私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

クォーターパネル取替か板金か?

2019-12-10 | 車両修理関連
 先ほど別の方のアップされた話題で、写真のクォーターパネルについて、保険会社が取替の見積を提示したという、ある意味予想外だったと取れる記載を見て感じたことについて記してみます。

 どうやら、この損傷は相手が貨物車の荷台後部とか側部が停止中の乗用車に当てた対物案件なのだと想像されます。だから、トラック荷台の下部に入り込んだ乗用車のクォーターパネル上面にまで直接損傷が生じているのでしょう。

 それはさておき、このクォーターパネルの妥当な修理方法が取替なのか板金なのか、そんなことは愚人にとってはどうでも良いことなのですが、技術力のある板金工場にとって直せる損傷であることを認識していないとすれば大きな問題だろうと思う次第です。だいたい、クォーターパネルみたいな溶接部品を取替るということは、以後の下取り査定で事故車と判じられることになります。もし、工場に十分な技術力があり、取替とおなじ修理品質が生み出せ、それに要する作業時間も取替より安価で済むなら、板金で直すべき損傷だと思うわけです。これは塗装作業についても関係してくる問題で、板金修理だとすればリヤドアなど隣接パネルのボカシ塗装をしないで済むので、作業品質上も有益となる諸要素は多い訳です。なお、ここで強調したいのは、単に修理費を安くするという意味を持って思考している訳ではないということです。あくまで修理品質だとか副次的に生じる事故減価などの顧客が受ける損害をなるべく小さく納めるために、伴う技術力がある工場なら、その期待に応えてくれ理解してもらえるだろうという思いを持ってのことなのです。

 そこで思うことは、この現車を立ち会いなりして作業をクォーターパネル取替として見積作成した調査員は、いったい工場と作業方針の打ち合わせなりのコミュニケーションをしたのだろうかと思うわけです。愚人は、遙かな過去、調査員の新人教育という立場で業務をして来ましたが、この様な見積を行う大前提が欠落した調査員とはなんぞやと思うしかありません。しかし、今の時代は、そんな教育でまかり通っていると思うと残念なことと思う次第です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。