近年、企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)が求められています。これは企業組織が、社会へ与える影響に責任を持ち、あらゆるステークホルダー(利害関係者)の要求に対し、適切で公明正大なアカウンタビリティ(説明責任)を求めています。
ところで、ある書評によれば、以下の様に記されており、まったく頷けるものを感じますので紹介します。
責任(Responsibility)という言葉には、受け身的、消極的、他律的であり、できれば避けたい、やりたくない、しかし求められるので仕方ないという、追われ迫られているイメージがあります。これは、企業本来のあるべき姿とは異質なものと感じます。
マックスウェーバーという人は、仕事をするということは神から与えられた使命(Mission)であると説いています。従って、働くことは他人から求められて為すことではなく、自らの自主的、自立的意志によって為すべきものであると。すなわち、一人一人が、その仕事を通じて広く社会的に恩返しをする、奉仕する場が企業なのです。
この様な仕事観に立てば、企業には能動的、積極的、自立的に、求められなくても自らの意志で為すべきことを為すという社会的使命が求められるという考え方こそふさわしい考え方なのです。ですから、企業の社会的責任よりも、企業の社会的使命(CSM)への発想の転換が必要なのではないのかと結論付け記されています。