6月1日より道路交通法が改正され、後席同乗者のシートベルト着用が義務化されます。高速道路においては、ベルト装着義務違反は1点減点となるとのことです。
シートベルトは衝突時の乗員安全に最も重要な装備であります。後席乗員のベルト着用率は、従来十数パーセントと低く推移していました。後席乗員がベルトをしていないと、衝突時に後席乗員が前席乗員の頭部に衝突し重傷事故となったり、車外放出(乗員がリヤウインドウ等を破り飛び出す)事故の発生を生じる可能性が高まります。これを防止するためにも、後席シートベルト装着は効果が高いはずです。
ところで、今や乗用車を運転中にシートベルトをしない方は少ないと思いますが、貨物車やバス等では、ベルトを締めていないドライバーが乗用車の比べ潜在的に多い様に感じます。私の仕事絡みであった事例ですが、バスと乗用車が交差点で激しく出合い頭衝突し、バスの運転者がベルトを締めていなかったため、運転席から飛ばされ、その結果として衝突後に50m程度を無人走行状態で走行し路外物に激しく二次衝突したという案件もありました。バスですから、同乗者も多数が負傷したのです。ドライバーがベルトでシートに固定されていれば、衝突後の制動操作により二次衝突は避け得たものと思われました。この様に、多数の乗員を乗せるバスや、運動エネルギーが大きく多大な破壊力を持つ大型車等でのベルト非着用は、罪の重いものと思うのです。