1.0)でエンジン回転数が3,000rpmで走行していたとします。この時、2速(ギヤ比2.0)に変速するとちょうど6,000rpmだとしましょう。とすると、4速から2速へ変速には2倍の回転差が生じ、シフト操作を行ってもギヤ鳴りが生じて噛み合いが出来ないということになります。これをシフトレバーを押し付けることでシンクロナイザーリングという円錐摩擦板を介し、被噛み合い側のギヤを加速させる機能がシンクロ機能のエッセンスです。
なお、このシンクロ機構ですが、ギヤ速度が同期するまでドグにズレが生じることでスリーブの進行を妨げシフトできません。そして、同期するとドグがフリーになりスリーブがスムーズ進行し噛み合うことで、常時噛み合いのギヤを軸にロックさせシフトが完了します。さらに、先に述べた円錐摩擦板ですが、最近ではダブルコーンとかトリプルコーンという、摩擦錐面を増やし、さらに摩擦力を増やしシンクロ機能を強化したものもあります。
もうひとつ、ポルシェの開発したポルシェシンクロというものがありました。これはサーボ式シンクロの一種でドラムブレーキ様の自己サーボ原理を利用した強力なシンクロ機能を有するものです。昔は、トヨタでもニッサンでもスポーツ系のMTには、ポルシェシンクロのMTが結構あったものです。(例えばトヨタでは通常MT型式がW50やT50に対し、ポルシェシンクロはP50と呼称)但し、シフトの節度の面では、通常のシンクロがカチカチと比較的節度のある判り易いものであったのに対し、ポルシェ式は、ぐにゅぐにゅと節度感が不足しがちとも云われていたと思います。
4輪市販車ではありませんが、レーシングカーや特にマニアックに改造されたMTミッション、そして2輪車では、シンクロ機構をまったく省いたドグクラッチ(単なる荒い噛み合い機能)のみのものがあります。この手のミッションは。ドグクラッチが比較的荒い噛み合いのため、多少の回転差なら噛み合ってしまう(特に加速時のシフトアップで回転差が少なくほとんど問題なし)というものですが、減速しながらのシフトダウンは、回転差が大きくダブルクラッチを踏まないとダウンは困難というものです。すなわち、先の極端な4速100km/h、3000rpmを2速にシフトダウンしようとしたら、1度クラッチを切り、シフトをニュートラルにし、クラッチを繋ぎアクセルを煽って6000rpmにして(つまりギヤを6000rpmまで加速させる)、再度クラッチを切り、シフトを2速に入れるという操作を行う訳です。シフトアップの場合は、必要なエンジンは低めになりますから、素早いタイミングで、エンジン回転数を落とし過ぎない様にしてやれば、ダブルは踏まなくてもだいたいOKです。
と、ダブルクラッチのことを記しましたが、MTにおいて発進から停止まで、一切クラッチを踏まずにドライブすることも可能です。但し、最近のセーフティクラッチ機能(クラッチを踏まないとスターターモーターが機能しない安全機構)がないクルマの場合です。まず、ニュートラルでエンジンを始動し十分暖機させます。そしてエンジンを停止させ、ローギヤへシフトさせたまま、スターターを廻し、エンジン始動と共に発進させます。セカンドへのシフトは、アクセルオフと共にギヤのバックラッシュの間で素早くニュートラルにします。そして、エンジン回転の頃合いを見計らって、再度アクセルオンとオフの間のバックラッシュの間でセカンドにシフトするという具合で、次々と次段ギヤへのシフト行うものです。シフトアップは回転差が小さく、ほとんどアクセルを煽る必要もなく容易ですあ、減速はちょっと難易度が高いと思います。ニュートラルにした段階で、アクセルを煽って、シフトする変速段にマッチした回転数に合わせないと、ギャ鳴り(ドグ鳴り)を生じますし、あまり無理してシフトレバーを押し付けるとシンクロ機構の摩耗を早めてしまいます。
例えば極端な例ですが、100km/h4速(ギヤ比1.0)でエンジン回転数が3,000rpmで走行していたとします。この時、2速(ギヤ比2.0)に変速するとちょうど6,000rpmだとしましょう。とすると、4速から2速へ変速には2倍の回転差が生じ、シフト操作を行ってもギヤ鳴りが生じて噛み合いが出来ないということになります。これをシフトレバーを押し付けることでシンクロナイザーリングという円錐摩擦板を介し、被噛み合い側のギヤを加速させる機能がシンクロ機能のエッセンスです。
なお、このシンクロ機構ですが、ギヤ速度が同期するまでドグにズレが生じることでスリーブの進行を妨げシフトできません。そして、同期するとドグがフリーになりスリーブがスムーズ進行し噛み合うことで、常時噛み合いのギヤを軸にロックさせシフトが完了します。さらに、先に述べた円錐摩擦板ですが、最近ではダブルコーンとかトリプルコーンという、摩擦錐面を増やし、さらに摩擦力を増やしシンクロ機能を強化したものもあります。
もうひとつ、ポルシェの開発したポルシェシンクロというものがありました。これはサーボ式シンクロの一種でドラムブレーキ様の自己サーボ原理を利用した強力なシンクロ機能を有するものです。昔は、トヨタでもニッサンでもスポーツ系のMTには、ポルシェシンクロのMTが結構あったものです。(例えばトヨタでは通常MT型式がW50やT50に対し、ポルシェシンクロはP50と呼称)但し、シフトの節度の面では、通常のシンクロがカチカチと比較的節度のある判り易いものであったのに対し、ポルシェ式は、ぐにゅぐにゅと節度感が不足しがちとも云われていたと思います。
4輪市販車ではありませんが、レーシングカーや特にマニアックに改造されたMTミッション、そして2輪車では、シンクロ機構をまったく省いたドグクラッチ(単なる荒い噛み合い機能)のみのものがあります。この手のミッションは。ドグクラッチが比較的荒い噛み合いのため、多少の回転差なら噛み合ってしまう(特に加速時のシフトアップで回転差が少なくほとんど問題なし)というものですが、減速しながらのシフトダウンは、回転差が大きくダブルクラッチを踏まないとダウンは困難というものです。すなわち、先の極端な4速100km/h、3000rpmを2速にシフトダウンしようとしたら、1度クラッチを切り、シフトをニュートラルにし、クラッチを繋ぎアクセルを煽って6000rpmにして(つまりギヤを6000rpmまで加速させる)、再度クラッチを切り、シフトを2速に入れるという操作を行う訳です。シフトアップの場合は、必要なエンジンは低めになりますから、素早いタイミングで、エンジン回転数を落とし過ぎない様にしてやれば、ダブルは踏まなくてもだいたいOKです。
と、ダブルクラッチのことを記しましたが、MTにおいて発進から停止まで、一切クラッチを踏まずにドライブすることも可能です。但し、最近のセーフティクラッチ機能(クラッチを踏まないとスターターモーターが機能しない安全機構)がないクルマの場合です。まず、ニュートラルでエンジンを始動し十分暖機させます。そしてエンジンを停止させ、ローギヤへシフトさせたまま、スターターを廻し、エンジン始動と共に発進させます。セカンドへのシフトは、アクセルオフと共にギヤのバックラッシュの間で素早くニュートラルにします。そして、エンジン回転の頃合いを見計らって、再度アクセルオンとオフの間のバックラッシュの間でセカンドにシフトするという具合で、次々と次段ギヤへのシフト行うものです。シフトアップは回転差が小さく、ほとんどアクセルを煽る必要もなく容易ですあ、減速はちょっと難易度が高いと思います。ニュートラルにした段階で、アクセルを煽って、シフトする変速段にマッチした回転数に合わせないと、ギャ鳴り(ドグ鳴り)を生じますし、あまり無理してシフトレバーを押し付けるとシンクロ機構の摩耗を早めてしまいます。