私の思いと技術的覚え書き

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ノンボラタイルとは

2019-04-29 | 技術系情報
 あまり実務に関係ない何時もの能書屋の話しをします。しかし、実務に関係ないといえども、ことの根源としては関係は深く、より高位を目指す技術者にとって知っておいて損はないという内容のつもりです。

 ノンボラタイル(non volatile teil)は、Net辞書を検索してもノンボラメモリーで検索され、意味は消えないメモリー、SDメモリーカードどかSSDと呼ばれる従来の磁気記録を何ら物理手的動作を伴わない個体メモリーICに置き換えたものなどが相当するのでしょう。ですから、ワードの前半のノンボラとは、不揮発の意味であることが判ります。ワード後半のタイルですが、英 tile だと正に壁などに張り化粧させるタイルを指します。ところが、独 teil は一部とかの意味になるのです。従って、ノンボラタイル(non volatile teil)の英独ワードとしての直訳後としては不揮発部分という意味になろうかと思います。

 例えば、塗料缶になみなみ一杯の塗料をフタを開放し何日も放置したとします。塗料はだんだん減ると共に固まっていきますが液面(半固体面)は下がっていくことが想像されるでしょう。これは、塗料は3つの成分(樹脂、顔料、溶剤)に別れ、溶剤により樹脂を溶かし顔料(色)を分散させているのですが、大気中では溶剤は放散し樹脂と顔料が残りますから、溶剤の多さだけ容量が減る訳です。

 昨今は大気汚染防止の観点から、VOC と呼ばれる有機揮発成分を減らす努力がなされています。その一つとしてノンボラタイル(不揮発分)を多くした、すなわち溶剤を少なくした塗料や、溶剤の主成分を水とし油性分を大幅に抑えた水性塗料が広く採用されるに至っています。

 ところで、塗料や樹脂、プラスチックなどの合成樹脂は、いわゆる化学工場で生産されます。teil はドイツ語の様ですが、世界最大の化学工場のことを記しておきます。これはドイツにある basf という企業で、およそ150年もの社歴を有する企業です。製品は、塗料だけでなく、広く合成樹脂製品や肥料、触媒製品など広範囲に及び、日本の各種石油製品や化学関連企業との合弁企業も多いそうです。

余談
 塗装に関心ある方向けに、余談として記してみたい。よく塗料缶だとか広告にハイソリッドたいぷと記してある意味ですが、塗料の樹脂分が多く溶剤分が少ないことを指します。ジュースに例えれば例えば濃縮タイプということがあるでしょう。なお、塗装の実務者なら理解しているところですが、塗装の前提条件として、調色後の調合という段階で、適宜シンナーで希釈することで、適切な粘度に合わせる必要があります。粘度が高すぎると、吹き付け後の塗装表面のラウンド(凹凸起伏)が大きくなりやすいとか、粘度が低すぎると止まり(隠蔽度)が悪いとかタレが生じやすいという不具合になります。

 この高粘度、つまりハイソリッド型塗料はVOC規制の厳しい欧州で先行開発が進んで来た様です。そして、従来のハイソリッドでない塗料より、より高粘度で吹きつけできるスプレイガンとしてHVLP(High Volume Low Pressure)ガンというのが開発使用されています。スプレイガンのメーカーとしては、国産ではアネストイワタが有名で、当然HPLVタイプも用意されていますが、デビルビス(米)とかサタ(伊)辺りは有名で、昔からこだわる施工者には愛用されています。

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