陸自・１０式新型戦車

　２年ぶりに陸自・富士学校の開校記念行事を訪問してみました。天候が心配されましたが、現地での行事中は霧が出始めましたが雨が落ちることもなく、高地であることから多少寒さを感じる程で、汗も出ずかえって快適に見学できたと思います。
　さて、今回の見学動機ですが、現行の陸自・主力戦車は９０式ですが、次期主力戦車となる１０式がデモンストレーションされると聞いたことによります。デモンストレーションされた１０式戦車ですが、前部プロウ（排土板）のなしと付きの２台でしたが、比較的高速（５０ｋｍ／ｈ程度）で広場を走り廻るだけで、砲の試射もなく、静止状態を近接して見ることもできませんでした。従って、あまり細部は判りませんが、気が付いたことなどを若干記しておきます。
　１０型戦車は９０式が総重量５０トンと大型化し過ぎたという反省？もあって、総重量４４トン程に小型化されているそうです。ですが、遠方から見ているだけでは、９０式との寸法的な差異を感じることはできませんでした。外観的に９０式より砲身が短くも見えますが、砲塔が前方に伸ばされたデザイン（つまり砲身廻りの装甲が強化されている）による様で、砲身自体に変わりないのかもしれません。走行中の姿で印象的なのは、きれいな円弧を描いてスムーズな高速旋回が行われていることで、戦車でも四輪車と変わらず旋回外側へのロールを生じることを知りました。また、加速時の排気煙が９０式などの比較的新しい車両と比べても少なく感じられましたが、たぶんエンジンは９０式に準じたＶ１０ツインターボディーゼルなのかもしれませんが、制御系は当然のことコモンレール式ＤＩにバージョンアップされているでしょうから当然のことです。最後に、場内アナウンスでも若干触れられていましたが、データリンク機能の搭載が今回の大きな機能更新の目玉としてある様です。このデータリンク機能ですが、海自・イージス艦などにも搭載されるコンピュータネットワークシステムの一種ですが、自戦車以外の兵器など部隊一体となっての戦闘を行う、近未来の戦略・戦術システムの根幹となるものと思われます。
　その他、例年同様の開校記念行事として、模擬戦闘訓練として戦車砲や榴弾砲の空砲発射が多数行われました。これら砲の発射音は何度聞いても感じますが、数百メートル離れても音圧・風圧が耳を圧し身体を震わせる恐怖すら生じさせるものです。しかし、戦場で発射音としてでなく、弾の飛翔音や着弾炸裂音を聞いたとしたら、この様な発射音などは、きっとものの比のことではないのでしょう。