現代日本に極めて蔓延しつつある「うつ病」は、ある意味舞阪肺炎より桁違いに恐ろしい病だ。近年でこそ、年間の自殺者は2万人を切る様になって推移しているが、ちょっと以前まで年間3万名を超える自殺者が10年以上連続した。この自殺の起因は、経済的、性的、様々な事由はあるだろうが、最終的には「うつ病」に陥り、自殺にまで至っていることが知られている。
そして、今でも大企業とか大組織(公務員)などで、ちょっと調査してみれば判ることだが、「うつ病」で長期欠勤している授業員が皆無なところはないであろう。ここで、大企業とかと記したのは、決して中小零細だとか、そもそも未就業者に「うつ病」が生じないと云うことではない。生じても、中小零細だと企業体力的に組織構成員を追い出されることになるし、未就業者に至っては、そもそも統計の取りようがないと云うだけの話しだ。
今回の報は、将来的に「うつ病」の極めて有効な薬を作る切っ掛けになるのかもしれない。しかし、自然の食物と異なり薬とは、何らかの代償(副作用)があるものだ。だから、根本的に精神的な病である「うつ病」を生じさせない、健全な精神活動が行える労働環境を求めていく必用があるのだろう。
拙人の信じる精神病理学者に「加藤諦三」(たいぞう)氏がいる。同氏の各種著作を読んできたが、そもそも日本人は「うつ病」に至る前うつ気質者が多いという特徴があるのだと断言している。そして、同氏は、政府は様々な経済対策や諸施策を行うが、そこには有識者として経済学者が参加するが、決して精神病理学者が参加することはないのだと嘆いている。つまり、具体的に云えば、小泉政権当時、あの評判の悪い竹中平蔵(驚くことにコイツ自身がパソナという人材派遣業の代表者だ)が進めた、一般労働者への派遣労働だが、経済効果だけを訴求し、その結果労働者の精神的負担がどうなるかなんて、これっぽっちも綱領していなかったという非人間的な施策だったのだ。このことは、未来永劫、日本人は忘れてはならない。
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うつ病の「引き金」物質を確認 疲労やストレスで増加
6/15(月) 10:01配信 朝日新聞デジタル
過労や強いストレスが、なぜうつ病を引き起こすのか。この謎の答えの鍵を握るウイルス由来のたんぱく質を、東京慈恵会医大の研究チームが確認した。このたんぱく質はうつ病の発症リスクを大幅に高めるといい、このたんぱく質の存在が確認された人は、そうでない人に比べ12・2倍うつ病になりやすかった。研究チームはうつ病の血液検査法の開発や発症の仕組みを調べる手がかりになると期待している。
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慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)らは長年、疲労とウイルスの関係を調べ、疲労が蓄積すると唾液(だえき)中に「ヒトヘルペスウイルス(HHV)6」が急増することを突き止めていた。
HHV6は、赤ちゃんの病気である突発性発疹の原因ウイルスで、ほぼ全ての人が乳幼児期に感染し、以降ずっと、体内に潜伏感染している。
普段は休眠しているが、体が疲れると、HHV6は目覚め「弱った宿主から逃げだそう」と、唾液中に出てくる。その一部が口から鼻へ逆流する形で、においを感じる脳の中枢「嗅球(きゅうきゅう)」に到達し、再感染を起こしていた。
近藤教授らは、再感染すると、嗅球で「SITH(シス)1(ワン)」というたんぱく質が作られ、この働きで脳細胞にカルシウムが過剰に流れ込み、死んでいくことを培養細胞やマウスの実験で突き止めた。さらに、嗅球の細胞死によって、記憶をつかさどる海馬での神経再生が抑制されていた。
ストレス状態に置かれたマウスが、状況から逃げる行動をあきらめるまでの時間を計る「うつ状態モデル」とされる実験では、嗅球でこのたんぱく質が作られるようにしたマウスは通常のマウスより早くあきらめ、抗うつ剤を与えると、通常マウス並みに戻った。
また、計166人の血液で、このたんぱく質があることの証明になる「抗体」を調べるとうつ病患者の8割で確認され、量も健常人に比べ、うつ病患者で極めて多かった。
これらの結果から、研究チームは、過労やストレスからうつ病が発症する経緯を(1)過労などでHHV6が唾液に出る(2)嗅球に再感染し、SITH1を作る(3)SITH1によって嗅球や海馬などで脳細胞の状態が激変する(4)意欲減退などが起きる――という流れではないかと推論している。
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そして、今でも大企業とか大組織(公務員)などで、ちょっと調査してみれば判ることだが、「うつ病」で長期欠勤している授業員が皆無なところはないであろう。ここで、大企業とかと記したのは、決して中小零細だとか、そもそも未就業者に「うつ病」が生じないと云うことではない。生じても、中小零細だと企業体力的に組織構成員を追い出されることになるし、未就業者に至っては、そもそも統計の取りようがないと云うだけの話しだ。
今回の報は、将来的に「うつ病」の極めて有効な薬を作る切っ掛けになるのかもしれない。しかし、自然の食物と異なり薬とは、何らかの代償(副作用)があるものだ。だから、根本的に精神的な病である「うつ病」を生じさせない、健全な精神活動が行える労働環境を求めていく必用があるのだろう。
拙人の信じる精神病理学者に「加藤諦三」(たいぞう)氏がいる。同氏の各種著作を読んできたが、そもそも日本人は「うつ病」に至る前うつ気質者が多いという特徴があるのだと断言している。そして、同氏は、政府は様々な経済対策や諸施策を行うが、そこには有識者として経済学者が参加するが、決して精神病理学者が参加することはないのだと嘆いている。つまり、具体的に云えば、小泉政権当時、あの評判の悪い竹中平蔵(驚くことにコイツ自身がパソナという人材派遣業の代表者だ)が進めた、一般労働者への派遣労働だが、経済効果だけを訴求し、その結果労働者の精神的負担がどうなるかなんて、これっぽっちも綱領していなかったという非人間的な施策だったのだ。このことは、未来永劫、日本人は忘れてはならない。
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うつ病の「引き金」物質を確認 疲労やストレスで増加
6/15(月) 10:01配信 朝日新聞デジタル
過労や強いストレスが、なぜうつ病を引き起こすのか。この謎の答えの鍵を握るウイルス由来のたんぱく質を、東京慈恵会医大の研究チームが確認した。このたんぱく質はうつ病の発症リスクを大幅に高めるといい、このたんぱく質の存在が確認された人は、そうでない人に比べ12・2倍うつ病になりやすかった。研究チームはうつ病の血液検査法の開発や発症の仕組みを調べる手がかりになると期待している。
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慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)らは長年、疲労とウイルスの関係を調べ、疲労が蓄積すると唾液(だえき)中に「ヒトヘルペスウイルス(HHV)6」が急増することを突き止めていた。
HHV6は、赤ちゃんの病気である突発性発疹の原因ウイルスで、ほぼ全ての人が乳幼児期に感染し、以降ずっと、体内に潜伏感染している。
普段は休眠しているが、体が疲れると、HHV6は目覚め「弱った宿主から逃げだそう」と、唾液中に出てくる。その一部が口から鼻へ逆流する形で、においを感じる脳の中枢「嗅球(きゅうきゅう)」に到達し、再感染を起こしていた。
近藤教授らは、再感染すると、嗅球で「SITH(シス)1(ワン)」というたんぱく質が作られ、この働きで脳細胞にカルシウムが過剰に流れ込み、死んでいくことを培養細胞やマウスの実験で突き止めた。さらに、嗅球の細胞死によって、記憶をつかさどる海馬での神経再生が抑制されていた。
ストレス状態に置かれたマウスが、状況から逃げる行動をあきらめるまでの時間を計る「うつ状態モデル」とされる実験では、嗅球でこのたんぱく質が作られるようにしたマウスは通常のマウスより早くあきらめ、抗うつ剤を与えると、通常マウス並みに戻った。
また、計166人の血液で、このたんぱく質があることの証明になる「抗体」を調べるとうつ病患者の8割で確認され、量も健常人に比べ、うつ病患者で極めて多かった。
これらの結果から、研究チームは、過労やストレスからうつ病が発症する経緯を(1)過労などでHHV6が唾液に出る(2)嗅球に再感染し、SITH1を作る(3)SITH1によって嗅球や海馬などで脳細胞の状態が激変する(4)意欲減退などが起きる――という流れではないかと推論している。
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